中年になってからの5時間睡眠は慢性疾患をいくつも抱えるリスクを爆増させる

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6時間未満の短い睡眠習慣が健康によくないことはよく知られていますが、仕事や趣味に時間を取られるとつい睡眠が削られてしまうこともあります。50~70歳の人々の睡眠時間と慢性疾患のリスクを長年にわたって追跡した研究により、睡眠時間が5時間を切ると2つ以上の慢性疾患を同時に発症する危険性が大きく上昇してしまうことが突き止められました。

Association of sleep duration at age 50, 60, and 70 years with risk of multimorbidity in the UK: 25-year follow-up of the Whitehall II cohort study | PLOS Medicine
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1004109

Five hours’ sleep a night linked to higher risk of multiple diseases — ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2022/10/221018220538.htm

Short sleep duration from mid to late life associated with risk of multimorbidity
https://www.news-medical.net/news/20221018/Short-sleep-duration-from-mid-to-late-life-associated-with-risk-of-multimorbidity.aspx

睡眠時間が個別の疾患に与える影響については多くの研究がなされていますが、高齢者の多くは複数の慢性疾患を抱えており、そのような「多疾患併存(multimorbidity)」と睡眠時間の関係についてはあまりよく分かっていません。

そこで、パリ大学で公衆衛生を研究しているSeverine Sabia氏らは、1985年に開設されたイギリスのコホート研究である「Whitehall II Cohort Study」に参加した中高年を対象とした研究を行いました。


研究の対象者は多疾患併存ではない50歳・60歳・70歳の男女7864人で、50歳の参加者の平均追跡期間は25.2年でした。また、多疾患併存は糖尿病・がん・冠状動脈性心疾患・脳卒中・心不全・慢性閉塞性肺疾患・慢性腎臓病・肝疾患・うつ病・認知症・うつ病および認知症以外の精神障害・パーキンソン病・関節炎ないし関節リウマチの13種類のうち少なくとも2つの診断を受けている人と定義されました。また、睡眠時間の内訳は544人(6.9%)が5時間以下、2562人(32.6%)が6時間、3589人(45.6%)が7時間、1092人(13.9%)が8時間、77人(1%)が9時間以上でした。

研究チームが参加者の睡眠時間と慢性疾患のリスクについて分析した結果、50歳の時点で睡眠時間が5時間以下だった人は、7時間寝ていた人に比べて2つ以上の慢性疾患を抱える可能性が30%高かったことが分かりました。同様に60歳で5時間以下の人は7時間の人と比べて32%、70歳では40%と、睡眠不足の影響は年を重ねるごとに増大していきました。

この結果についてSabia氏は、「高齢になるにつれて睡眠習慣は変化するものですが、睡眠時間は1日7~8時間とすることが奨励されており、これを上回ったり下回ったりすると特定の慢性疾患のリスクに影響が及ぶことが確かめられています。さらに今回の研究では、睡眠時間の短さが多疾患併存と関連していることが示されました」と結論付けました。


Sabia氏によると、よりよい睡眠を確保するためには寝る前に寝室が静かで暗くて快適な温度であることなど、睡眠環境を良好に保つのが重要とのこと。また、就寝前に電子機器を使わず、重い食事を避けることが推奨されているほか、日中に運動したり光を浴びたりするのも睡眠の質を高めるとされています。

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