「フルサイズセンサー搭載デジカメ並みの撮影が可能」というXperia 1 Vでいろいろ撮影してみた

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2023年6月発売予定の「Xperia 1 V」は超広角16mm・広角24mm・望遠85mm-125mmの3つのレンズを装備し、特に広角24mmレンズのセンサーには新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を搭載しています。前機種と比較して約1.7倍に大判化したセンサーは、より多くの光を取り込めるので、高感度・低ノイズ撮影を実現してくれます。このセンサーの強みと、最新の画像処理技術を組み合わせると、注釈つきながらも「フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ並みの撮影」が可能になるということなので、実際に屋内・屋外問わずいろいろなところに持っていって撮影してみました。

Xperia 1 V | Xperia公式サイト
https://xperia.sony.jp/xperia/xperia1m5/

端末の外観については以下の記事にまとめています。

前機種比約1.7倍のイメージセンサー搭載で圧倒的描写力を身につけた「Xperia 1 V」外観レビュー – GIGAZINE


以下、記事中の写真撮影はすべてXperia専用フォトアプリ「Photography Pro」を利用しています。

「Photography Pro」はシャッターボタンを装備したXperia専用アプリということで、端末を横に構えたときにアプリ内にシャッターボタンがないのが特徴の1つ。


ただし、端末を縦に構えたときは表示される情報が変化し、画面下部にシャッターボタンが出現。端末下部を片手でホールドすれば、もう片方の手でシャッターが押せるようになります。


写真は、特記するもの以外は広角24mm・「オート」モードで撮影を行いました。細かい設定も基本的にデフォルトのままなので、「ドライブモード:1枚撮影」「フォーカスモード:コンティニュアスAF」「フォーカスエリア:ワイド」「顔/瞳AF:両方ON」「ナイト撮影:オート」です。

また、掲載にあたり、オリジナルサイズの4000px×3000pxから縮小を行っているので「こういう構図・色合いの写真が撮れる」というイメージで捉えてください。なお、「等倍」と記載したものはオリジナルの写真から長辺560pxで切り出したサムネイル画像を掲載しており、クリックすると同様にオリジナルの写真から長辺1200pxで切り出した写真を掲載しています。

まずは晴天下の町中に持ち出してみました。


道頓堀にあるグリコの看板。


上半身を等倍で切り抜くとこんな感じ。


恵美須町の商店街(北西)から見た通天閣


展望台が入るように等倍で切り抜くとこんな感じ。


これを望遠レンズの85mmで撮影するとこうなります。


等倍だとこんな感じ。展望台だけではなく、上の特別野外展望台に人がいて撮影か何かをしている様子がわかります。


デジタルズーム(超解像AIズーム)の375mmで撮影するとここまで寄れます。


一部分を等倍で切り取るとこんな感じ。さすがにはっきりとは撮影できていないものの、三脚を使わずに手持ち撮影でコレなので、かなり強力な手ブレ補正が働いていることがわかります。SNSにアップする用や、縮小して使うのであれば、困ることはなさそう。


通天閣から徒歩2分の映画館・新世界国際劇場。


味がある手描き看板部分を等倍で切り出したもの。


太陽の塔と大阪モノレール


等倍で切り出してみると、モノレール部分は運転席にいる運転手のシルエットがはっきり撮れていました。


同じく等倍で切り出した太陽の塔。さすがに表面のディテールが粗くなっている気がします。


万博記念公園駅を出たモノレールを見上げた1枚。ちょうど逆光を食らっています。


等倍で見てみると、車両番号もつぶれることなく、影が強すぎることもなく、という色の出方になっています。


望遠85mmで撮影した花。ちょうど虫が飛んできたところです。


風に吹かれて揺れていたため、一部の花びらが残像のようにブレています。シャッター速度は1/500s。


虫部分を等倍で表示するとこんな感じ。胴体部分の模様や羽根の筋まで撮影できています。


木漏れ日。


ちょうど日が差してきている方向を見上げて撮影しており、葉の緑色が透けて見える部分があります。


天王寺動物園のクロサイ・サミア。


目がパッチリしているのが特徴で、シャッター半押し状態時に秒間60回のAF演算を行うというリアルタイム瞳AFにより、瞳の追跡が行われました。子どもや動物を撮影するという人にとっては、しっかり顔認識・瞳認識をしてくれるのはありがたい部分。


ただ、フェンスや網の向こうにうまくフォーカスが合わない事例がありました。


「フェンスなどがまったくダメ」というわけではなく、ちゃんとフォーカスが合う例も。


画面ロック状態からでもシャッターボタン長押しでPhotography Proの起動ができるので、「なんかいい絵が撮れそう」というときにぱっとカメラを起動させて、ただちに撮影に移行できます。ちょうど、マレーグマのマーサがなんかかわいいことをやっていました。


2023年5月時点でまだ日本一高いビルの座を守り続けているあべのハルカス


天王寺駅西側の阿倍野歩道橋から超広角16mmで撮影すると、ハルカスのてっぺんから交差点下を走り抜けていく大阪シティバスまでまとめて撮影できます。


等倍で見てみると、さすがに建物の隅までピントが合うというわけにはいかないようです。


望遠85mmだとこんな感じ。


等倍で見ると、建物内の柱までしっかり写っているのがわかります。


安威川の流れ。


等倍時。ぱっとカメラを向けて何も考えずに撮影していますが、跳ねた水の粒までしっかり撮れていました。


橋の上ですれ違う阪急電車・普通大阪梅田行きと普通高槻市行き。天気が一気に悪くなりそうな雲行きです。


等倍で見てみても、駅に向かって減速しているからか、大阪梅田行きはブレも少なくきれいに撮影できています。


一方、加速している高槻市行きは車体側面の行き先表示がつぶれてしまいました。


太陽が雲に隠れているあたりはこんな感じ。


特急大阪梅田行き。


バーガーキングのチリチーズポテト。撮影した席は窓に近く自然光が入っていましたが、その影響で白い容器がうっすら青みがかっています。また、この時点で、チーズ部分にはピントが合っているものの、すぐ周囲のポテトはボケているのがわかります。


