iOS向けカメラアプリ「Halide」の開発者であるセバスティアン・デ・ウィズ氏が、2022年9月に発売した「iPhone 14 Pro」のカメラ性能を詳しい検証結果を公開しています。iPhone 14 Proはノッチを廃止した外観が大きな特徴ですが、カメラ性能にも大幅なアップデートが施されていたようです。
iPhone 14 Pro Camera Review: A Small Step, A Huge Leap – Lux
https://lux.camera/iphone-14-pro-camera-review-a-small-step-a-huge-leap/
◆フロントカメラ
iPhone 14 Proのフロントカメラの画素数はiPhone 13 Proのフロントカメラと同一の12メガピクセルです。しかし、以下のiPhone 14 Proのフロントカメラで撮影した写真(左)とiPhone 13 Proのフロントカメラ(右)で撮影した写真を見比べると、iPhone 14 Proで撮影した写真の方が顔のシワや髪の毛、背景などがクッキリと写っていることが分かります。
iPhone 14 Proに搭載されたフロントカメラの大きな特徴は、オートフォーカスに対応したことです。また、iPhone 13 Proのフロントカメラと比べてセンサーが大型し、絞り値もf2.2からf1.9に変化しました。これにより、iPhone 14 Proのフロントカメラでは「近くの被写体にピントを合わせ、背景はボケさせる」という撮影が可能となっています。
◆超広角カメラ
iPhone 14 Proの背面には48メガピクセルのメインカメラと12メガピクセルの超広角カメラ、12メガピクセルの3倍望遠カメラの3種のカメラが搭載されています。そのうち12メガピクセルの超広角カメラの焦点距離は13mm(35mm換算)で、非常に広い範囲の被写体を1枚の写真に記録できます。
iPhoneには以前のモデルから超広角カメラが搭載されてきましたが、それらのカメラの解像力はメインカメラと比べて低く、あくまでダイナミックな写真を撮影したいときのサブ的なカメラとして評価されていました。しかし、iPhone 14 Proの超広角カメラでは解像力が飛躍的に向上しています。以下の写真は左側がiPhone 14 Proの超広角カメラで撮影した写真を拡大したもので、右側がiPhone 13 Proの超広角カメラで撮影した写真を拡大したものです。木の葉や岩肌に着目すると、iPhone 14 Proの超広角カメラの方がくっきり撮影できていることが分かります。
◆メインカメラ
超広角カメラと同様に、メインカメラの解像力を大きく向上しています。iPhone 14 Pro(左)とiPhone 13 Pro(右)のメインカメラで撮影した写真の中央部分を拡大した以下の画像を見比べるとiPhone 14 Proで撮影した写真の方が圧倒的にクッキリと写っていることが分かります。
iPhone 14 Proのメインカメラには以前のiPhoneと比べて大型のセンサーが搭載されており、印象的なボケを表現可能です。ただし、被写体に近づきすぎるとマクロモードに自動的に切り替わってしまうため、前ボケを含む構図の写真は撮影するのが難しかったとのこと。
◆望遠カメラ
iPhone 14 Proに搭載されている望遠カメラのスペックは、レンズもセンサーサイズもiPhone 13 Proと同一で変化がないように思えます。しかし、実際にiPhone 14 Pro(左)とiPhone 13 Pro(右)の望遠カメラで撮影した写真を見比べると、iPhone 14 Proの方がにじみの少ない写真を撮影できていることが分かります。ウィズ氏は「スペック上は両者の性能は同一ですが、iPhone 14 Proの画像処理ははるかに優れた結果を残しています。新たなPhotonic Engineは称賛に値します」と述べています。
◆ナイトモード
以下の写真はiPhone 14 Proのナイトモードを用いて露光時間30秒で撮影した星景写真です。ウィズ氏は「真の星景写真はカスタムセンサーを搭載したカメラ専用機の独壇場です。それなのに、iPhoneでこれほどの写真が撮影できるとは、まったくもって非常識です」と述べ、ナイトモードの性能の高さを強調しています。
一方で、ナイトモードはソフトウェアで後処理を行っているため、自然でない撮影結果が得られることもあります。例えば、以下の写真の左下に写る建物に着目すると、窓がすべて塗りつぶされてしまっていることが分かります。カメラアプリを開発するウィズ氏にとっては、ナイトモードのAPIが公開されていない点も不満とのことです。
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