新潟B級グルメ、バスセンターのカレーじゃないお店に行ってみる

デイリーポータルZ

新潟のB級グルメといえば、バスセンターのカレーである。

ここにはカレーを出す店以外にも飲食店があるものの、私はいつも素通りしていた。

いい機会なので、カレー以外のお店に行ってみよう。

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。

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万代シティバスセンター

バスセンターのカレーのあるバスセンターとは、「万代シティーバスセンター」のことで、路線バスと、長距離高速バスの発着点である。

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バスが頻繁に行き来する
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県外高速バス待合室
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新潟交通のバスを模した自販機

デイリーポータルZを読み返してみると、2019年には編集部、安藤さんが地元の人頼りの旅で、また2003年には編集長の林さんが体調不良で新潟とんぼがえり旅をしていたところでもあった。

そもそもバスセンターのカレーとは

バスセンターのカレーとは、ここにある立ち食いそば屋のカレーライスのことである。この店は「万代そば」というのだが新潟県民でも店の名を知る者は少ない。

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ご飯時には大行列になる

ここのカレーは何十年と地元で愛されてきたが、「アメトーーク」や「秘密のケンミンSHOW」で紹介されたことにより全国区になった。

このカレーは和風だしと、とんこつをベースにしたスープを使用しており、色も黄色であるため、味的にもビジュアル的にも昔懐かしい感じがするのである。

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お土産やグッズも充実

店にはもちろん、そばやうどんもあるのだが、8割以上のお客がカレーを注文する。

このカレーは大人気ゆえ時間によっては売り切れる。何度も売り切れで食べられなかった経験が私にはあるので間違いない。

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バスセンターのカレー取材中の地元出身タレントと撮影クルー

有名なだけにこの日もテレビの撮影クルーが取材に来ていた。今回は、バスセンターのカレーはこの撮影隊に任せて、私はそれ以外の店を探索してみよう。

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Je suis OWL the Bakery(ジェシー オウルザベーカリー)

バスセンターに入り、まず目についたお店がこちらである。

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Je suis OWL the Bakery

パン屋さんだ。お店の名前は、えーと…ジェ…スイス…オウル……読めない。調べるとジェシー オウルザベーカリーと読むそうだ。

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金賞受賞のカレーパン

カレーパングランプリ2021、東日本揚げカレーパン部門において金賞受賞とのことで期待が高まる。

さっそく店内に入ってみる。

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種類豊富

パンの種類はたくさんあったが、今回は金賞受賞のカレーパンにまっしぐら。

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カレーパン¥260
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バスセンターのカレーパン

バスセンターのカレー以外のものを紹介するためにやってきたにもかかわらず、不覚にも一発目からいきなりカレー関係のものを紹介してしまった。ま、そのぐらいバスセンターとカレーは切ってもきれないものなんである。

さて、このカレーパン、かじりつくと肉ゴロゴロでスパイシーな高級カレーソース。

ふたつに割ってみれば…

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ソースがギッシリ

この味と量には、カレーパンといえば百円以下のものしか食べたことがないのでグッと来てしまった。

またケースに入ったマリトッツォも発見。

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いちごのマリトッツォ¥600

カレーパンだけ買うつもりが、このお姿に胸を撃ち抜かれて衝動買い。

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胸、撃ち抜かれました

初めて食べるマリトッツォ。持って見るとグローブでボールを掴んでいるような感触。ライターの伊藤さんが投げたくなった気持ちがわかった。

大口をあけて食べてみればホールのケーキを丸かじりしているような多幸感を味わうことができた。

ラーチャン家

次に向かったお店はこちら。

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炒飯、中華そば、タンメン

バスセンターのカレーの真横にあるお店、その名も…

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ラーチャン家

ラーチャンとは、ラーメンとチャーハンのセットのことである。

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単品もあるが、あくまでセット中心

これまでラーメン専門店とか、チャーハン専門店はあったが、ラーメンとチャーハンのセット専門店というのが新しく大食漢の私にはうれしい。

そして出てきたのがこれ。

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美しい

にぼしとかつおだしの澄んだスープのラーメンと、素朴なパラパラチャーハンのコンビの威力をあらためて見せつけられる。

色、なんとなく黄金――。

いい響きである。

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ごちそうさまでした

その昔、田中康夫は女子大生モデルが主人公の小説「なんとなくクリスタル」を書いて大ヒットした。

私もそれにあやかって「なんとなく黄金」と書いて、田中康夫の小説とからめて広がりを出そうかと考えてみたものの、まったく広がりをみせることができなかったことをお詫びします。

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おにぎりと大判焼き「寿屋」

最後に訪れたのは万代そばを挟んでラーチャン家とは反対側の隣のお店。

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大判焼きとおにぎりのお店「寿屋」

万代そば同様、40年以上前のバスセンター設立当時からこの場所で営業を続けているそうだ。

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バスでの長旅にピッタリ

これからバスで長旅に向かう人がバスの中で食べるのにも適したおにぎりと大判焼きを販売している。

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栗入りの大判焼き

この大判焼きは餡の中に栗がちりばめられており、二種類の甘さがあって楽しい。

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たらこのおにぎり

ちなみに往年のテレビドラマ「裸の大将」において、芦屋雁之助演じる山下清がこのおにぎりを食べて「バ、バスの中で匂いが広がらないように、たくあんを、ビ、ビニール袋に小分けしてくれているんだな、やっぱり」といって、お礼に貼り絵を置いていく回があったことは新潟では有名である。うそだが。

以上が、バスセンターロータリー周りにあったバスセンターのカレーじゃないお店たちである。

人としてバスセンターのカレー

武田鉄矢率いる海援隊の「人として」の歌詞は、もともと「人として、人に出会い、人に迷い、人に傷つき、人と別れる、それでも、カレーの匂いには抗えない」というものだったのだが、三年B組金八先生の主題歌にするにあたって大きく書き直したと、校長先生役の赤木春恵が言っていた気がする。

ことの真意は別として、そのぐらいカレーの匂いは人に対して強力な求心力がある。

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カレーの匂いがあふれる店舗裏の入り口

 

バスセンターの裏の入り口は、カレーの匂いが漂っている。

だからもちろんバスセンターに一歩足を踏み入れれば、そこはカレーの匂いに満ち満ちている。

そのような人が抗えない匂いの真っただ中で奮闘する、バスセンターのカレー以外のお店にエールをおくりたい。

ま、パン屋さんの中にカレーパンが含まれている点については大目にみてください。

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