早口言葉を実写化する

デイリーポータルZ

「隣の客は、よく柿食う客だ」

「この釘は引き抜きにくい釘だ」や「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけたのです」など、早口言葉は言いにくいだけでなく、意味がわかりにくい。

もしかしたら早口言葉が言いにくいのは、言い回しではなく、言葉の意味がわからないことが要因なのではないか?

だったら早口言葉の意味をわかりやすくすればスラスラ言えるかもしれない。

ということで、今回は5つの早口言葉を意味がわかるよう実写化したい。

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。

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実写版「この釘は引き抜きにくい釘だ」

まずは「この釘は引き抜きにくい釘だ」から実写化してみたい。

これは「引き抜きにくい釘」で終わるのではなく「引き抜きぬにくい釘だ」というセリフ調になっている。

つまり

「他は引き抜きやすいのに」「この釘はぁ」「この釘だけはぁぁ」「引き抜きにくい釘だあああ」

と困っている状況である。

これらをふまえて「この釘は引き抜きにくい釘だ」を意味がわかるように実写化するとこうなる。

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釘を引き抜く
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さらに釘を引き抜く
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あれ?一本だけ頭の部分がない釘が…
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「この釘は、引き抜きにくい釘だ」

と、こうなるのだ。

つまりこの早口言葉はテレビチャンピオンの「釘引き抜き王選手権」に出場した挑戦者が番組側が仕込んだ意地悪な釘に対して放った一言だったのである。

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実写版「この釘は引き抜きにくい釘だ」

よーし、これでグッと意味がわかりやすくなったぞ。

実写版「この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」

つづいては、「この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」でいってみよう。

これも「竹垣」同様、最後の部分が「竹立てかけたのです」というセリフ調になっている。

そのうえ「立てかけたのです」と丁寧な言い回しである。

ということは目上の者に報告というかたちで言っているセリフだろう。

以上をふまえて「この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」を意味がわかるように実写化するとこうなる。

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「この竹垣に」
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「竹立てかけたのは」
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「竹立てかけたかったから」
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「竹立てかけたのです」
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逮捕

と、二時間ドラマのクライマックスの自供シーンになるのである。

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実写版「この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」

二時間もかけて謎解きがこんな理由だったら視聴者は黙っていないだろうが、とにかくこの言葉の意味はわかるようになった。

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実写版「隣の客は、よく柿食う客だ」

さて三つ目は、早口言葉の定番中の定番「隣の客はよく柿食う客だ」を実写化してみよう。

この早口言葉は訪問客に対する感想になっており、その言い回しは

「まったく、隣の家に来やがった客ときたら」

「柿をむさぼり食ってやがるよ」

「やれやれ」

という、ご近所のトラブルメーカー的な隣人視点のものである。

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時節柄、干し柿で代用する

以上をふまえて「隣の客はよく柿食う客だ」を実写化するとこうなる。

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「隣の客は」
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(外観)
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(柿をあんなに!)
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「よく柿食う客だ」

実写化してみると、意味がわかりやすくなった。しかし、まったく大きなお世話だよなあ。

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実写版「隣の客はよく柿食う客だ」

というかのぞきだよコレ。

実写版「赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ」

四つ目の早口言葉は「赤パジャマ、黄パジャマ、茶パジャマ」を実写化してみよう。

赤・黄・茶の色違いのパジャマを着た三人のひとたち。

パジャマを着ているということは一緒に眠るということである。ということは、ともに暮らしている兄弟と推測される。

以上をふまえて実写化するとこうなる。

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赤パジャマ
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黄パジャマ
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茶パジャマ

三人が一そろって

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「赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ」

実写化した結果、「赤パジャマ・黄パジャマ・茶パジャマ」は、一見、ドリフ大爆笑のばか兄弟のようだが、就寝前に部屋でくつろぐなかよし三兄弟ということがわかったのである。

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実写版「赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田」

さあ、ここまで定番の早口言葉を実写化してきたが最後にひとつぐらいは、オリジナルの早口言葉を作ってみたい。

言いにくい言葉といって最初に頭に浮かぶのは「レオナール藤田」である。

これにさきほどの「赤パジャマ、黄パジャマ、茶パジャマ」を流用して「赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田」という早口言葉をつくった。

これを実写化してみる。

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赤レオナール藤田
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黄レオナール藤田
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茶レオナール藤田

三人そろって

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赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田
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実写版「赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田」

ではもう一度。

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赤レオナール藤田
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黄レオナール藤田
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茶レオナール藤田

声に出して言ってみましょう。

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赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田

にくたらしいですか?

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実写版「赤レオナール藤田、黄レオナール藤田、茶レオナール藤田」Ⅱ

レオナール藤田のクオリティについてはおのおの意見があるだろうが、私としては茶レオナール藤田が、もっともレオナール藤田であると思っている。

言いやすくなったかを試す!

以上で、5種類の早口言葉を実写化し、イメージができた。

これらを頭に思い描いて言えば早口言葉はスラスラいえるようになったのか?

果たして結果は!?

動画でごらんください。

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※音がでます

まとめ

チャレンジした結果、意味がわかったところで早口言葉は言いやすくなるわけではないことがわかった。

また、「赤、茶・黄」はなににつけてもだいたい早口言葉になることもわかった。

だから、「赤早口言葉、黄早口言葉、茶早口言葉」も言いにくいです。

ちなみに早口言葉をうまく話すには、準備運動として舌と唇口をよく動かしておいて、口角をあげて、母音をしっかりと発音することを心がけるといいそうです、と普通のことを言ってどうする!?

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