よのなかのものはおおむね「ピンキリ」だ。食べものも、食べることが好きだと日常的に上等なものを買うかもしれないが、私はどちらかというとできるだけ安く買いたいと思っている。
それで思えばあまり、高級の側の景色を知らないのだ。
ひとつ290円の栗まんじゅうがあると聞き、それはすごいと高島屋に行ったところ、さらに高いものがあった。(編集:古賀及子)
滋賀県、しろ平老舗のほっ栗まんじゅう
さらに高い、その栗まんじゅうは、滋賀県にあるしろ平老舗の「ほっ栗まんじゅう」。
しろ平老舗は1865年の創業の由緒あるお店で、職人でもある店主は5代目なんだそうだ。職人さんとして大変な受賞歴をお持ちという。
お店の名物は「きんかん大福」で、こちらは手土産として有名なのだけど、「ほっ栗まんじゅう」のほうは知る人ぞ知る商品らしい。
「きんかん大福」はアンテナショップやデパートで期間限定的に買える模様
今回は偶然見つけて購入できたが、この日の入荷分の最後の2つということだった。
お値段は389円。
上生菓子ならあり得る値段だけど、栗まんじゅうというと、和菓子の中でもカジュアル寄りのお菓子だろう。それでこの値段か! と私は驚いたのだけど……。
せっかくの逸品、ライターの小堺さんとともに、よく買うパスコの栗まんじゅうと食べくらべてみることにした。
なお、小堺さんはまだ値段を知りませぬ。
栗まんじゅうといえば「バイバイン」
古賀:
今日はギリギリ栗のお菓子の旬に間に合うかな、といういことで、栗まんじゅうを用意しました!
小堺:
栗まんじゅう。うん。
古賀:
まずはこれ、敷島製パン、パスコの作っている5個入りのやつ、いつものですね。
小堺:
これ見るとドラえもんのエピソード……。
古賀:
「バイバイン」でしょう!
小堺:
あれ怖いよね!
古賀:
栗まんじゅうといえば、ね! これがまさにあのドラえもんに出てくるとおりの、例の栗まんじゅうなんだよね。
小堺:
絵みたい。
古賀:
絵の通りというのが栗まんじゅうの良さだったりもするよね。
栗まんじゅうの高いやつ
古賀:
で、今日はそんな栗まんじゅうの、高いやつを買ってきました。
古賀:
じゃーん! 新宿高島屋の、各地のおいしいお菓子が買える最高コーナー、銘菓百選でね!
小堺:
おお~!
古賀:
ちなみにいつもの栗まんじゅう、今日買ったパスコのは5個セットで400円ちょいくらいで買えるんですね。ひとつ85円とか。100円以下ですね。
小堺:
はいはい。
古賀:
で、今日はそもそも「虎ノ門岡埜榮泉」というお店の栗まんじゅうを用意する予定だったの。栗一粒がまるっと入ってる有名なお店のやつ。
小堺:
栗一粒! ぜいたく!
古賀:
それがひとつ290円なんですよ。
虎ノ門にお店があるんだけど、新宿の高島屋でも買えるのね。で、それを買いに高島屋に行ったらより高い栗まんじゅうがあったという。それが、これ、というわけです。
小堺:
でか! そして栗の形。かわいい。
古賀:
滋賀県のしろ平老舗さんの「ほっ栗まんじゅう」です。
小堺:
あっ! 滋賀県。有名なお菓子屋さんいっぱいあるイメージ。
古賀:
そうそう、ここのお店はきんかん大福が有名で、でもこのほっ栗まんじゅうはどうも知る人ぞ知るお菓子みたいなんだよね。県外の人間が入手するのはなかなか難しいという。
小堺:
レアなんだ。しかし大きいよね。
古賀:
はは! そうそう、高級だから高いというより、大きいから高いみたいなところあるかな、いやでもそれにしてもお高いですよ。
では、恒例の値段当て、お願いします。高い方、いくらくらいだと思う?
小堺:
290円よりも高いんだよね。
古賀:
そうでございます。
小堺:
うーん………380円!
古賀:
うっへっへっへへ!
小堺:
うっへっへっへへ?
古賀:
丸子さん! すごい! こちらの「ほっ栗まんじゅう」ひとつお値段、389円となっております!
小堺:
うおおお、やった!
古賀:
すごいな! 当ててきた!
小堺:
いや、でも高い。なかなかだよね。
(ぼそ)似てる……
古賀:
よし、では食べてみようじゃないですか。
小堺:
……。
古賀:
え、なに?
小堺:
……あたしそもそも栗まんじゅうをあまり食べないからな……。違いがわかるかどうか……。
古賀:
いや、きっと食べればわかるよ。
ほら、栗まんじゅうといえばこういう栗入りの白あんが入ってね。パスコのは天津甘栗入りだそうですな。
小堺:
古賀さんはよく食べるの?
古賀:
うん、私は和菓子好きだから普通に買ってよく食べるね。小豆のあんこじゃないあんこが食べたくなるときがあって、そういうあん感を求めているときに買うかな。(食べる)うん、普通のもおいしい。
小堺:
なるほど……。
古賀:
では高級のほうを……。あっ、栗、まるごとじゃなくてかけらがたくさん入ってるんだ。いわゆる栗まんじゅうをちゃんとやっている。
小堺:
(食べる)うん。栗の実の歯ごたえがいいね。
古賀:
餡がほくほくしてる。砂糖に頼らない甘みがあるね。卵の黄身みたいな濃い味わいというか……。
皮も昔ながらのボウロみたいなもろっとした感じ。
小堺:
うん、ちょっと懐かしい。
古賀:
パスコのは洗練された、頭で思い描く通りの栗まんじゅうだけど、こっちはそこからはみ出すような独特さがあるよね!
モノとしてはどちらも間違いなく栗まんじゅうなんだけど、やっぱりちゃんと高級になったなーという感じ。
小堺:
(ぼそっと)似てる……。似てるよ……。
古賀:
……! 丸子さん違いが感じ取れていない……?
おいしさ、気迫で伝わりました
小堺:
そもそもの栗まんじゅうを知らなすぎて……。
古賀:
わたし、すっごいおいしいと思って食べてた!
小堺:
いや! おいしいはおいしいよ!
古賀:
私いまどんどん体が丸子さんの方に寄って行ってるもん。おいしさで。
小堺:
うん、なんか近づいてくるなと思ってた。
古賀:
この企画で何を食べようか先週くらいずっと考えてて、寝床で栗まんじゅうの食べくらべだ! って思いついたときは「これっきゃねえ!!!」って思ったんだけど(笑)。
でも「おいしいよ」ということで!
小堺:
気迫で伝わりました!
よかったら動画でもどうぞ!
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いつものやつと高級品をたべくらべ
編集部古賀、ライター小堺、西垣ディレクターのほがらか3人組が、いつも食べている手ごろなものと、高級品を食べ比べ! 高級の側の景色を知っていこう。
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