2022年10月11日、日本の水際対策がさらに緩和された。今までは外国人の無ビザ入国はもちろん、個人の自由旅行もできなかったが、今回の緩和で全て解禁となる。ほぼコロナ前の姿に戻るのだ。だが、制度的規制がなくなったとしても、コロナの流行が終わったわけではない。
円安ということもあり、11日以降莫大な数の外国人観光客の日本入国が予想される中、外国人の入国に対する日本の対応はどうなっているのだろうか。韓国人である私(すんぴょんす)が日本に入国するまでの流れと、そこで直面した3つの小さな地獄を紹介したい。
・まずはMySOS
日本に入国するにあたって、日本人であろうが外国人であろうが必須となるMySOS。日本に入国する前のコロナ関連の手続きはこのアプリで行う。
最初アプリを起動すると出てくるのはこの真っ赤な画面。ワクチン接種状況に応じてアプリの画面の色が変わるらしい。
・手続きは英語と日本語のみ対応?
最初の言語設定で韓国語を選んだのだが、実際の手続きは全部英語だった。英語もある程度できるので別に問題はなかったが、母国語しか使えない外国人には少し厳しいかも。
手続きが終わってからはまた選択した言語に戻っていたので、外国人が日本にいる際に起きた問題に対する機能は使いやすいだろうと思うが、肝心な手続きで対応してないのは少し残念。
・色分け
2022年10月12日現在、ワクチン接種状況で色分けが行われる。
私は3回のワクチン接種が終わっているので、
手続きが終わったらアプリも青色に変わっていた。これで入国前の準備は終わりと。
・出国
日本に出国するために久しぶりに訪ねた仁川空港。一昨年日本から帰国したときはコロナ真っ最中だったので人も全然いなかったが、ようやく活気を戻しつつあるようだった。
1年半ぶりに見る空の景色。久しぶりだな……やっと日本のみんなに会える……ラーメンも食べたい……。
その時はまだ何も知らなかった。これから小さな地獄が連発で待っているなんて……。
・1つ目の地獄
ついに日本に到着。いつもなら空港から既に漂う日本独特の雰囲気に浸かりたいところだが、今回はそんな暇などなかった。
MySOSの表示をお願いする案内板。それに多数の案内役がMySOSアプリの表示をお願いしたり、確認してくれたりするのだが、私はここで違和感を覚えた。
「MySOSノガメンをミセテクダサイ~!」
何故か案内役がみんな外国人
私は本当に日本に入国したのか? 間違えてインドなんかに到着したのか? と思ってしまうほど、明らかに日本人ではなく、多数の外国人たちが案内役をしていた。ペラペラではないが、一応英語と日本語の対応ができるようだった……が、こういう時は普通、英語のできる日本人を雇わないか……?
私が入国した時間帯には私が乗ってきた便だけではなく、他にも入国してきた人々がいたのでそこそこの数がいた。中にはもちろん日本語も英語も通じない人もいるので、外国人と外国人が日本の空港でどうにかして互いの言語を聞き取ろうと頑張っている小さな地獄が形成されていた。
私は青枠だったので比較的スムーズだったが、ワクチン打ってない人たちや小さい子連れの家族はさらに時間がかかるかと。
この青い紙をもらったら、ついにコロナに対する手続きは終了となる。だがここまでで、私はもう一つ小さな地獄を味わった。
・2つ目の地獄
コロナ関連の手続きが終わるまでトイレに行けない
ソウルから東京は飛行機で3時間もかからない。飛行機内でトイレに行きたくなっても着くまでそこまで長い時間じゃないので着いてからでいいや! と思っていたのだ。
コロナ防疫を考えるともちろんトイレが使えないのが正しいが、飛行機内で一言かけてくれるなりコロナ用トイレなどで対応して欲しかった。
・3つ目の地獄
コロナの手続きが終わったら、日本に入国した人は3グループに分けられる。日本人、外国人、外国人(再入国)だ。久しぶりの日本入国となったので、再入国ではなく改めての入国審査となったのだが、最後の小さな地獄が待っていた。
入国審査の人員が足りてない……?
私が入国審査の行列に並び始めたときは既に30人以上は並んでいたが、それに対応している入国審査の人員はたった3人だった。普段ならもっといっぱいいて、それほど並ばなかった気がするけど……もしかして人員が足りてないのでは? と思った。
・これから何倍も増えるはずの日本入国者
日本への無ビザ入国が解禁された2022年10月11日以降、日本旅行ロスになっていた外国人観光客の入国は何倍も増える。現に韓国からの日本行きのチケットの予約率は先月1000%を記録しており、これからしばらくは激混み状態が続くはずだ。日本大好き外国人として、これからの日本の外国人入国に対する対応に注目したい。
参考リンク:厚生労働省のMySOSに関する案内
執筆:すんぴょんす
Photo:RocketNews24.