国際スポーツ栄養学会が「カフェインでスポーツのパフォーマンスが向上することが科学的に実証された」との見解を発表、ベストな摂取方法やタイミングは?

GIGAZINE



コーヒーを飲むと運動能力がブーストされる」との研究結果が示すとおり、カフェインには運動のパフォーマンスを改善させる効果があることはよく知られています。こうしたさまざまな研究を元に、国際スポーツ栄養学会(ISSN)がカフェイン摂取に関する見解をまとめました。

Full article: International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance
https://doi.org/10.1186/s12970-020-00383-4

GL #9: Caffeine and exercise performance (30 page study summary)
https://grapplinglane.substack.com/p/gl-9-caffeine-and-exercise-performance

・目次
◆1:カフェインの効果
◆2:摂取量
◆3:摂取方法
◆4:タイミング
◆5:副作用
◆6:まとめ

◆1:カフェインの効果
ISSNによると、カフェインの補給は運動パフォーマンスをさまざまな形で急激に強化することが、多くの研究で示されているとのこと。カフェインの使用に関するメリットが得られる分野は、筋持久力・筋力と運動速度・短距離走・跳躍・投てきのパフォーマンス・幅広い有酸素運動と無酸素運動のスポーツの動作が含まれますが、これらに限定されません。特にメリットが大きいのが有酸素性持久力で、カフェインにより持久力は2~4%向上することが示されています。

カフェインの身体能力向上効果は、トレーニングを受けた人にも受けていない人にも現れますが個人差もあります。従って、カフェイン摂取によるパフォーマンスへの影響や副作用といった悪影響は、カフェインの代謝や身体的および精神的反応に関連する遺伝的変異に起因している可能性があります。また、カフェイン摂取の習慣といった要因も、個人間の反応のばらつきに関与しているとみられます。


◆2:摂取量
カフェインの摂取量については、「体重1kg当たり3~6mg」で運動パフォーマンスが向上するというデータが一貫して得られています。有効なカフェイン摂取量の下限は未確定ながら、「体重1kg当たり2mg」程度が低用量の目安の可能性があります。一方、「体重1kg当たり9mg」といった高用量では副作用の発生率が高いため、エルゴジェニック効果、つまり運動機能を強化する効果を引き出すのに高用量のカフェインが必要だとは考えられていません。

◆3:摂取方法
カフェインの代表的な摂取方法はコーヒーの飲用ですが、必ずしもコーヒーである必要はありません。カフェイン入りのエナジードリンク、プレワークアウトサプリメント、チューインガム、エナジーゼリー、マウスウォッシュなども有効なカフェイン源であり、いずれもパフォーマンスの向上に寄与することが証明されています。

特にチューインガムは最も速やかにカフェインを摂取する手段と考えられています。これは、口内は血管がよく発達しており、ガムをかむことで放出されたカフェインが血管に速やかに吸収されるからだとみられています。なお、吸収が速いからといって効果が強くなるわけではありません。従って、カフェイン入りのチューインガムは一定時間にわたり迅速かつ持続的に効果を得るのが必要な場合に役立つとされています。


カフェインの継続的な摂取は、身体機能だけでなく認知機能の向上を期待する上でも効果的です。海軍特殊部隊の隊員を対象に行われた研究では、集中力と警戒力を高めるには、大量のカフェインを摂取するより少量のカフェインを継続的に摂取する方が効果的であることが示唆されました。

コーヒーの場合、ホットコーヒーに比べてコールドドリンクは一気飲みできるため危険だと懸念されることがあります。しかし、温度や摂取速度の影響が調査された研究では、カフェインの摂取速度、温度、摂取源の違いはわずかな差に結びつく可能性がありますが、有意ではないとの結論が得られています。

◆4:タイミング
カフェイン補給の最も一般的なタイミングは、「運動の60分前」です。この摂取方法は、摂取から60分で血中のカフェインレベルが最大値になると考えられていることから採用されています。しかし、カフェインは持久力を要する運動において最も有用であるとされているので、競技の長さによっては事前に摂取するより運動中に摂取する方が有益になる場合があります。

◆5:副作用
文献の中で最も一般的に報告されている副作用は頻脈、動悸、不安感、頭痛、睡眠の質の低下などです。カフェインの摂取に伴う精神状態の変動がもたらすパフォーマンスへの影響には関しては、スポーツの性質も考慮される必要があります。例えば、テニスやバイアスロンでのライフル射撃など、スキルに大きく依存するスポーツの選手はカフェインによる興奮や覚醒のメリットを受けられない可能性が高いとされます。一方、フットボールのラインマンなど体力や持久力といった身体的能力に大きく依存する種目の選手は興奮や覚醒からメリットが得られる可能性があります。

カフェイン摂取による副作用は摂取量に比例して増加することから、副作用の発生率や重症度の決定要因はカフェインの用量とされています。


◆6:まとめ
こうした研究結果からISSNは「概してカフェインの摂取が、幅広いスポーツに対してエルゴジェニックであることが示されていますが、その使用が全てのアスリートにとって適切であるとは限りません。特に、カフェインの使用は副作用とのバランスをとる必要があるため、アスリートにとってのメリットがコストを上回るかを評価する前に、個人の反応を判断するためのテストが必要となります。またアスリートは、気分や睡眠パターンに注意するだけでなく、スポーツの練習中や競技中にもカフェインに対する身体的な反応に気を配る必要があります」と結論づけました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

Source