旅行先でおいしいビールを飲むため、ぺなぺなの栓抜きを常備している

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はじめに

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今回は、拙攻さんの「自慢の品」を紹介します。

頑張れ、ぺなぺなの栓抜き(拙攻)

自慢かと言われると全然そんなことはないですけど、なんとなく長年使い込んでいる小物を紹介します。企業のノベルティグッズとして作られたプラスチック製の栓抜きで、散歩用のポーチの中に、ずいぶん昔から居座り続けています。

用途としてはこうです。お散歩の途中や旅行先でいい景色に出くわすと気持ちが昂り、いやはやあっぱれ、ここでひとつビールでも飲もうじゃないかということがあります。るんるんで土産物屋に入り、地ビールなんか買っちゃったりして。クラフトビール界隈では缶ビールも増えてきましたが、まだまだビンが優勢。こういうときに栓抜きがないと選択肢がグッと狭まってしまうので重宝するのです。そんな場面めったにないだろと思われるかもしれませんが、まあはい、年に4回くらいです。その4回のために栓抜きを常備しています。

ポーチに入れて持ち歩くなら、クラシカルな金属製の栓抜き(酒屋さんでもらえるやつ)でもいいのかもしれませんが、しかしあれは「悪役プロレスラーの凶器」というイメージがこびりついていて、なんとなく緊張感がある。慎重に扱わねばという気持ちになります。そこいくと愛用の栓抜きはぺなぺなのプラスチックなのでとにかく軽いし、かさばらない。実に気安いやつなのです。しっかり握り込むと、手のひらに吸いつくようなマットな質感も愛らしい。

あと一つ見逃せない特長として、ビンの王冠にグッと力をかける瞬間、栓抜きのボディがたわむような手ごたえがあります。さすがはノベルティグッズ。極限のコストカットにより栓抜きとしての強度はぎりぎりです。毎回、少しハラハラしながらテコを利かせ、頑張れ負けるなと応援しながら力を加え、最後にはなんとか王冠をすっ飛ばす。どうですこのドラマ性。栓抜きとしてはどうなんだと言わざるを得ませんが。

この栓抜きが手元にやってきたのは10年以上も前のことです。父が当時勤めていた会社のノベルティでした。父は、何かにつけて子らに土産物を持って帰るのが好きなナイスガイで、昔からずいぶんいろんなノベルティグッズが家にありました。ペンにキーホルダーにメモ帳、携帯ストラップ、バインダー、カードケース…それらのすべてが度重なる引っ越しを経て散逸していく中、酒飲みに育ってしまった息子の手元には唯一、この栓抜きだけが残ってしまったのでした。紛失したら割と困るので、今度実家に帰ったら、ストックがないか聞いてみたいと思います。

終わってふたたび解説です

ちょっといいビールって瓶でできてますよね。せっかく買ったのに飲めないなんてことがないように栓抜きを持ち歩いているという拙攻さんです。しかも、お父様の会社のノベルティの栓抜き。家にも他にもたくさんノベルティグッズがあるそうで、ほっこりエピソードが聞けましたね。(はげます会担当 橋田)

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