先日福井県に行ってきた。
そこで出合ったのがこの地がらしである。
茶色と黄色、2色の粒が混ざっているのが特徴的だ。練るときの工程にDIY感があるのが愉快でいい。ツンとくる香りもいい。
そして食べるとじんわりうまいのである。
はじめて見る2色構成にどきどき
地方に行くとまずその土地のスーパーをうろうろして、ふだん行くスーパーとの違いを楽しんでいる。旅行に行く理由の半分以上、この瞬間のためだと言っても過言じゃない。
で、福井のスーパーで見つけたのがこの地がらしである。
香ばしそうな2色づかいが特徴的だ。
パッケージの説明によると、からしの種をそのまま丸ごと粗挽きしたゆえの色合いらしい。納豆とかに付いている黄色い和からしと洋風の粒マスタード、両方の色味を合体させたみたいなはじめて見る姿にどきどきして、思わず手に取った。
DIYを強いてくるところもたまらない。地がらしは、みずからの手で練ることで完成するのだ。
でもまだ終わりじゃない。
このあとの工程がちょっと不思議なのだ。
下の写真のように、からしが入ったままのすり鉢をひっくり返して、1時間くらい待つのである。
「えっ!からしが落ちてきちゃわない?」 と心配になった方に向けてお伝えをしておくと。
こう。
そんなこんなで、練った粒たちは重力との戦いののち、立派なからしになり、人間のお腹のなかに旅立っていくのだ。
たとえば餃子のつけ添えとして。お酢とともに。
ほんのり辛さがあっておいしい。 なんというか、刺激がお上品なのだ。雅といいますか。
スッと辛さがやってきて、あっという間に去っていった。昼ドラマのように展開が早い。だけどぜんぜんねちねちしていない。写真程度の量をつけた程度だと、暴力的な辛さに至ることはなく、あくまでも清涼剤のようなさわやかさ、という感じである。軽やかだ。
ほのかに胃がぽかぽかとあたたかい。スパイスが入ったカレーを食べたときみたいである。
調子にのって入れすぎたかもしれない。
とはいえ、辛さはあっという間に去っていった。あまりに引き際がスマートなので、すぐさま箸を伸ばしたくなってしまう。つまりこれ、中毒性があるのだろう。
あと。通年鼻づまりなのでちゃんと認識できているか不安なんだけど、普段使っている黄色いからしと比べると、 香ばしい香りが強い気がしている。鼻が喜んでいるのを感じるのだ。
この冬のおでんの友が決定いたしました。