こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
先週末、文部科学省から医療系の大学・学部に出されている通知がSNS上で大きな話題になっていました。
「薬害」防止に関する授業を充実させるという一枚目の通知の趣旨・方向性は良いのですが、問題は
「悲惨な薬害を繰り返さないためにも、別添1、2を参考にし~」
と指示してある別添1です。
こちらは薬害被害者団体が文科大臣に提出した要望書をそのまま添付しており、この〈公教育に関して〉の3番と4番にHPVワクチンは重篤な副作用を引き起こす「薬害」であるとも受け取れる、誤った内容が明記されています。
加えて「学校現場でHPVワクチンを推奨しないでください」という内容も公然と記載してあり(3番の末尾)、これが文部科学省から通知として送られてくれば、当然に大学・学校現場は
「HPVワクチンは薬害を引き起こしているのだな」
「HPVワクチンを学校で推奨してはいけないのだな」
と受け取ってしまいます。
しかしながらご案内の通り、すでにHPVワクチンの科学的安全性については決着済の(安全性が確認されている)状態であり、厚労省も積極的勧奨を再開し、キャッチアップ接種やさらに効果が高い9価ワクチン導入などにも動いています。
にも関わらず、文部科学省がいまだにこのような通知を学校現場に対して出し続けているのは明確な誤りであり、そもそもHPVワクチンが「薬害」として認定されたことはないはずで、積極的勧奨の再開前だとしても不適切な通知であると言わざるを得ません。
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本件については私も朝一番に文科省に問い合わせを入れ、昼過ぎに文科省の担当者から
「HPVワクチンは『薬害』ではないことを、改めて厚労省に確認した」
「今後、訂正についてどのように対応するかを検討する」
旨の回答を得たところです。その後、BuzzFeedの岩永記者も取材・記事にしておりました。
文科省、HPVワクチンを「薬害」とする被害者団体の要望で「薬害授業」を推進 「誤解を招く」と改善の方針
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-mext?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter
>厚労省の室長補佐は、「我々は(HPVワクチンの対象者である)小中高校の文科省担当者とは連携が取れていたが、高等教育担当者との連携が不十分だった。今年度からHPVワクチンの位置付けが大きく変わることを周知していたつもりだったが、十分伝わっていなかった」と文科省の大学担当者と連携が取れていなかったことが原因の一つであると明かした。
>その上で、「このような通知にならないように連携を取るべきであったと考えており、今後は正しい情報が当事者に届くよう連携を進めていきたい」と話した。
>文科省の医学教育課課長補佐は「今年度からHPVワクチンの位置付けが変わったことを厚労省から直接聞いていなかった。HPVワクチンの対象者である小中高の担当部署とも、縦割りというか、やり取りがなかった」と、HPVワクチンの積極的勧奨が再開されたことを認識していなかったことを明らかにした。
(上記記事より抜粋、強調筆者)
厚労省と文部科学省の連携不足によって、命にかかわる誤った情報が大学や学生に流されるなどあってはならないことです。
今回、SNSでの指摘からこのような不手際が判明しましたが、膨大な行政通知に改めて目配りすることの必要性や、SNSなどの集合知を活かして改善することの重要性を改めて認識したところです。
文部科学省から早急に改善通知が出されるまで(来年では遅い!!)、この問題についてはしっかりとフォローし、情報発信を続けてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年10月31日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。