菓子パンの中でも当たり前の存在となっているあんぱん。でも、よく考えたら、和洋折衷だ。しかも、パンに餡子ってかなり攻めているのではないだろうか? あんぱんの試作品を最初に食べさせられた人は「マジかよ!?」と思ったに違いない。
つまり、最初は突飛に感じるアイデアも、しっくり来たら当たり前にもなりえるということだ。そう考えると、このメロンあんぱんが天下を取ることもあるのかもしれない。
・メロンあんぱんとは
メロンあんぱんとは、メロンパンの中にうぐいす餡が入った代物である。もの珍しさから購入してみたのだが、これがなかなかイケるのだ。
餡子がしっとりしてるためか、中のパサパサ感がなく、また、餡子の甘みが自然なので、甘ったるさが口に残ることもない。なんで普通のメロンパンって具が入ってないんだろう? 食べ終わった後、逆に疑問に思ったくらい。
・あんぱんの品ぞろえが異常なパン屋
これを購入したのは浅草にある『あんですMATOBA』というパン屋だ。それは浅草寺の裏手を散歩していた時のこと。目当ての店が休みで、なんでもいいから昼飯を食べようと、私は目についたパン屋に入った。すると……
あんぱんだらけだった……!
こしあんぱん(税込190円)、小倉あんぱん(税込190円)は言うまでもなく、マロンあんぱん(税込190円)、かぼちゃあんぱん(税込190円)、あんチーズ(税込230円)、焼いもあんぱん(税込190円)、草だんごあんぱん(税込200円)などなど。
店員さんに聞いたところ、季節限定のものも合わせて約20種類くらいあるのだという。ちなみに、上記の中でもいも系のものは季節限定商品で、夏にはレモンあんぱんなども出ていたそうだ。
品ぞろえが尋常じゃなさすぎて、ほとんどが見たことも聞いたこともないあんぱんである。そこで中身が気になるものを購入してみた。
・あんチーズ
メロンあんぱん(税込190円)はこの1つで、味的に特に気に入ったものだった。あと、もう1つ、メロンあんぱんと甲乙つけがたいくらい気に入ったのが、あんチーズ。
こしあんの中にガッツリとしたクリームチーズが入っていて、しっかりチーズの風味が感じられる。あんぱんだが、チーズケーキみたい。なかなかのハードパンチャーなのだがホイップあんぱんほど胸やけしないのは、餡子の味がスッキリしているからだろうか。
・製餡所直営の店
人気商品だというこしあんぱんも、甘ったるさがなく、普通のあんぱんとは餡子の上品さが違うように思う。そこで調べてみたところ、どうやら『あんですMATOBA』は、的場製餡所直営のアンテナショップのようだ。看板に書かれていた「あんこ専門店のあんぱん」や「製餡所直送あんこ使用」という文言はそういう意味だったのか。
というわけで、攻めたアレンジでもしっくり来るのは餡子がしっかりウマイからかもしれない。観光客があまり来ない「裏浅草」と呼ばれる地域にあるこの店。私が訪ねた際、大量買いする地元民らしき人の姿もあり、そのウマさは浸透するレベルなことが分かる。あんぱん好きは一度味わってみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 あんですMATOBA
住所 東京都台東区浅草3-3-2
営業時間 7:30~18:30
定休日 日曜・祝日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.