やなか珈琲の店頭で「福袋の予約受付中」の貼り紙を見たとき、私は「まぁバズらないだろうな」と思った。大変失礼なのだが、現在の傾向を考えるとそこまで注目されるとは思えないのが正直なところ。
バズるコーヒー系福袋とはスタバのようにキャピキャピしたヤツであり、やなか珈琲にはその要素が皆無なのだ。よって、私はそのまま店の前を立ち去ろうとしたのだが……心の中で、こんな声が響き渡っていた。
・心の声
「ちょっと待てや! バズるとかバズらないとかで物事を見てんじゃねえよ! お前いま『この福袋ええやん』って思ったよな? じゃあ本当にええかどうか、買って確かめろよ! そして良かったら記事で紹介しろよ!
それがお前の仕事やろ? バズりそうなものばっかり追っかけててええのか? そもそも、お前の “バズリ感知センサー” 、精度が中華系ガジェット並みにクソじゃねえかよぉおお!」
……こうして、いま私の手元には「やなか珈琲」の5000円福袋が1つある。店頭では1万円のものもあったが、どちらも現在購入できるかどうかは分からない。売り切れの店舗だって多いだろうから、来年の参考として読んでもらうのがいいかと思う。
・やなか珈琲
ここで「やなか珈琲」を知らない人のために超ザックリ説明すると、東京を中心に店舗展開するコーヒー豆屋さんというのが1番わかりやすいだろうか。
店内でコーヒーを飲める店舗もあるが、コーヒーや豆をテイクアウトするために訪れる人が多いイメージ。私もよく「やなか珈琲」でコーヒー豆を購入しており、それこそコロナ禍以降に利用機会が格段に増えた。
言うまでもなく、テレワークによって自宅でコーヒーを淹(い)れる機会が増えたから。私と同じような人は多いことだろう。そして私と同じく、店の外に漂うコーヒーの香りに誘われてついつい買っちゃう人も結構いそうな気がする。
・シンプルすぎる
さて、そんな「やなか珈琲」の福袋2種のうち、5000円タイプの袋を開けると……
シンプルだなぁ。中身を書き出しておくと、こんな感じ。
【やなか珈琲5000円福袋の中身】
・ブルーマウンテンブレンド(200g)
・モカバニーマタル(イエメン産 / 200g)
・レッドブルボン1912(ブラジル産 / 200g)
・エコバッグ
なんというか、世の中のコーヒー系福袋がゴテゴテに化粧しているなか、やなか珈琲はすっぴんで勝負している。ゆえに派手さはないのだが、一方で「これで良くね?」とも思う。
なぜなら、すっぴんが最高なのだから。たとえば、「ブルーマウンテンブレンド。ハンドドリッパーで淹れて飲むと……
ええ香り!
こういうのでいいのよ!
エアロプレスで淹れて飲んでも……
こういのでいいのよ!
福袋の中には限定タンブラーもなければドリンクチケットもなければ、スイーツもない。愛想らしい愛想といえば、エコバッグのみ。それ以外はすべてコーヒー豆だけど……十分。
だって、コーヒー屋の福袋なのだから。本来はこうあるべきなのだ。
・実は結構お得
ちなみに、やなか珈琲の公式サイトにはコーヒー豆の価格が載っているから、以下に記載しておこう。
・ブルーマウンテンブレンド → 1258~1480円 / 100g
・モカバニーマタル → 1003~1180円 / 100g
・レッドブルボン1912 → 755~890円 / 100g
福袋のコーヒー豆は200gなので、上の数字を2倍して計算すると……豆だけで6000〜7000円って感じだろうか。トータルとしては7490円とのことなので、5000円福袋を買うことで2500円くらい得する形だ。
・隠し割引発生
さらに、実は福袋を店頭で購入すると……
スタンプが一気にたまって、次回は500円オフ。このあたりも地味に嬉しい。というか、この店で500円分のコーヒー豆って、コーヒー何杯分なのだろうか。
豆にもよるから一概には言えないが、少なくとも何杯かは実質タダになる。ってことは、家でコーヒーを淹れる人にとっては下手なコーヒーチケットより豆500円オフの方がお得かも。
なお、福袋はネットでも予約を受け付けていたもよう(現在は終了)。来年狙っている人は こまめにホームページをチェックしておくといいだろうが、入手のために必死になるのもまた違うように思う。
あれば買う。それくらいの気持ちのほうが、やなか珈琲の福袋をより楽しめる気がするぞ。