「子どもが携帯電話をいつ持ったか」と睡眠・うつ病には関連性がないことが明らかに

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子どもが初めて携帯電話を手にした年齢と睡眠パターン、うつ病には関連性がないことがスタンフォード大学の研究で明らかになりました。従来の研究で示されたことのある「携帯電話を持つと成績が下がる」「睡眠の質が下がる」といった結論を覆す内容となります。

Are mobile phone ownership and age of acquisition associated with child adjustment? A 5‐year prospective study among low‐income Latinx children – Sun – Child Development – Wiley Online Library
https://doi.org/10.1111/cdev.13851

Age that kids acquire mobile phones not linked to well-being, says Stanford Medicine study | News Center | Stanford Medicine
https://med.stanford.edu/news/all-news/2022/11/children-mobile-phone-age.html

子どもが携帯電話を手にする年齢についての研究はスタンフォード大学のXiaoran Sun氏らの研究チームが行いました。研究チームは、7歳から11歳の250人以上の子どもたちのグループを5年間にわたって研究することで、携帯電話を手にした際の子どもたちの幸福感を追跡しています。

子どもが最初に携帯電話を手にした平均年齢は11.6歳で、10.7歳から12.5歳の間で手にした人数が急激に増加し、子どもの50%が初めて携帯電話を手にしました。この結果は多くの家庭で「子どもが携帯電話を持つ最善のタイミング」と考えた時期が合致したことを示唆しているとのこと。

「携帯電話は睡眠の質や成績を低下させる」という結論を示す先行研究があり、これとは別に関連性が示されないという結果の研究もありましたが、ほとんどは縦断研究を行っていませんでした。

Sun氏らの研究では、毎年子どもが携帯電話を所持しているかどうかや、それがスマートフォンであるかを尋ねるだけでなく、うつ病の症状を評価するための質問紙の記入や子どもの学年、就寝時間と起床時間について調査しました。また、子どもたちは加速度計を腰に1週間装着し、毎晩の入眠と睡眠時間の調査が行われました。


調査の結果、ほぼ全ての子どもが15歳までに携帯電話を所有しており、その99%がスマートフォンでした。また、子どもが最初に携帯電話を手にした年齢によって幸福感が異なるかどうかの分析では、うつ病のスコアの減少が携帯電話を所有していない子どもよりも所有している子どもの方が減少が遅いことや、携帯電話を所有していない子どもは学校のない日はわずかに睡眠時間が長かったことが示されましたが、これらのデータは統計的に有意ではありませんでした。

さらに研究チームは子どもの特性が幸福感と携帯電話の所有との間に相互作用するかについて分析し、女の子よりも男の子の方が抑うつ傾向が低かったことを明らかにしています。


これらの結果から、「携帯電話の所有が子どもの幸福にプラスまたはマイナスの影響を与えた」ことは認められず、研究チームは「携帯電話の所有よりも、子どもたちが携帯電話をどのように使用するのかについて研究することが重要かもしれません」と述べています。

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