体に悪いものは扱わない、意識高めな “自然食糧品店” というものがある。あまり利用することはないのだが、なんとなく「蕎麦も売ってるのかな〜」と覗いてみたところ……あったあった、ありまくり〜っ!
その中でも、とりわけ私の興味を引いたのが、『魚沼産 全粒そば粉100% 十割そば』なる商品。「イチカラ畑」と聞いたことないメーカーだが、新潟県は魚沼産の蕎麦粉というのは、けっこう珍しいのではないか? と踏んだのだ。魚沼産といえば米が美味いし。
しかしそれ以上に、私を驚かすことがパッケージ裏には書いてあった──
製造所、山本食品っ……! まて、まて、ちょっとまて。落ち着け俺。整理しよう。まず、山本食品といえば、当連載における現時点での王者『特選そば 十割そば専用工場謹製』を作った長野のメーカーである。
次に、販売者の「イチカラ畑」については、パケ裏に説明がある。なんでも「新潟県魚沼地方で、今では使用されなくなった農地を再生し環境に良い農法で体に優しい商品を作っております」らしい。そして表パケには
魚沼産 全粒そば粉100%……!
つまりこれは、非常に珍しい新潟県魚沼産の蕎麦粉を使い、たしかな技術で製麺する “長野の山本” こと山本食品が作り上げた合作(コラボ)的な商品っ……! これは期待っ……! 期待しかない。パッケージだけで腹一杯だ!! それではさっそく──
デカい鍋にたっぷりのお湯を沸かし……
7分ゆでたら……って……
なんかすごいことになっている!
ともあれ、湯切りし……
ハイ完成。
して、そのお味は──
ちょ──
ちょ……なにこれ……すごい……! 「チョマテヨ〜」なんてギャグを書く余裕なんてそこにはなかった。この口当たりは連載初(初体験)かも。1人前あたり313円は連載史上最高額であるが、それに見合う衝撃はある!
なんなんだこの「リアリティ」は……。今まで児童向け漫画雑誌『コロコロコミック』の漫画ばかりを見ていた少年が、突然ハードボイルドな超劇画『ゴルゴ13』を読んだくらいの衝撃を私は感じた。
とりあえず美味い。「家そば」か「外そば」かで言うなら紛れもなく「外」。乾蕎麦であることを隠したうえで、どこかのお蕎麦屋さんで出てきても、「ほう」とか言っちゃうレベルの “リアリティ” なのだ。だってだって、よく見て欲しい。
蕎麦の中にツブツブ(蕎麦粉?)も入ってるし、それをしっかり感じるし! 他の蕎麦でもツブツブ入りはたまにあるが、舌でそれを “ハッキリと感じた” のは初めての経験かも。“バニラビーンズ入り” 的な。
とにもかくにも、スーパールーキー級の高校生(怪物)が入団してきたくらいのインパクト。ランク入り決定は無論のことだが、この蕎麦をチョイスする自然食糧品店のバイヤーにも唸(うな)りまくった次第である。
ちなみに、蕎麦湯の濃さも過去最高レベル。しっかりと食後にホッコリとした蕎麦湯を楽しめるおまけ付き。価格は高いが、それに見合うだけの体験はできることだろう。出ました、超特大の満塁ホームラン!
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24