進研ゼミの封筒に入ったアニソンレコード

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会員限定メルマガに「無人島には持っていかない、大切にしまっておく自慢の品」と題して、ライターコラムを掲載。今回は、伊藤健史さんの「自慢の品」を紹介します。

アニソンレコードと進研ゼミ(伊藤健史)

社会人になって神奈川県厚木の実家を出た時になぜかアリさんマークの引越社の段ボールの中に紛れて東京の練馬までついてきたアニソンレコード達。

UFOロボグレンダイザー、アクマイザー3、SF西遊記スタージンガー、フランダースの犬と1970年代半ばから後半にかけてのロボットアニメやヒットアニメのテーマが名を連ねるが、なんといっても保存がぞんざいすぎるので針を落とすとまったく新しいメロディを奏でるんじゃないかというほどに傷だらけである。

1975年生まれの私より世代的には少し上、どうやって手に入れたか記憶にないがおそらく年上の従兄弟からもらったか、勝手に持って帰ってきたのだろう。キン肉マンもオズの魔法使いもそうやって手に入れたのだ。

こんなになってまで捨てずに実家の押入れの片隅に投げ入れていたのはそういう後ろめたさもあったのかもしれない。

傷だらけのレコード達を収納していたのは小学校高学年時に入会した進研ゼミの封筒である。

紙が実に厚い、やたら頑強なクラフト紙にブッチ・ポコ・カニマル・ライ吉、4人合わせてブコマッチと呼ばれたイメージキャラが30年以上経った
今でも色褪せずに微笑んでいる。

入会記念でもらえるオリジナル文具やドリルを解くとシールを貼っていくシステム、人間味あふれる赤ペン先生とのやり取りのある通信添削など、小学生のマインドのやわらかいところをついた企画により私の周りで入会者が爆増した。しかしほどなくわんぱく組の連中は挫折し、通信添削「赤ペン先生」のドリルおよび赤ペン先生へのお手紙の代行を私に依頼してきた。赤ペン先生とのやりとりになぜか異常な情熱を燃やしていた私は快く引き受け、サッカーの得意な僕や野球が大好きな僕を書き分けていた(つもりだった)が、中でも思い出すだけではずくて死にそうになるのが常にハロー!から書き始めるアメリカ留学の僕で、毎日ハンバーガーを食べコメ米の味を忘れたぜとか、米兵を腕相撲で余裕で打ち負かしついに向こうはスタローンを出してきた、つづく、みたいなバカバカしい日常を綴っていたが、赤ペン先生もそんな子供のくだらないエッセイにワオとか返事をしてくれていたような気がする。

赤面のチャイルドデイズが染み込んだアイテムと無人島で向き合ったらたちまち恥辱のあまり粉々に粉砕し、母なる海にマイクロプラスチックを流出させてしまうに違いない。
持っていってはいけない、無人島には。
 

終わってふたたび解説です

進研ゼミは私もやってましたが、1年でやめました。近所に伊藤さんがいたらやってもらっていたでしょう。

コロンビアレコードのジャケもめちゃくちゃ懐かしいです。でも何の曲を持っていたのか全然思い出せません。

(はげます会担当 橋田)

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