近年、エッジのきいたネーミングの商品を続々と登場させている「大阪王将」。たとえば2020年の「弾む焼豚いつかの初恋オムライス」や2021年の「ふと思ふ 名もなく 美味しく 麗しい 海老の焼めし」など、もはや商品名とすら思えないものさえ登場してしまっている。
そんな大阪王将はお店によってメニュー構成が異なっており、その店舗でしか食べられない商品も存在している。東京・武蔵野市の「武蔵野緑町栄楽店」には、前身のお店の味を踏襲する「カツカレー」があるのだ。
・栄楽の味を引き継いで
このお店は2021年8月22日にオープンしている。以前は「栄楽」という名前の中華料理店だったそうだ。昭和33年創業の栄楽は2021年5月に63年の歴史に幕を閉じたのだが、大阪王将として再始動した。その歴史を引き継ぐ形で「武蔵野緑町 “栄楽店”」と名を残すと共に、メニューの一部を踏襲しているのである。
「カツカレーライス」「肉みそ辛ラーメン」が受け継いだもので、「武蔵野緑町セット」もここのオリジナルである。
ここでしか食べられないならぜひ食べたい! ってことで、「栄楽カツカレーライス」を餃子付き(税込1150円)で注文した。オムライスを出す店はほかにもあるけど、レギュラーメニューにカレーのある店はほかにないんだよね。
・昭和のカツカレー
カツカレーと餃子、それにスープがセットになっている。
餃子は大阪王将の看板にして定番メニュー。いつどこで食べても同じ味を楽しめる、その安心感が良いよね。
皮はパリっとしっかりと焼き上がっており、中にはニンニクとショウガがほど良くきいた餡が詰まっている。
先日、「餃子の王将」で餃子食べ放題を堪能してきたんだけど、あちらの味が脳裏に残っている。2社の味はかなり近しいけどそれぞれに美味しく、どちらも飽きずに食べられるという点で共通している。どっちも好きだなあ。
カツカレーは見るからに「中華のカレー」といった印象。カレーそのものに、しっかりとトロミがついていることがうかがえる。
分厚いカツがのっているのかと思いきや、ここのは薄いタイプ。いわゆる「紙カツ」と呼ばれるタイプの薄いカツだ。カリカリとした食感で、トロリとしたカレーとよく合っている。
味付けは全体的に甘め。最近は辛味をきかせたスパイシーカレーが主流だが、ここは昭和の味をしっかりと踏襲した懐かしい味わいだ。少しウスターソースをかけると、味が引き締まってさらに良いかも。あいにく卓上にウスターソースはなかったのだが、十分満足の味だ。
新型コロナの影響で老舗の閉店が相次いでいるなかで、ここのように名前は変わっても味が守られるのは良いことだ。飲食業界は多難な時期だが、この先も老舗の味が守られることを願う。
・今回訪問した店舗の情報
店名 大阪王将 武蔵野緑町栄楽店
住所 東京都武蔵野市緑町1-4-12
時間 月~金/11:30~21:30(LO.21:00) 土・日/11:00~21:30(LO.21:00)
定休日 水曜日