牛丼チェーン大手の「松屋」は以前からひそかにテストメニューを店舗限定で販売している。たとえば「まるごと富士山豆腐の麻婆めし」もそのひとつ、今回紹介する「肉うどん」も一部でしか販売されていない商品だ。
実際に食べに行ったんだけど、味の感想と共に、かねてから私(佐藤)が感じていたことを合わせてお伝えしたい。それはアノ券売機だ。ハッキリ言って使いづらいのである……。
・うどん、再び
松屋は過去にうどんの販売を行っている。昨年西日本限定で「肉カレーうどん」を、さらにさかのぼって2017年には、同じく西日本で「和風カルボナーラうどん」というチャレンジングなメニューも提供していたようだ。
そして現在全国66店舗の店内限定販売しているのは「肉うどん」(単品税込580円)と「かきたま肉うどん」(単品630円)の2種類だ。
先に挙げた西日本限定メニューほど尖ってはいないけど、「松屋のうどん」と聞けば1度は食べておきたいというもの。ってことで対象店舗の1つ、最寄の新宿大ガード店を訪ねた。
・券売機が難しい……
店頭の券売機でまずは食券を買おう! と思ったところ、2台の券売機はいずれもふさがっており、先客が品定めをしていた。
1台の前には若い女性、もう1台には中学生が2人いて、どちらも何にするか決めかねている。わかる! その気持ち、すごくよくわかる!! というのは、松屋の券売機は何がどこにあるのか判断しにくいのだ。
最近仕様が変更されたらしいんだけど、それでもわかりにくい。トップ画面はたしかにわかりやすくなって、「店内」と「お弁当」(持ち帰り)の表示がデカくなった。
ところが! 商品を選ぶ段階になると、何がどこにあるのかわからない。回転寿司屋の電子端末を見ているみたいな気がしてくる。寿司屋ならじっくり腰を据えてメニューを吟味できるけど、松屋の店頭でそんな選び方をしていたら、ほかのお客さんの迷惑になってしまう。
私も食券を買う番になって、肉うどんのセット(税込630円)を慌てて押してしまった。「セットといえばサラダがセットだろう」と決めつけて買った訳だが、セットの相方はライスだった……。
サラダが食べたかったから他のセットメニューも見たけど、出てきたのはオール玉子のセット。うどんに生玉子はいらないかなあ……。サラダだけを頼む場合は、上タブのサイドメニューから単品の「生野菜」を呼び出さなければいけなかったらしいと、あとから気づいた。すでに後ろに人が並んでいるので、もういいや。今日はサラダを諦めよう……。
これが松屋の肉うどんである。
肉吸いをベースにした松屋オリジナルの出汁を使っているそうだ。
乗っているのは牛めしの肉だな。白飯と合わせるのがもっとも美味しい食べ方だと思っていたけど、うどんとの相性も良い。
うどんそのものは可もなく不可もない感じ。ガチでうどんチェーンに対抗している訳ではなく、「寒くなったら温かい汁物を食いたいでしょ?」くらいのサービスメニューといったところ。あれば嬉しいけど、なくてもいいってレベルである。
このお店にはレンゲがないらしくスプーンで汁をすする。肉の甘さが溶け込んだあっさりとした味だ。
これが全国販売されるかは不明。過去のヒット商品と比べると、味も見た目もインパクトにかけるので、ひっそりとメニューから姿を消す可能性も否めない……。
とにかく松屋の券売機はもう少し操作しやすくして欲しい。食べたいものが見つけられずに、「もうこれでいいや……」って感じで頼むお客さんが少ない方が、結局松屋のためにもなるはずだから。
・今回訪問した店舗の情報
店名 松屋 新宿大ガード店
住所 東京都新宿区西新宿1-2-1 ファイブKビル1F
時間 24時間
参考リンク:松屋、肉うどん販売対象店舗
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24