インターネットを利用中に、「Cookieを許可してください」というポップアップが表示されたり、許可するCookieの種類を選ばされたりしたことがある人は多いはず。こうした表示はGDPRといった規制を順守する上で必要なものですが、Cookieの使用を許可するつもりのない人や関心がない人にとってはわずらわしいものです。広告とトラッキングをブロックする機能を搭載しているブラウザのBraveが、このCookieの許可を促すバナーのブロックを開始しました。
Blocking annoying and privacy-harming cookie consent banners | Brave Browser
https://brave.com/privacy-updates/21-blocking-cookie-notices/
Braveは2022年9月28日に公式ブログを更新し、10月にリリースされるBraveブラウザのバージョン1.45からCookieの許可通知がブロックされることを発表しました。この機能はまずPC版とAndroid版のBraveに登場し、それからまもなくiOS版にも導入される予定です。なお、開発者向けのテストバージョンであるBrave Nightlyには既にこの機能が実装済みです。
Braveによると、Cookie許可システムは単にわずらわしいだけでなくユーザーの追跡も行っており、このシステムが防ぐはずだったCookieによるプライバシー侵害の問題が引き起こされているとのこと。今回発表されたブロック機能では、Cookieの許可通知が非表示になり、可能な限りブロックされます。
Braveは「他のブラウザで使われている同様の機能とは異なり、Braveではよりプライバシーを保護するようになっています」と述べて、Braveの新機能は単に自動的にCookieに同意するのではなく、ブラウザと同意追跡システムの間の通信を遮断する機能だと説明しました。
新機能がリリースされると、Braveを初回起動した際に以下のようなダイアログが表示されて、Cookie許可通知をブロックするかどうか尋ねられます。ここでブロックすると回答すると、BraveはCookie許可通知のブロックに必要なルールをダウンロードし、1分以内にルールを有効化します。
間違ってブロックしない方を選択したり、後でブロックを解除したりしたい場合は、「brave://settings/shields/filters」にアクセスして設定画面を開き、「Shields」の中にある「EasyList-Cookie List」の設定を変更すればOKです。
Braveは、GoogleがCookieバナーのブロックを含め、広告やトラッキングの排除をあの手この手で困難にしようとしていると指摘しています。具体的には、サイト側がコンテンツブロッカーの回避を容易に行えるようにするWebBundlesや、拡張機能を大きく制限するManifest V3、ユーザーによる制御を弱体化させてサイト側の制御を強化するプライバシーサンドボックスなどが該当します。
こうした動向についてBraveは「ウェブはオープンであるように作られています。これはつまり、Braveのようにプライバシーを保護するウェブツールがユーザーのために行動し、ウェブの悪用や迷惑行為からユーザーを保護できることを意味します。一方Cookieバナーは、Googleやその他の存在が迷惑行為をブロックするというユーザーの能力を弱めるのに成功してしまったら、ウェブがどれほど悪い場所になるかを強調するものです」と述べました。
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