こんな感じでごっそりもらいました。わぁい。
僕は「30日間マクドナルド生活2」という企画を(趣味で)やっていたことがあるのだが、その最終イベントに参加してくれた読者の巽さんからデンマークのお土産をいただいた。
「とても美味しい飴を全種類買ってきました。マック生活終わったら食べて下さい!」と。
それはサルミアッキ味を含む、北欧の妙な飴だった。僕はその場では(企画のルール上)食べられなかったので「いやー、残念だなぁ、食べたいなぁ」などと言いながら他の参加者に配って嫌な顔をされたりしていた。
それから2ヶ月。年も明けた事だし食べてみる事にした。今回は、知られざるサルミアッキとその仲間たちに迫る。
※2007年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
- 一部で有名、サルミアッキとは
- ■SALMIAK LAKRIDS (サルミアッキラクリス)
- 平衡感覚を奪うハードパンチャー
- ■ORIGINAL (オリジナル)
- 嬉しい驚き、見事なサプライズ
- ■ORIGINAL (オリジナル) 1975年バージョン
- ■初心者用オリジナル
- ■SALT LAKRIDS (ソルトラクリス)
- 本国では人気者。さて、日本では
- ■MINT LAKRIS (ミントラクリス)
- 淡雪のように端麗な一粒
- 水をがぶ飲みして小休止
- ■FRISK LAKRIDS (フリスクラクリス)
- フリスク=おしゃれの方程式
- ■AMAZON LAKRIDS (アマゾンラクリス)
- 仮面ライダーアマゾンを思い出す緑と黄色のパッケージ
- ■MEKONG LAKRIDS (メコンラクリス)
- ラクリス菓子の新たな可能性
- ■REN LAKRIDS (レンラクリス)
- 名前が可愛いレンラクリス
- ■ACAPULCO LAKRIDS (アカプルコラクリス)
- グァバが入ったアカプルコ味
- 人は似ている部分に惹かれ、違いに学ぶ
一部で有名、サルミアッキとは
北欧にはラクリス菓子というお菓子のジャンルがあり、国民的に人気があるらしい。ラクリス(リコリスとも言う)とは甘草の一種で、甘草の根で味付けをしているのがラクリス菓子だ。
今回僕がいただいたのはデンマーク、Gajolのラクリス菓子だ。全10種類、各種フレーバーが揃っていて、サルミアッキ味も含まれていた。サルミアッキ味は塩化アンモニウムで味付けされているらしい。味の想像が全く出来ない。
サルミアッキを検索するとコネタ道場でもおなじみのリムさんのサイトが表示される。読んでみると、とても個性的な味らしい。これは気合いを入れて臨まねばなるまい。
では、早速一種類ずつ味を確かめていくとしよう。いただいて2ヶ月も経ってしまったのは、単純に食べるのが怖かったからだ。
このレビューが終わる頃僕の歴史はちょっと変わっているかも知れない。BS(before salmiak)からAS(After salmiak)へ。
■SALMIAK LAKRIDS (サルミアッキラクリス)
平衡感覚を奪うハードパンチャー
サルミアッキという名前は、塩化アンモニウムに由来するという。塩化アンモニウム味のラクリス菓子がサルミアッキラクリスだ。
食べはじめの食感はまるでゴム。しかし、噛むほどに味がしみ出て溶けていく感覚はグミである。グミとキン肉マン消しゴムの中間と表現すれば判っていただけるだろうか。
息を吐くと黒土のような香りが鼻を抜け、唾液を飲み込むと舌の根もとに塩味を感じる。また、酸味もありカフェオレの様な甘味もある。味覚オールスターである。味の分析のために二個食べたら頭がクラクラした。
なにかトリップ効果があるのかも知れない。
■ORIGINAL (オリジナル)
嬉しい驚き、見事なサプライズ
硬い。そして、美味い。
ミントが効いていて、爽やかなデンマークの風が口の中を通り抜けた。サルミアッキラクリスで停滞しきった首から上が一気に爽快となった。
オリジナルというくらいだから、きっとこれが味の基準なんだろう。なんだ、ラクリス菓子って美味いんじゃないか。どんどん行けるぞ、バッチコーイ。
■ORIGINAL (オリジナル) 1975年バージョン
■初心者用オリジナル
青い箱のORIGINALと同じ名前だが、箱の色と粒の形が違う。さっきのORIGINALは1933年から売られているらしいが、こちらは1975年。新参者のオリジナルである。
遠くの方にサルミアッキの風味が漂っている辺り、初心者用のサルミアッキ練習台と言えるのかもしれない。しかしASとなった僕の舌にはやや物足りなく感じる。
■SALT LAKRIDS (ソルトラクリス)
本国では人気者。さて、日本では
まず匂いが一番強烈。
