知りたくなかった。トイレを流したときにどんな風に汚染物質が飛び散っているかを可視化しちゃったよ

GIZMODO

流さなければどうということはない?

コロラド大学の科学者が「トイレの水しぶきヤバいから公衆トイレの利用を避けようキャンペーン」にしゃかりきになっています。同大の研究チームは、緑色のレーザーと一般的なカメラを使って、よく見かけるタイプのトイレを流したときにいったい何が飛び散っているかを調べました。知らないほうがしあわせなことってあると思うよ、僕は。

あなたの知らないトイレの世界

トイレを流したときに、水分やうんち、さらには新型コロナなどのウイルスが空気中に飛び散るのはよく知られていますよね。そこまでで十分なのに、Scieitific Reportsに掲載された『商業用トイレは激しく速く汚染物質を飛び散らせる』というタイトルの研究は、それがいかに深刻かを明らかにしちゃいました。

論文の主執筆者であり、コロラド大学工学部の生態流体力学研究所を率いるJohn Crimaldi教授は、プレスリリースで次のように述べています。

便器からエーロゾル(エアロゾル、空気中に浮遊するちりなどの固体や液体の粒子のこと)が飛散するのは知られていましたが、可視化されたことはありませんでした。私たちの研究は、これまで考えられていたよりも激しく急速にエーロゾルが飛び散ることを明らかにしました。

秒速2mで飛び散る粒子

Toilet bowl with green lasers 02
Image: John Crimaldi

研究チームは、2種類のレーザーを使用して、便器から飛び散る粒子を可視化しました。まず、便器から飛散した粒子を確認するために便器に向けて垂直にレーザーを連続照射、そして飛散速度を計測するために高速パルスのレーザーを同じ位置に照射しました。これで便器から粒子がどれくらいの勢いで飛び散っているのかを確認できます。

その様子がこちらの動画。左が見たくないものを見なくていいバージョン。右が見たくなくても見えるバージョンです。見える、私にも水滴が見える!

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Image: Science X / YouTube

その結果、研究チームに「強すぎるカオス噴流」と呼ばれるトイレの水流は、流してから8秒以内に高さ約1.5mまで届き、噴射速度のピークは毎秒2mに達することがわかりました。赤血球ほどの大きさといわれる5~10マイクロメートルの大きい粒子は、小さい粒子よりも速く落ちますが、小さい粒子は長いと数分間も空気中にとどまって、最終的にはウイルスやバクテリアと一緒にさまざまな場所にくっつくことになる可能性があるそうです。怖すぎます。

最後にCrimaldi教授からの言葉を…。

見えないものをないことにするのは簡単です。でも、この映像を見て知ってしまったら、もう同じ目でトイレを見ることはできないでしょう。トイレが汚染物質を飛散させる様子をドラマチックに可視化することで、この研究は公衆衛生にとって重要な役割を果たすことができます。


流す前にフタをすればOKってわけでもなさそうですね。アメリカの公共施設にあるトイレ、ほぼほぼフタがついてないのでヤバい。今までいろんなものを吸い込んできたんだろうな。これからは公衆トイレにもマスクを着けて入るか、入ってから出るまで呼吸を止めないといけませんね…。

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