浜松でブラジルイベントがあった。ブラジル独立200年を記念したイベントだという。なぜ浜松かというと、浜松にはたくさんブラジル人が住んでいるからだ。
会場にはブラジル本国からも有名なアーティストがやってきて、本国さながらに盛り上がっていた。
このブラジル人だらけの大盛り上がりのイベントのステージで、一人の日本人がラップをやっていた。
ステージ後、どんな人かと声をかけようとすると、ブラジル人から絶えず声がかかっていた。人気者だった。
どうやってブラジル人に知られるようになったのだろう。気になって話を聞いてみた。
カポエラップのTOMOHIKOさん
その方は「TOMOHIKO」こと音楽プロデューサー「Rei Capoeirap」さん。そして流していたのがこんな感じの音楽である。
「外国人が想像した日本」のような光景が描かれ、ダンサーの人が横で踊る。
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炭坑節をブラジル風ダンス音楽に変えた「炭坑節ファンキ」
日本とブラジルの伝統と革新が混ざってフュージョンした音楽をリリースする。
ステージを降りたところで声をかけたのだが、とにかく人気者なのだ。
いろんなブラジル人に声をかけられ談笑し、記念写真を撮影している。日本のブラジル人向けメディアからも取材をうけていた。
人気だ!
よろしくお願いします、お疲れ様でした!
ダンサーに助けられました!横で踊ってくれると音楽も盛り上がるし目で楽しめるし、男がひとりでラップだとヤバいですから
TOMOHIKOさんは日本の方ですか?
日本生まれ日本育ちの日本人です。今日ステージに立った音楽系の日本人は僕だけですね
ポルトガル語はもうペラペラ?
そうでもないんですよ、ポルトガル語けっこうめちゃめちゃなんです
いやいや、めっちゃ話してましたよ
大学時代にブラジルがささる
最初はなんでブラジルに?
ブラジルの伝統格闘技のカポエイラ知ってますか?あれを大学時代にやってました
格闘ゲームで出てましたね!
そうそう。鉄拳3のエディ・ゴルドが有名です。めちゃカッコいいですよね
わかります。お互い初代プレステやってた世代なんですね…
カポエイラは音楽も格好いいし、動きが格好よくてダンスみたいだしいいなあって。ブラジル音楽というとボサノバとかサンバとかが知られてるけど、カポエイラも音楽なんです。
それに、ブラジル料理屋で肉のシュラスコとか豆のフェイジョアーダとか食べたら胃袋つかまれて。
ブラジル料理、シュラスコもそうだし、それ以外もうまいですもんね
でも、うまい!と思って親にフェイジョアーダ缶を買ってごはんを作ったら微妙な反応でした…
海外食品あるあるだ
カポエイラやっていると、カポエイラやってるのにポルトガル語できないの?と言われることもあって。悔しいじゃないですか。そこから音楽聞いたり歌ったりで、独学でポルトガル語を学びました
食事とカルチャーから語学に。そして音楽に
音楽は、子供のころからピアノやらされてて作曲はやってたんですよ。でも歌もうまくないし、だったらカポエラとラップでカポエラップというのをやってみようと
カポエラップっていうジャンルはTOMOHIKOさんが作られたんですね?
自分で名乗ってるだけなんです
ブラジルの経験と日本の経験が繋がっていく
そしてブラジルにも行くようになり…
です。カポエイラの師匠がリオデジャネイロの郊外に道場を構えてたのでそこで寝泊まりしました。飯がうまかったです。それと群馬県の大泉にこの数年よく行きだして
群馬県の大泉、ブラジル人とか外国人が多いですよね。前に行きましたが、店もいろいろあって驚きました
そこで大泉の観光協会の方とよく行っているうちに仲良くなって、一緒になんかやろうということで1年くらいかけて、GoProやドローンを使って大泉のプロモビデオを作りました
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大泉町の魅力を伝えた「Oi! Zum Zum OIZUMI -世界がぎゅーっと、おおいずみ-」
おお。音楽経験とブラジル経験が群馬で繋がった!
僕の友達や、観光協会の方がお友達を紹介してくれて撮れたんです。いろんな人との出会いがありました。そのうちの一人から、ブラジルイベントを今年やりたい、その時はステージに出てよと言われたんです。それが今回のイベントです。
なるほどいろんな出来事が線で繋がってるわけだ…!
また大泉のご縁もあって、ブラジルでの日本イベントにも出演したり、現地のテレビに出たり
ブラジルでテレビ出演ですか!日本の裏側でも繋がる人の縁ですねえ
ブラジルの人にわかるように日本らしい映像と、あとブラジルのこのごはんや酒が好き、という内容のミュージックビデオを頑張ってつくりましたよ
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「サンパウロで東京をイメージしたミュージックビデオを撮影しました」
ブラジル人と仲良くなるコツはブラジルを好きになること
ブラジル人の輪の中にすっと入ってるTOMOHIKOさん。その秘訣は何だろうと聞いてみると「とにかく飛び込んでいくことです。大好きなブラジルだから直球でいつもいきます。こっちが愛を示すと向こうも愛で返してくれる、みたいな感じです」という。また日本人がポルトガル語で発信したり音楽を作ったりするからこそ覚えてくれて親しく接してくれるという。好きだと思ってとにかく突き進むのは大事なのだ。