目の前にモンスターが! ホラーVRゲームは現実の不安を克服できるか? という研究

GIZMODO

心の鬼退治にも呼吸が大事です。

たとえば高所恐怖症でもクモ恐怖症でも、視覚のみの荒療治で克服の可能性が示唆されているVRの世界。イギリスのケンブリッジ大学では、ほぼ同じコンセプトで人々が抱える心の不安を、ホラーゲームで乗り越えられるか? という研究が行われています。

ゲームでは呼吸と心拍数が大事

VRゴーグルを被り、ゲームが始まるとあなたは船の上にいます。船は心拍数に応じて揺れるので、ゆっくりと呼吸を整え、呼吸法を習得したら次のステージへ。そこでは暗い密室でモンスターと対峙します。モンスターは目が見えない代わりに、あなたの鼓動から恐怖を感じ取ります。心拍数が速くなると襲われることになり、心の平和が保てれば10分ほどで無事生還することができます。

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Video: Cambridge University / YouTube

ちなみにゲーム内で横を見ると、数メートル先には椅子に縛り付けられた人がいるそうな。ひとりきりではないけど、恐ろしい空間です。

師匠が協力したゲームが大成功

この試みは、認知神経科学で博士号を目指して勉強しているルーシー・ダニエル・ワタナベさんと、受賞歴もある英国のゲーム開発会社Ninja Theoryとの共同によるもの。始まりは2017年、ワタナベさんの師ポール・フレッチャー教授が、同社のゲーム『Hellblade』を開発するため、幻覚や妄想について精神医学的な部分で協力したのがきっかけだったのだそうです(後に受賞し、心の病気を患った経験者らから絶賛された)。

Image: Cambridge Independent

ストレスには深呼吸

この研究は、実生活のストレスの中でも、ゲームと同じく呼吸を整えれば落ち着いて対処できるか? を調べています。被験者がどのように反応したのか? その結果とゲーム技術を併せて心の病を抱えている人たちを支援できるのか?を検証しつつ、今後も2~3カ月に渡り実証実験が続けられます。

ワタナベさんは人々に無料で使ってもらいたいので、商売する気はないとのこと。でも、資金援助もしているNinja Theoryとしては、将来のゲーム開発の役に立つのでWin-Winでしょうね。

被験者が100人になるまでまだまだ募集を続けているそうなので、ストレスにさらされていると感じる人は応募してみては?

Source: YouTube, UNIVERSITY OF CAMBRIDGE, Cambridge Independent, Ninja Theory via TechAcute