2022年、 マーケター たちはどんなトレンドと問題を経験したか

DIGIDAY

2022年、特にその後半は楽な期間ではなかった。

Twitterが急激な変化の中で浮き沈みを見せ、プライバシー関連の規制が大きな変更を余儀なくさせる中で、マーケターたちは、経済の不確実性を乗り切るだけでなく、どのマーケティング・チャンネルが人気になるかを判断しなければならなかった。

2023年を展望する前に、2022年の大きなトレンドを振り返ってみよう。

不確実な経済の中での柔軟性

パンデミックが本当に終息し、正常な状態に戻るのは(戻るとしたら)いつになるのか、オフィスに戻るのはいつになるのか、そしてより消費者の行動はいつ以前の状態に戻るのかなど、ここ数年、マーケティング・コミュニティは様々な不確実性に対応してきた。

この半年ほどの間、不確実性と言うと経済的な側面に焦点が当てられてきた。市場の浮き沈みや、予測される不景気に加えて、お互いに矛盾するような内容の報道がなされることで、人々がどう考えているのか、どのような広告をすべきなのかを読み取ることがマーケターにとって難しくなっている。とはいえ、この1年の後半の大半において重要なトピックは柔軟性とよりタイトになった契約期間だった。この柔軟性を求める動きはここ数年でよく見られるものであり、来年も続く可能性が高い。

TikTokの継続的な台頭

2022年を通して人気上昇を続けたTikTokは、今年一番の寵児となった。消費者、特にZ世代の消費者がより多くの時間を費やしているプラットフォームで広告をしたいと考えたマーケターたちは、TikTokを実験的広告の予算としてではなく、広告予算の柱とした。とはいえ、TikTokに問題がないわけではない。マーケターは同社の広告担当者に対して様々な不満を抱えていることを明らかにしている。

また、ユーザーの属性機能に関しても、不満を述べている。同時に、議員らはプラットフォーム自体の禁止を検討している。それが実現するかどうかは時間が経たなければ分からないが、TikTokをマーケターたちは常に意識しており、ソーシャルメディアの広告費をどのように使うかだけでなく、どのように広告を作るべきかを考えているか、判断の材料となっている。

Twitterの狂気

2022年に話題となったソーシャルプラットフォームはTikTokだけではなかった。マーケターたちは、イーロン・マスクがTwitterを買収したことで、Twitterの舞台裏(時に非常に公に)巻き起こる騒動に注視する必要があった。ここ数カ月は波乱に満ちた期間となっており、広告主たちはTwitter上での広告支出を減らしている。これはブランドの安全性への懸念が存在すると同時に、何らかの変更を発表して数日から数時間のうちに撤回するという、極端なリーダーシップのアプローチをマスクがとっていることが原因となっている。これはマーケターやソーシャルメディア担当マネージャーにとっては確かに厄介なことだった。それでも、マスクが指摘するように、彼らは今でもTwitterにお金を使っている

アーンドメディア

TikTokへのフォーカスの移行、そしてソーシャルメディア広告業界の終わるところのない変化の一環として、多くのマーケター、特にD2Cブランドに携わる人々がアーンド・メディア(広告としてお金を払って得たメディア露出ではなく、オーガニックにブログやSNSで得られるメディア露出)戦略を強化している。

これは、プライバシー規制やiOSの変更の結果、ブランドが競争することが難しくなっており、有料のソーシャル広告に頼って目標を達成することができなくなったためだ、と一部のマーケターは述べている。この変化は2022年に限ったことではないが、年間を通じて確実に加速している。多くのマーケターが、より多くの消費者の目に触れてもらうために、アーンド・メディア戦略とオーガニック・メディア戦略の作成と強化により時間を費やしていると述べている。

Z世代

なぜか、マーケターたちは若い世代に注目する傾向がある。若い世代に気に入ってもらえれば、他の世代も続くのではないかと期待しているのだろうか。ここ数年、ミレニアル世代が年齢を重ねたことで「最も若いマーケター層」から外れ、ターゲットはミレニアル世代からZ世代に移っている(なぜマーケターたちがX世代を無視し続けているのかは謎である)。そうである以上、よりオーガニックなメディア戦略の推進、インフルエンサーとのコラボレーションTikTokへの投資の増加などの特定の戦略の背後にある理由をマーケターに尋ねた場合、その理由の大部分はZ世代にリーチしたいから、というものになるだろう。この傾向は来年も続く可能性が高いが、2022年を通じて確実に焦点となっていた。

メタバース、NFT

2022年を通して、マーケターたちはNFT、メタバース、Web 3などを試してきた。そのことはどれも、驚くべきことではない。常に次の大流行を探しているのがマーケターというものであり、流行の走りになるブランドの一つになることを望んでいる。(彼らがクラブハウス(Clubhouse)が次の大流行になると思ったのを覚えているだろうか)。しかし依然として、NFT、メタバース、そしてWeb 3へのマーケティング取り組みに本当に価値があるのかという疑問は残っている。

人々は本当に、メタバースにおけるブランド制作のスペースで時間を過ごしたいと思っているのだろうか。彼らにとって何らかのメリットがない限り、その質問に対する答えは完全にノーである可能性が高い。マーケターたちはこれらの新しい分野への進出を消費者にとって有益なものにする方法を探し続ける必要があり、でなければこういった手法の採用は最小限にとどまる可能性が高い。

[原文:Marketing Briefing: Here are the top trends, issues marketers had to navigate throughout 2022

Kristina Monllos(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)

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