FBIのCyber Action Teamが盗みを働くようなもんだよな…。
韓国の情報機関は、政府の支援を受けた北朝鮮のハッカー集団が、過去5年間で総額12億ドル(約1600億円)の暗号通貨やその他のデジタル資産を盗んでいたことを明らかにしました。
北朝鮮のハッキング技術は世界トップクラス
AP通信によりますと、韓国の国家情報院は、北朝鮮ハッカー集団が2022年だけで総額の半分以上にあたる約6億2600万ドル(約830億円)を盗んだとのこと。そのうち、韓国から盗んだ資産は7800万ドル(約104億円)だったそうです。国家情報院は、2023年には北朝鮮が対韓国のサイバー攻撃を強め、原発や半導体、防衛産業など先端技術関連の情報をターゲットにするのではないかと予想しています。
聯合ニュースは、北朝鮮について国家情報院が次のように述べたと伝えています。
2023年に国家経済発展5カ年計画の3年目を迎えるにあたり、北朝鮮は目標達成のために先端技術や外交・国家安全保障関連の不正な情報収集に躍起になると思われます。
北朝鮮は今後も暗号通貨の窃盗を続けると見られています。国家情報院によると、北朝鮮の暗号通貨やデジタル資産の窃盗テクニックは世界トップクラスなのだとか。2022年3月、人気オンラインゲームAxie Infinityが暗号通貨6億2000万ドル(3月の平均為替レートで約734億円)を奪われる事件がありましたが、米連邦捜査局(FBI)は、この史上最大の暗号通貨盗難事件を北朝鮮のハッカー集団によるものと見ています。
経済制裁でサイバー犯罪を強化
北朝鮮のハッカー集団は、同国の核兵器開発とミサイル発射実験を受け、国連が2017年に経済制裁を強める形で石炭や繊維、水産物など北朝鮮製品の輸出を禁止した後にハッキング技術に磨きをかけ、サイバー犯罪に力を入れるようになったそうです。中国、ロシア、イランと並んで、北朝鮮は国家ぐるみのサイバー犯罪の脅威として世界有数と考えられています。
盗んだデジタル資産でミサイル開発
専門家によると、北朝鮮は盗んだ資金の最大3分の1をミサイル開発につぎ込んでいるとのことです。11月までに北朝鮮が行なった計34回、88発といわれる弾道ミサイルと巡航ミサイルの発射実験に費やされた資金の大部分は、サイバー犯罪によって賄われたと思われます。11月に発射実験が行なわれた大陸間弾道ミサイルは、アメリカ全土のどこでも攻撃可能と専門家は指摘しています。サイバー空間とリアルが入り乱れた戦争は、もう始まっているのかもしれないですね。