食べる前から、日本の食文化には無い匂いがする。ええい、ままよ、と口に放り込んだ食感はサルミアッキラクリスと同じだが、匂いはこの4つで最強。漢方薬のような、金属的な様な、そうか、ひょっとしたらこれがナトリウムの匂いなのか(SALTだけに)?という匂いが口全体を支配した。
匂いについて考えている間に口に溜まった唾液を飲んだならば、飴とは思えない塩味が感じられた。うぉぉ、さすがソルトラクリス。この瞬間思い出したのが、塩歯磨き粉の味だ。苦手なんだった、アレ。
巽さんによると、これとサルミアッキラクリスがデンマークでは人気のフレーバーらしい。異文化交流って難しいな、って思った。
■MINT LAKRIS (ミントラクリス)
淡雪のように端麗な一粒
優しい、なんといういたわりと友愛に溢れた味なんだろう。糖衣をかみ砕くと淡雪のようにほろりと崩れる小さな粒。それ自体は限りなく無味無臭(に感じられた)で、優しい。
よくよく鼻を澄ませると甘草の漢方薬的な匂いがあるが、これまでの猛者と比べたらまるで姫君だ。君は美しい。
水をがぶ飲みして小休止
ここまで5種類食べたが、ソルトラクリスサルミアッキラクリス以外は案外美味かった(失礼)。まだあと5種類あるので油断は出来ないが、なんとかレビュー出来そうな自信が出来た。よし、あと半分頑張ろう。
■FRISK LAKRIDS (フリスクラクリス)
フリスク=おしゃれの方程式
フリスクだ。フリスクってあのちょっとおしゃれな人が持ってるアレだべ?だったら美味いに違いないと思って食べたら、これが意外にサルミアッキ。
おおおおおおおお、しょっぱい。
難易度としては相当に低いが、姫君によってとろけた僕のノーガード戦法はガーンという衝撃と共に劣勢に追い込まれたのであった。
ようするに意外な伏兵、それがフリスクラクリス。
■AMAZON LAKRIDS (アマゾンラクリス)
仮面ライダーアマゾンを思い出す緑と黄色のパッケージ
もう、ゴムを噛んでるような食感にはすっかり慣れた。ミントラクリスの様な薄いラクリス風味に、なぜか洋梨のような香りと甘味。そこに妙な酸味が入ってるのが素直ではない。ストレートに美味い物を作るのはイヤですか?
「ふ、ふん!あんたのために美味しくしたんじゃないんだからね!」
と言いながら、手作りのケーキに酢を掛けて渡されたようなもんか。とんだツンデレだぜ。
あと3種類。連続で食べているため種類毎に水をガブガブ飲んでいる。その上、味覚のカルチャーショックが連続するもんだからちょっと吐き気を催してきた。
■MEKONG LAKRIDS (メコンラクリス)
ラクリス菓子の新たな可能性
口に入れて噛んでも、しばらく味がしないのは他のフレーバーと同じ。最初に味が来る瞬間が怖いのだ。
美味いか、それとも、しょっぱいか。
そしてこのメコンちゃんったら美味かった。アマゾンよりも大人しい味であり、より梨。裏面に「frugten Nashi」って書かれてるので梨が入ってるのかも知れない。要するに、アマゾンもメコンも北欧の人のイメージはフルーツって事だ。
■REN LAKRIDS (レンラクリス)
名前が可愛いレンラクリス
連絡リスだ。可愛いな、連絡リス。
連絡リスをいつもの調子で噛んだらば、ガリッ!と音を立てて砕けてしまった。こいつは硬い、そして苦い。これは多分コーヒーだ。甘い缶コーヒーに漢方薬のような異文化の匂いを足した感じ。コーヒーの威力で救われた気がする。
普段コーヒーは飲まないがありがとうを言いたい。
■ACAPULCO LAKRIDS (アカプルコラクリス)
グァバが入ったアカプルコ味
アカプルコっていうからにはこいつもコーヒーかと思ったら全然違った。そのショックは、思わず「う゛あぁ」と口から漏れてしまった。
多分グァバ味なんだろうが、これがやはり薄しょっぱい。匂いは、小さい頃風を引くと飲まされたシロップみたいな風邪薬(オレンジ色)そのものだ。記憶は7歳に引き戻され、吐きそうになりながら健気に飲んだ可愛い自分を思い出した。
その味を今、30歳になって再体験。でもなんだか途中で慣れてきた。美味いかもしんない。これってアレか、小さい頃嫌いだったモノがいつの間にか平気になってるというアレか。
人は似ている部分に惹かれ、違いに学ぶ
10種類を食べ終えて、なんだかグッタリしてしまった。異文化の食べ物なので出来るだけマズイとは言いたくないが、やはり口に合わないものもあった。
しかし、美味しくて普段から食べてもいいなぁという味もあった。違うものがあれば同じものもある。考え方が違うからと言っていがみ合わず、共通点を探して手を繋ごうよ。だって僕らは同じ人類、地球船宇宙号、じゃねぇや、宇宙船地球号の乗組員なんだから!
なんて、適当な事を書いてしまうぐらいにグッタリだ。