バッカスを凍らせる前にもう戻れない

デイリーポータルZ

ローマ神話のワインの神の名が付けられた大層なチョコレート、バッカス。
甘さ控えめのカリカリチョコレートがお好きな方、ぜひバッカスを凍らせて食べてみてほしい。

冬の風物詩、それはバッカス。

コニャックとブランデーが入ったチョコレートである。

筆者と筆者の家族以外で食べている人を見たことがないが、毎年売られるということは人気なのだろう。コンビニやスーパーでバッカスを見ると、冬の訪れを感じる。

最近ちょっと減った気がして寂しい。

「孫の好物を1つだけ覚えていて、それをずっと買ってくれるおばあちゃん」はこの世のあるあるだろうが、筆者が大学生の頃はそれがバッカスだった。お正月に帰省するたびに、コタツの上にはバッカスが山積みにされていた(一番下の箱はちょっと溶けていた)。

そんな祖母が教えてくれた、バッカスのおいしい食べ方がある。それは、「冷凍庫で一晩凍らせる」こと。

少し前にTwitterでも話題になっていた気がするが、寝酒にブランデーを飲んでいた祖母は、かなり早い段階で”凍りバッカス”のおいしさに気づいていたらしい。

筆者もそれにならい、バッカスを凍らせて食べている。もう凍らせる前には戻れない。その理由を説明しよう。

こちらが一晩、箱のまま冷凍庫で凍らせたバッカス。見た目に変化はないが、一口かじってみると……
この断面をご覧いただきたい。チョコレートはカリッと小気味よく割れ、中のブランデーは傾けても滴らないほどトロトロだ。

チョコレートの中のココアバターの融点は約34℃。25℃を上回ると溶け始めるため、人の口の中でとろけるように設計されている。

しかし冷凍しておくとどうだろう。氷温まで冷やされたチョコレートは、咀嚼してもなかなか溶けない。つまりしばらくはカリカリ食感が楽しめる。

また、人の舌は体温の温度から離れるほど甘さを感じづらくなるため、凍ったチョコレートはかなり甘さが控えめに感じられる。溶けたアイスクリームがやたら甘いのと同じ理屈だ。

そんなわけで、あんまり甘くないチョコレートが好きな方はバッカスを凍らせるのがおすすめ。同じくこちらのラミーも……
あれ? ラミーの包装ってこんな感じだっけ?
気を取り直して凍らせてみるとパリパリです。

ブランデーやラムも冷やすと粘度が上がり、トロッとする。

甘さ控えめ(に感じられるだけで特にカロリーは変わらない)チョコレート×カリカリ食感×トロットロの洋酒。
この組み合わせが好みだと感じた方は、この冬にぜひお試しいただきたい。

 

※バッカスとラミーには洋酒が入っていますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠・授乳期の方、運転時などはご遠慮ください。

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