ヨークフーズで時おり開催されるパンフェス(ご当地パンを販売するイベント)をのぞいてみたところ、『アベックトースト』というスゴイ名前のパンを発見してしまった!! 最近ではあまり使われないが、「アベック」とは “男女カップル” を表す単語である。
私が小学生のころ(約25年前)、男子と2人で道など歩こうものなら即座に「アベックや〜い」と同級生にからかわれたもの……田舎の小学生にとって「アベック」は、放送禁止用語にも等しいアダルト・ワードだったのだ。
そんな『アベックトースト』は秋田県のご当地パンらしい。つまり「アベックで食べるトースト」ってコトなの!?!? そのあたりの真相を確かめるべく、秋田県民に話を聞くことにした!
・秋田県民に聞いてみた
今回話を聞いたのは私の友人・Y子さん(40代 / 秋田市出身)。海外在住の彼女は現地で “秋田県人会” を主催するなど、秋田愛に満ち溢れた人物である。そもそも『アベックトースト』は秋田でどれくらいの知名度があるのだろうか?
Y子「秋田の人ならみんな知っているよ! あっ、でも待って……もしかすると若い子は知らないかも? 昔は中学校や高校の売店で必ず売られていて、よく昼休みに食べてたね。懐かしいなぁ〜」
……どうやら『アベックトースト』は地元・秋田でバツグンの知名度を誇るらしい。袋を開けると、中にはサンドイッチサイズの食パンが4枚。
外見はビックリするほど “食パンそのもの” なのだが……
ひっぺがすと、中にはタップリのイチゴジャムとマーガリンが! この “ジャムとマーガリンを挟んだだけの食パン” こそ、秋田のご当地パン『アベックトースト』の全貌なのである。「トースト」というからには焼いて食べるのが正解なのでしょうか?
Y子「いや、ほとんどの秋田県民は焼かずにそのまま食べていると思う。でも……きっと焼いてもおいしいよ!」
・県民の食べ方
トーストなのにトーストしない可能性が浮上した『アベックトースト』。これ以上ナゾが深まる前にさっさと食べてしまおう。
タプタプにマーガリンが詰まった右サイド。ややカロリーが気になるものの、フカフカの食パンと塩味がイイ感じに絡んだ背徳的なウマさだ。
もう片側のジャム・ゾーンと交互にかじるのもいいが……
個人的にはやはり、ジャムとマーガリンが交差する中央部分が一番おいしく感じた。この件について再びY子さんに意見を求めたところ、「片側のパンをはがして180度回転させる」という裏技を伝授されたのでお知らせしておこう。
なるほど……こうすれば “どの部分をかじってもマーガリンとジャムが同時に味わえる” というワケか。『アベックトースト』を手に入れた際はぜひマネしてほしい。
・あの問題について聞いてみた
さて『アベックトースト』を実際にトースターで焼いてみると、当たり前だが “カリカリでおいしいマーガリンジャムトースト” が完成。
ただし熱で溶けた大量のマーガリンが染み込み、パンがややグジュグジュになってしまった感は否めない。こればっかりは好みの問題なので、「トーストすべきか否か」は各自で試行錯誤してくれ。
ちなみに「アベックで食べるから『アベックトースト』なの?」という質問もY子さんに投げかけたところ……普通に「ぜんぜん違うよ」との答えが返ってきたことを併せてご報告しておく。1人で食べてもアベックで食べてもおいしいパン、それがアベックトーストなのだ!
またY子さんいわく、秋田県には『アベックトースト』と同レベルの知名度とインパクトを誇るパンがいくつも存在しているらしい。『アベックトースト』はたけや製パン公式サイトで購入できるのでチェックしてみてね!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.