最新車両の自動ブレーキが実際の走行時に効果を発揮しないことがアメリカ自動車協会の調査で明らかに

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2021年11月以降、日本国内で販売される新車には衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)、いわゆる自動ブレーキ機能の搭載が義務付けられています。このAEBSについて、アメリカ自動車協会(AAA)が「明確な限界が存在する」という最新の調査結果を発表しました。

Evaluating Automatic Emergency Braking 2022 | AAA Newsroom
https://newsroom.aaa.com/asset/evaluating-automatic-emergency-braking-2022/

AAA finds serious limitations of Automatic Emergency Braking | Vehicle Service Pros
https://www.vehicleservicepros.com/industry-news/collision-repair/news/21282385/american-automobile-association-aaa-automatic-emergency-braking-absent-when-needed-most

Automatic emergency braking is not great at preventing crashes at normal speeds – The Verge
https://www.theverge.com/2022/9/29/23377376/automatic-emergency-braking-average-speed-study-aaa

AEBSは障害物や人間などを検知し衝突を回避するためのシステムです。2019年には国際連合欧州経済委員会が日本や欧州連合(EU)などの40カ国で発売する新車に対して、AEBSの搭載を義務化するための規制案を発表。その後、日本では発売する新車にAEBSを搭載することを義務付けるための制度が施行されています。

AEBSは車両の前方に搭載されたカメラやその他センサーを使用して、物体の接近を感知し、必要な場合には車両のブレーキを自動で作動させます。これにより、確かに車両が低速で移動している際に起きる追突事故は減少しました。また、AEBS関連のソフトウェアおよびハードウェアはどちらも年々アップデートされています。それでも、「左折時に対向車との衝突事故」と「交差点における直進車同士の衝突事故」が多発していることが知られており、2016年から2020年にかけて起きた衝突死亡事故のうち、前述のシチュエーションの割合は39.2%にもおよぶそうです。

そのため、AAAは「AESBが高速動作するか」と「移動中の車両を検出できるか」について疑問を抱いていたそうです。AAAは、AEBSが基準としているのは規制当局が何年も前に設けた低速衝突基準であり、この基準は更新されていないと指摘。続けて、「より速く、より現実的な速度で衝突実験を行うことで、AEBSがドライバーにとって最大の性能を発揮できるようにすべきです」と言及しています。

そこで、AAAは時速30マイル(約48km)と時速40マイル(約64km)の速度で走行する車両が、停止している車両に遭遇した際のAEBSの動作をテスト。これに加えて、「左折時に対向車との衝突シーン」と「交差点における直進車同士の衝突シーン」における、AEBSの動作もテストしています。

以下は、AAAが公開したさまざまなシチュエーションでAEBSをテストした様子を収めた動画。

Automatic Emergency Braking B-Roll on Vimeo
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交差点における直進車同士の衝突シーンでのAEBSの動作テスト


交差点に直進して侵入する2台の車両。左がAEBSの動作をテストする車両です。


そのままブレーキをかける様子もなく衝突。


このシチュエーションでAEBSが衝突事故を防ぐ確率は0%でした。


続いて左折時に対向車と衝突するシーンでのAEBSの動作テスト


直進してくる対向車を無視して左折しようとする際に、AEBSが動作するかどうかをテストします。


このケースでもAEBSが衝突事故を防ぐ確率は0%。


時速30マイルで走行している際に前方に停車している車両に追突することをAEBSが防げるかをテスト


テストの結果、時速30マイルで走行している場合は20回中17回(85%)停止している車両への衝突を防ぐことに成功。また、事故時も速度を86%減少させてからの衝突だったそうです。


時速40マイルで走行している際に前方に停車している車両に追突することをAEBSが防げるかをテスト


時速40マイルでの走行時は20回中6回(30%)しか衝突を防ぐことができませんでした。なお、停止車両に衝突した際の減速率は平均62%。


かなり勢いよく衝突するケースもあれば……


コツンと優しく追突するだけのケースもあります。


なお、AAAがテストに使用したのは2022年モデルの「2022 Chevy Equinox」、2022年モデルの「Ford Explorer XLT」、2022年モデルのホンダ「CR-V」、2022年モデルのトヨタ「RAV4 LE」の4車両で、それぞれディーラーで適切な整備を施された車両がテストに使用されました。

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