レストランのテーブルで、他社訪問時のウェイティングスペースで。
飾ってあるきれいな花にふと目をとめ、「どんな花かなー、香りはどうかなー」などと近づいてよく見ると、造花だったりする。
そんなとき、心底ガッカリするのは私だけでしょうか。
最近は光触媒で空気をきれいにする造花があったり、また一方では造花を作る趣味もあり、造花そのものをおとしめるつもりはまったくない。かえってあんなにそっくりに花を作れること自体、すごいとは思う。
しかし、生花が鑑賞できると思ったのに、そこにあるのは布でできた花びら。その気持ちのやり場がない。
というわけで、かたっぱしから装飾用の花を見て、もし造花だったら読者とともにガッカリしてうっぷんを晴らしたい。
※2007年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
数々のエントランスを求めて
造花の飾ってあるところ・・・と思い出そうとしても無理だ。ぜんぜん記憶にない。
しかし オフィスやホテル、それらのビルのエントランスにはたいてい花らしきものが飾ってある。
ビル群といえば新宿。効率よく探すにはここだろう、とやってきた。
ケース1:セレクトショップにて
さあビル群の中へ!と進もうとしたとき、とあるショップの店先に植え込み発見!近づいていく。
思いっきり生(なま)の観葉植物だった。
この葉の枯れ具合も人の手で再現してある・・・のだったらガッカリどころか拍手モノだが、世間はそこまで私たちを騙そうとはしていない。
葉系の作り物はとにかく精巧にできているものだが、この枯れ具合はまさに生。
さて造花でなく生花だった場合、せめて賛美のポーズ、喜びのポーズでもとって去ろう。
ケース2:某Nビルにて
さて本腰入れて調査しよう。某オフィスビルに潜入しました。
お、エスカレーターの間に、それっぽい鉢植え発見。
というわけで、これも生花だった。
ビルの中とはいえ、日の当たる場所ではあったので、生花でもやっていけたようだ。
しかしこの生花、けっこうお疲れの様子。よって喜びのポーズはお預けだ。
何の基準で自分に厳しくしているのか。
ケース3:某Mリスビルにて
またもオフィスビルの中。こんな物件を見つけた。
ここも大いに日が当たっているので期待は薄いだろう。
いや、「期待が薄い」っていうのは、この場合 「生花だろう」という意味ですね。あーややこしい。
では近寄ってみます。
というわけで、なんとこの、こんもりした一画は全て、生きていたのだった。森は生きている!
生きるってすばらしいわね!
・・・違う意味で個人的にはガッカリオンパレードなのだが、この企画の主旨はどうした。造花でガッカリしたいんじゃなかったのか?
お怒りはごもっともである。が、もうちょっとお付き合いください。
高級ホテルさんなんかは意外とどうなんだろう?と疑問に思ったので、回ってみることにしたのだ。
何してるんですかと聞かれたら、こういう鑑賞サークルですって言おう
ケース4:K・Pホテルにて
大学入試のときに宿泊パックでお世話になったホテルに来た、って個人的な事情はどうでもいいのだ。
背筋を伸ばして入り口から入り、花を探す。
あじさいやアヤメ、その他観葉系の植物が寄せ植えしてある一角を発見。
うーん。いい仕事してますねえ。全部生ですよ・・・。
さすが、こういう場所では毎日お手入れしてるんでしょうな。完敗だ。
ケース5:Hホテルにて
ホテルはそりゃダメだわ、ぜったい生花だわ、だってホテルだもの!と同行者とわーわー言いながら、またも高級ホテルをはしご。
エントランスにはこれといった花はなく、お手洗いにて帳尻を合わせる。
というわけでこれも生花。
場所が場所なので、さっと撮ってさっと撤収だ!ヒットアンドアウェイ。
ケース6:PHホテルにて
最高にハイソでラグジュアリーでリュクスな輝きを放つ某ホテルのエントランスにやってきた。もうおののきのあまり言葉も適当に。
根拠のない敗北感にうたれつつ、近接調査を試みる。
と、さすがは高級ホテル群、気を抜かないおもてなしぶりに瞼が熱くなる。
さて、そろそろガッカリしていただきましょうかな。
「ガッカリ」の文字がゲシュタルト崩壊するほどに!
ケース7:某M井ビルにて
休日のオフィスビル、ではあるが階上のレストランの営業により、一般の人の出入りはあるようだ。
その波にまぎれ、さらっとなでるようにフロアを見回す、と受付に!
カニ歩きで近寄っていく。
白、黄色、オレンジと華やかな色合いで来客を迎える花、一見生花のようで、しかし実際のところ、造花でした!
さん、はい。
ケース8:某S友ビルにて
ここはちょっと変り種。なぜなら・・・アクアリウムなのだ。
せっかくなので見ていくことにした。
この場合、魚のためにも本物の植物がいいように思うのだが、どうなんだろう・・・。
ケース9:某Pタワービルにて
最後はこれ、巨大な「コケ玉」だ!
地球のような玉が、いくつも転がっていた。
「コケ玉」だと思ったので、「あー、こりゃ全部生のを植えつけてるんだろう」と、最初は思った。
が、細部にわたって仔細にチェックしてみると・・・(何様だ)。
なんと、生花と、コケのジオラマみたいなものとのハイブリッドであることが判明。
これは複雑。
いきおい、決めのポーズも釈然としないものに!
というわけで、9箇所回ったうちの3箇所で「ガッカリ」できた。
「ゲシュタルト崩壊!」とか言ってた割には、少ない。
ビルのエントランスは気合が入っているものなのか。
中に入っているオフィスの受付ごとに見れば、もっと多かったりするのかもしれない。
街のある小さなレストランで、テーブルの一輪挿しに投げ入れられた花が造花だったことがある。いや、造花でもいいんだけど、埃かぶってたりして、「なら飾らなくていいじゃない!」と思った。
それで思いついた企画なのでした。
造花も生花も、使いどころということか。ゾーカゾーカ(そうかそうか)。