昨日は「家康は関東移封を喜んだが秀吉に江戸といわれ困惑した」という記事を書きました。
県庁所在地の多くが、秀吉やその系統の大名たちが建設したり、大改造した城下町だという『令和太閤記 寧々の戦国日記』で書いた通りです。
そこで、全国47都道府県所在地について、秀吉とのかかわりを紹介し、5段階でランク付けもします。
なお、このより詳しい内容は、「日本史が面白くなる47都道府県県庁所在地誕生の謎」(光文社知恵の森文庫)で書いてます。また、その姉妹編が「世界史が面白くなる首都誕生の謎」です。
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札幌:➀ これは明治になってからの新都市なんで関係なし。
青森:➀ 石田三成の娘を側室とした津軽信牧が弘前の外港として建設。
盛岡:⑤ 秀吉によって盛岡に移された南部氏が蒲生氏郷の助力で豊臣風の城を築城。
仙台:④ 秀吉によって米沢から移った伊達政宗が築城。桃山風の建築多数。
福島:⑤ 秀吉によって蒲生氏郷の与力とされた大政所お気に入りの木村吉清が築城。
秋田:② 関ケ原の戦いで日和見した佐竹氏が移って築城。城はやや東国風だが城下町はかなり豊臣風。
山形:② もともと最上氏の城下町だが、関ケ原の前後に徐々に近世風城下町に。
水戸:② 秀吉によって常陸国全体を与えられた佐竹氏が常陸の中心とし、佐竹氏および水戸徳川氏が城と城下町を建設。
宇都宮:② 宇都宮氏の本拠だったが関ケ原の戦い前後に城と城下町を建設。
前橋:② 上杉謙信の関東攻略の拠点だったが、江戸初期に城下町に。
浦和:➀ 中山道の宿場町。
千葉:➀ 千葉神社の門前町であり宿場町。
東京:③ 関東の主要都市のひとつではあったが秀吉の指示で家康が関東の中心に。
横浜:➀ 港町で宿場町の神奈川に隣接して幕末に開港。
新潟:④ 秀吉が封じた堀直寄が開港。
富山:③ 秀吉によって越中を与えられた前田氏が関ケ原前後に築城。
金沢:④ 本願寺尾山御坊のあとに、秀吉によって封じられた前田利家が築城。
福井:④ 柴田勝家の築城だが、秀吉の養子だった結城秀康が大改造。
長野:➀ 善光寺の門前町。
甲府:④ 秀吉によって封じられた加藤氏と浅野氏が築城。
静岡:② 今川氏・徳川氏の拠点だが、近世的な城にしたのは秀吉時代の中村氏か。
岐阜:③ 斎藤・織田氏らが近世的な城下町として整備。
名古屋:④ 秀吉の生誕地だが、本格的な築城は家康が豊臣大名の助力で。
津:④ 織田信包らが居城としたが本格築城は豊臣旧臣の藤堂高虎。
大津:④ 豊臣時代に京極高次らが本格的な城下町に。
京都:④ 平安京が荒れていたのを秀吉が城下町風に改造し、鰻の寝床や御土居が出現。
大阪:④ 石山本願寺跡に秀吉が築城。
奈良:② 平城宮跡にして門前町。
和歌山:④ 豊臣秀長が築城し桑山氏を城代に。浅野氏・徳川氏が拡張。
神戸:② 古代より港町として継続的に繁栄。
鳥取:③ 戦国時代から因幡の中心だが、関ケ原前後に宮部氏や池田氏が充実。
岡山:⑤ 宇喜多秀家が近代的な城郭に。
松江:⑤ 豊臣旧臣の堀尾氏が築城。
広島:⑤ 豊臣時代に毛利氏が聚楽第をモデルに築城。
山口:② 大内氏の本拠だが、関ケ原前後に改造。
高松:⑤ 秀吉によって封じられた生駒氏が黒田如水の助言で築城。
徳島:⑤ 秀吉によって封じられた蜂須賀氏が築城。
松山:⑤ 豊臣大名加藤嘉明が関ケ原後に築城。
高知:⑤ 豊臣大名山内一豊が関ケ原後に築城。
福岡:④ 博多は古代より港町だが秀吉が大改造。福岡は豊臣大名黒田氏が築城。
佐賀:③ 中世から竜造寺・鍋島氏の居城だが、関ケ原の前後に近代都市に。
長崎:② 大村氏が開港。教会領を経て秀吉が直轄領に。
大分:④ 大友氏の城下町だが、現在の城は豊臣大名福原氏の築城。
熊本:⑤ 古くから城はあったが、豊臣大名加藤清正が築城。
宮崎:➀ 明治になってからの新都市。
鹿児島:③ 島津氏の本拠は鹿児島市内にあったが、現在の城は関ケ原のあと島津氏が築城。
那覇:➀ 首里の外港。
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