等倍で見てみると、チーズはとろけている感じがよく伝わってくるのですが、ポテトと接するあたりになるともうボケています。この種の撮影をするなら、オート任せだけでは厳しい部分があるかもしれません。


ネパール料理店バルピパルのタンドリーチキン。バーガーキングと同じように、ピントが合っている部分と合っていない部分が縮小画像でも明確にわかります。


色でいうと、この黄色いお皿は鬼門で、同じお皿で出てきたレバー炒めの時も、なぜか皿の色が実物よりも薄くなってしまいました。


夕暮れの大和川を渡る阪堺電車。


等倍で夕焼け部分を見てみるとこんな感じ。


同じく等倍で電車を見てみると、走り去っていくところなのでブレている部分もあるのですが、側面の「天王寺駅前」行き表示や車体の「堺」ロゴはきっちり撮影できていました。


阪神高速の下に沈んでいく夕日。


夜のあべのハルカスとあべの筋を、望遠85mmで撮影。


等倍にしたところ、さすがにノイズを感じる写真になっていますが、正面に見える阪神高速の高架より向こうの照明の粒まで細かく描き分けができています。


ナイトモードは強力なのですが、明るく撮影しようとシャッター速度が1/15sぐらいになり、電車の行き先表示がうまく撮影できなかったため、シャッター速度優先モードに変更してシャッター速度を1/125sにして撮影したもの。


等倍時、なんとかにじみつつも表示そのものは見えるぐらいになりました。


夜空を見上げて見つけた月。


等倍。三脚不使用の、普通の手持ち撮影です。


また、動画撮影アプリ「Videography Pro」を用いて撮影した4K動画はこんな感じです。まずは4K・30fpsで撮影した動画です。

Xperia 1 Vで4K30fps撮影した阪急電車・京とれいん 雅洛 – YouTube
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以下2本は4K・60fpsで撮影した動画です。

Xperia 1 Vで4K60fps撮影した阪急電車・普通大阪梅田行き – YouTube
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Xperia 1 Vで4K60fps撮影した阪急電車・準急大阪梅田行き&準急京都河原町行き – YouTube
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さらに、照明条件が著しく悪かった夜の高瀬川親水水路沿いを撮影してみました。手持ちで歩きながら撮影したわりはブレはしっかりと抑制されています。ただ、最後は肉眼だと水の流れが見えているぐらいの暗さだったのですが、さすがにほぼ真っ暗な映像になってしまいました。

Xperia 1 Vで4K60fps撮影した夜の高瀬川親水水路 – YouTube
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いろいろなところで使ってみた感じとして、第一印象は「とにかく手軽に何でも撮影できる」ということ。さすがに印刷や等倍表示にすると細かい部分の描写の甘さが出てしまう印象ですが、そもそもスマホで撮影した写真を印刷するケースはそうそうないはずなので、各種SNSへの投稿などで使う範囲においては、なんら問題はないはず。

ただ、SNSへの投稿用途で少なくない部分を占める「ごはん」撮影において、完全オートだと周辺部分のボケが強めにかかる印象なので、そのあたりは撮影時に気をつけた方がいいかもしれません。

「フルサイズセンサー搭載のデジカメ並みの撮影が可能」とうたわれていることについては、「さすがにソニー製フルサイズセンサー搭載のデジカメはもっと撮れるだろう……」という感じなのですが、「LV(Light Value)2以下の照度環境における静止画の耐ノイズ性能およびダイナミックレンジにおいて。ソニー製のフルサイズセンサー搭載デジタルカメラとの比較」との注釈つき。LVはシャッター速度と絞りを用いて算出される露出値の指標で、「2」とはシャッター速度が1/4秒で絞り値がF1.0のとき、シャッター速度が1/2秒で絞り値がF1.4のとき、シャッター速度が1秒で絞り値がF2.0のときと、めちゃくちゃ低照度を前提としたもの。そう考えると、確かにナイトモードはかなりきれいに撮れる印象で、あれがフルサイズセンサー搭載デジカメ並みの撮影というのは納得。

この注釈条件がなければ、印刷にも耐えうる写真を撮影できるデジカメと並ぶような写真を撮ることが難しいのは確かですが、とはいえ、Xperia 1 Vはスマホとしては撮影力は高い側に属する端末であり、ここまでの注釈を付けてあおらなくてもよかったのではないかという気がします。撮影からSNSへの投稿をシームレスに行えるのがスマホの強みなので、SNSへの投稿を前提とするのであれば、フルサイズセンサー搭載のデジカメを用いて撮影するよりも手軽に、必要な写真を撮れるのは確かなはずです。

「Xperia 1 V」は2023年6月中旬にNTTドコモ、au、ソフトバンクから発売されることになっています。

なお、さらにこのあと、バッテリーはどれぐらい持つのかを実測定した結果をまとめて記事化します。

<つづく>

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