『驚異のAI技術でぼやけた写真を鮮明にするアプリ』で「2000年のアキバ写真(36万画素デジカメで撮影)」を補正したら、画像ではないものが鮮明になった

ロケットニュース24

なんとなくFacebookを眺めていたら、アプリの広告が表示された。なんでも「驚異のAI技術でぼやけた写真や画像を鮮明にします。」とのことで、アプリの名前は『PhotoApp:AIフォトエンハンサー』。

App内課金のあるアプリのようだが、無料トライアル中に試せば良いことだし、どんなもんかと気になったのでインストール。古い写真を用意して試してみることにした。はたして「ぼやけた画像」は鮮明になるのか?

料金は7日650円、1年4400円だが、3日間の無料トライアルも用意されている。とりあえずインストールし、iPhoneなら最初に「設定 → Apple ID → サブスクリプション → 該当アプリ → サブスクリプションをキャンセルする」をしておけば “ついついうっかり有料に(泣)” なんてことにはならず使用可能だ。


で、まずやってみたのは2000年8月1日に撮影したアキバ(秋葉原)の風景写真。この当時に持っていたデジカメは、たしかCASIOのQV-300で、画素数は36万画素。画像サイズ的には640×480ドットてな感じである。


画像を選択し「補正」をかけると……


魔法の取引は進行中(?)」となり……


\(^o^)/できた!\(^o^)/


▼ビフォー

▼アフター

……まぁ……」ってな感じというか……。たしかに綺麗にはなっているのだが、ううむむむ……みたいな。



その後も、ハードディスクの中に眠っていた2000年のアキバ写真を次々と “補正” にかけてみるも……

▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター


▼ビフォー

▼アフター

なんか……「……まぁ……」って感じなのである。キレイにはなってるけどね! でもなんか……まぁ……。なんかちょっと……っていうか……。

でもこれはもしかしたら、人の顔があまりよく写ってないから変化が分かりにくいのでは……と思い、

23年前の1999年、若かりし頃(19歳)の私のボケボケ写真(カンボジア・プノンペンで撮影)を用意して「補正」してみたところ……

▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人人人人人人人人_
> なんか刺さっちゃってる! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人人人_
> ビミョーに違う人! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人人_
> ほぼイラスト! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人_
> 空想しすぎ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人人人人人_
> きれいになりすぎ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


▼ビフォー

▼アフター


_人人人人人人人人人_
> こわいって〜! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

──てな感じで、ある意味では「驚異のAI技術」だが、まだまだAIには限界があるな……と感じた今日この頃。


顔写真に違和感が生じるのは元画像がボケボケなのもあるし仕方ないとして、気になるのは景色の写真。すべての画像において、補正後の風景が「なんか違う」と感じるのは何故だろう。“CG感がある” というか……。


あらためてアプリの宣伝文句を見てみると、「驚異のAI技術でぼやけた写真や画像を鮮明に」とある。しかし皮肉なことに、より鮮明になったのは画像ではなく記憶の方。“補正” すればするほど「違う!」となり、当時の思い出が鮮明に蘇ってくるのであった。

「驚異のAI技術でぼやけた記憶を鮮明に」。私にとっては、そんなアプリだった。


参考リンク:App Store「PhotoApp:AIフォトエンハンサー」
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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