映画やテレビが元ネタのボードゲーム:駄作も傑作もまとめて12選

GIZMODO

映画制作会社がだいぶ前から認識していることがあります。自分たちの知的財産である映画作品を、スクリーン以外でもっと楽しんでもらうには、その作品をボードゲームにするのが一番だということです。Ravensburger、Gale Force Nine、Renegade、Fantasy Flightなど、素晴らしいクリエイター企業がたくさんあって、次の休日にプレイしたくなるゲームが山のようにあります

有名な映画やドラマをベースにしたボードゲームは、別に目新しいものではありません。今回は、そのなかでもぜひプレイしてもらいたい傑作ゲームも、逆に映画やドラマだけにしてほしかったと思うような駄作ゲームも、あわせて紹介しちゃいます。

Netflix『イカゲーム』のボードゲーム(10点中0点)

Image: Netflix

間違いなく、最もクリエイティブ性に乏しく金儲け主義の感覚まる出しなのが、『Squid Game(イカゲーム)』のボードゲームです。Netflixドラマの各話をなぞっていくだけの平々凡々な脚色で、独自の解釈はほとんどありません。戸惑うくらい退屈なうえに、ドラマのテーマは完璧に無視されています。

映画やドラマとタイアップしたモノポリー(10点中1点)

Image: USAopoly

私たちは皆、資本主義の世界を生きています。『スター・ウオーズ』だろうと『ゲーム・オブ・スローン』だろうと、『ゴールデンガール』、『フォートナイト』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、あるいはクリンゴンが登場するこれだろうと、有名映画やドラマとタイアップした「モノポリー」は必然的にダメダメです。失礼、これはクリンゴン語でもプレイできる以外、普通の「モノポリー」でした。特別版はおすすめしません。もっといいのがあります。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のボードゲーム(10点中3点)

Image: Netflix

これが、『Stranger Things(ストレンジャー・シングス 未知の世界)』とタイアップしたゲームですが、ただしシーズン3専用です。だから、商品タイトルにも「Attack of the Mind Flayer(マインド・フレイヤーの襲撃)」という副題が付いています。これは、まあ、悪くないのですが、言ってみれば、プレイの難度が高くなっています。私も仲間とプレイしてみましたが、バランスシフトが、ちっとも楽しめませんでした。結局は、「UNO」のリバースカードを使うゲームみたいなものです。楽しめる人もいそうですが、私はダメでした。

映画タイアップ版のUNO(10点中3点)

Image: Mattel

「UNO」といえば、映画ネタの「UNO」があるのは、きっとご存じないでしょう。ちゃんとあります。タイアップ版の「モノポリー」よりいいのは、普通に楽しめて、しかも「モノポリー」と違って安上がりだということです。あの「モノポリー」を楽しめるのは、よほどの変人でしょう。そうそう、映画やドラマをネタにしたゲームをほかにご存じなら、ぜひ紹介してください。

『レジェンド・オブ・コーラ:プロベンディングアリーナ』(10点中4点)

Image: IDW Games

この『Legend of Korra: Probending Arena(レジェンド・オブ・コーラ:プロベンディングアリーナ)』をここで紹介するのは辛い…、本当に不本意です。というのも、実は心から楽しみにしていたゲームだったからです。何年か前に、クラウドファンディングのKickstarterで応援しました(「Amon」の拡張パックまで購入しました)。実際、このボードゲームにはかなり細かい設計も愛情もつぎ込まれているのですが、できあがってみると、扱いにくいゲームになってしまいました。プレイが難しいというか、学習曲線の要求が高すぎるのです。デザイナー(Sen-Foong Lim)も好きなのに、たぶん、元ネタに対する思い込みが強すぎて、ボードゲームとしては水準に達することができなかったのでしょう。何とも残念です。

『イスラ・ヌブラルの遺産』(10点中5点)

