私の両親は山形県出身で、小さい頃からよく山形に連れて行かれた。私と歳の近いいとこもいて、子どもの頃から仲が良い。今から十数年前、免許を取ってよくドライブをしているといういとこに「即身仏見に行こう!」と誘われた。
「はて、即身仏?」と首をかしげつつ車に乗せてもらい、たどり着いたのが山形県鶴岡市の瀧水寺大日坊というお寺だった。そこで「真如海上人」の即身仏を目の当たりにして驚愕した。すごい……怖い。法衣を着たその姿はなんとも生々しく、見ていてじっとり汗をかくような迫力がある。
そもそも即身仏って何?というところからお寺の方に説明してもらい、その壮絶な修行について知り、ますます衝撃を受けた。それ以来、言葉にすることがすごく難しいもの、という感じで胸の奥にしまったまま時が経った。
先日、友人が山形県内の即身仏めぐりを企画していると聞き、昔感じた衝撃と言葉にできない気持ちを思い出し、参加してみることにした。
調べてみると山形県の観光案内サイトにも“即身仏めぐり”の特設ページが用意されていたりして、私が思っている以上に観光コースとして広く認知されているらしかった。