「ロックマン2」のRTAの歴史を解説した動画がYouTubeで18禁になってしまった理由とは?

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YouTubeは18歳未満の視聴者にふさわしくない動画に年齢制限を設けることをクリエイターに求めており、モデレーションシステムに引っかかった動画を勝手に18禁指定することもあります。ゲームのRTAの歴史について解説するYouTubeチャンネル・Summoning Saltが、1988年発売のゲーム「ロックマン2 Dr.ワイリーの謎(Mega Man 2)」のタイムアタックの歴史についての解説動画を投稿したところ、なぜかYouTubeによって18禁指定されてしまったとのことです。

YouTube age-restriction quagmire exposed by 78-minute Mega Man documentary [Updated] | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2022/09/youtube-age-restriction-quagmire-exposed-by-78-minute-mega-man-documentary/

Summoning SaltはさまざまなクラシックゲームのRTAの歴史について解説する動画を多数投稿しており、記事作成時点のチャンネル登録者数は146万人に達しています。そんなSummoning Saltが2022年9月18日に投稿したロックマン2 Dr.ワイリーの謎のRTA解説動画は、ゲーム内容が特に暴力的であったり性的であったりするわけでもないのに、なぜかYouTubeから年齢制限を設けられてしまったとのこと。

The History of Mega Man 2 World Records」を見ようとすると、非ログイン状態では「年齢制限のためログインしてください」という画面が表示されてしまいます。


実際の動画は以下。1時間18分に及ぶ動画は、多くのプレイヤーたちがどのようなアプローチやバグを利用してRTAに挑戦したのかを解説するもので、特に年齢制限を設けなければいけない要素は見受けられません。

The History of Mega Man 2 World Records – YouTube
[embedded content]

Summoning Saltによると、当該動画はYouTubeの自動モデレーションシステムにより、「過度の暴言」によって年齢制限がかけられたそうです。RTAの解説にあたり使用したTwitchストリーマーの発言に暴言が含まれていたとのことで、回数は1時間18分の動画で19回だったとのこと。しかし、Summoning Saltが分析ツールを使用してその他のYouTubeチャンネルが投稿した動画について調査すると、当該動画のほぼ2倍の密度で暴言を吐いているのに年齢制限がかかっていない動画も見つかったと述べています。

To recap what has happened today: this morning, my Mega Man 2 speedrun documentary was age-restricted for “excessive swearing”. It contains 19 curse words in 78 minutes.

Videos with 21x the amount of swearing per capita remain un-restricted. @TeamYouTube refuses to explain.

— SummoningSalt (@summoningsalt)


この報告を受けてYouTubeの公式Twitterアカウントは、当該動画に年齢制限をかけたことは間違いであることを認め、年齢制限を削除すると2022年9月22日のリプライで述べました。

hey, us again! after further review, we removed the age restriction from your video.

straight up, we made a mistake ☹️ we know this has been a very frustrating experience & we apologize for that. Your Partner Manager will reach out with more information. So sorry once again..

— TeamYouTube (@TeamYouTube)


ところが、前述したとおり記事作成時点でも動画の年齢制限は解除されていません。動画に年齢制限がかけられると、アカウントを登録している18歳以上のユーザーしか視聴できないだけでなく、動画再生中の広告が制限されたり推奨アルゴリズムで不利になったりするため、動画で収益を得ているクリエイターにとって大きな痛手となります。

Summoning Saltは、「YouTubeが暴言のある動画に広告を表示したくないのであれば、それ自体はまったく問題ありません」「しかし、事前にそれを伝えてください。そうすれば私たちは動画を調整することができるのです」とコメント。暴言を取り締まって子どもへの悪影響を防ごうとする試みは理解できるとしながらも、YouTubeのガイドラインが「過度の暴言」といった曖昧な文言で記されていることに不満を表明し、もっと明確な基準を定めてほしいと訴えています。

テクノロジー系メディアのArs Technicaのコメント欄にもSummoning Saltは登場し、「もしガイドラインに『暴言があれば年齢制限を設ける』と書いてあったら、私はそれを守って下品な言葉を編集していたでしょう」「問題は、YouTubeが極めて一貫性がなく完全に非論理的なルールを施行していることです。ルールは均等に適用されていません」と述べました。

なお、Ars TechnicaがYouTubeに問い合わせたところ、広報担当者から「YouTubeは下品な言葉のポリシーに基づいて、当該動画に正しく年齢制限を設けた」との回答がありましたが、一貫性のないモデレーションについての質問には回答がなかったとのことです。

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