Image: Funko

次も、ちょっと複雑な心境にならざるをえないゲームです。古典的なゲームは楽しめるのですが、『Legacy of Isla Nublar(イスラ・ヌブラルの遺産)』は、120ドルという定価に見合うほどの出来ではありませんでした。おもしろいし、楽しめます。でも、私がこれを楽しめたのは、最新作で恐竜がキャストを本当に食べちゃっていると想像したからでした。ちょっと残念ですが、ほかに楽しんでいる人はいました。

『バトルスター・ギャラクティカ:ボードゲーム』(10点中6点)

Image: Fantasty Flight Games

サイロンの兵士ではありませんが、私にも自意識はあります。ときどき。『Battlestar Galactica: The Board Game(バトルスター・ギャラクティカ:ボードゲーム)』に、このスライドショーでこのくらいの評価を付けているのは、ひとえにそれが理由です。途方もない制作期間がかかっていて、定価は呆れるほどですが、それでも、このゲームは素晴らしいのです、本当に。といっても、準備や休憩時間を除いて1回のセッションに3時間以上かかるゲームに、400ドルもの大金を喜んで払う気になる人ならです。私は大好きです。戦術勝負で、周到に設計されているので、プレイしていると頭が煮詰まります。でも、まあ、私と同じくらいのボードゲームおたくじゃないと、説明してもおもしろさが伝わらないかもしれませんが…。

ディズニーの『ヴィラーノス』(10点中7点)

Image: Ravensburger

はい、お叱りは覚悟のうえで書きます。私見ですが、『Villainous(ヴィラーノス)』のシリーズは、いい、ですよね? たぶん、おもしろいです。でも、その良さはほとんどが元ネタのおかげだと思います。コマもそれぞれ素敵です。でも、理由はわからないながら、私向きではありません。ほかのみんなは大好きなので、そういう人はどうぞ。

『ワイルド・スピード: Highway Heist』(10点中8点)

Image: Funko

映画やドラマをベースにしたボードゲームに私が求める要素のひとつは、ボードゲームの決まりごとを最大限に活用しているかどうかです。『Fast and the Furious(ワイルド・スピード)』はその点が合格で、さらに私好みの点もあります。協力プレイのしくみです。対戦するだけでなく、友だちと協力して遊ぶことができます。

『The Thing(遊星からの物体X): Infection at Outpost 31』(10点中8点)

Image: USAopoly

The Thing(遊星からの物体X)』のテーマをうまく使っていて、作り込みが素晴らしく、ボード上で調査を進めていく緊張感あふれるゲームです。プレイできるまでの学習曲線の要求は低くありませんが、心底よくできているので、元ネタになった映画のファンにもおすすめしたいと思っています。

『サンズ・オブ・アナーキー:メイヘムの手下たち』 (10点中10点)

Image: Gale Force Nine

うまく説明できませんが、『Sons of Anarchy: Men of Mayhem(サンズ・オブ・アナーキー:メイヘムの手下たち)』は、元ネタの有無にかかわらず、純粋に素晴らしいゲームです。間違いなく。テリトリーを広げながら、入ってくる資金を増やしていきますが、ボードという制限がストーリー上のプレッシャーを生み出していて、そのイメージ喚起力と緊張感がたまりません。皮肉抜きで、最高のボードゲームといえます。製造元Gale Force Nineのスタッフに最敬礼。皆さん、最高です。

『ジョーズ』(10点中10点)

文字どおり、緊張感で歯を食いしばりたくなるようなおもしろさ『Jaws(ジョーズ)』のスゴさは、お伝えしようがありません。ゲーム中も、最後のギリギリまでおもしろい。1人対多数スタイルのゲームですが、自分が悪者になって終わることもあります。2つのボードゲームが1つになっていて、どちらの面も設定に説得力があり、リアルタイムで集中と戦略を続けていきます。1人のプレイヤーがサメになり、残りのプレイヤーは映画の主人公たちになるというルールがおもしろく、その発想からして気に入っています。海で泳いでいる人に向かって行くとき、独自のサントラや効果音を付けられるのも、最高に楽しいボーナスです。