先週は外出先からアクセスできるようにした簡易NASに、作業データをバックアップする仕掛けを構築したが、自宅のLANネットワークには他にもいろいろなデバイスが接続されている。これらも外出先から遠隔操作すれば、テレワークに活用できるかもしれない。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから158日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はWoL(Wake On LAN)で起動させたPCを介して、自宅にあるタブレットやビデオレコーダーを遠隔操作してみた。
8月22日(月):NASや他のPC上の音楽ファイルをストリーミング再生する
今週はオフィスに出勤する日が多いので、この機会に自宅PCの遠隔操作を、さらに使いこなしておこうと思う。
というのも、今朝オフィスについて、さっそくWoLから自宅のPCを遠隔起動。それを「Chromeリモートデスクトップ」で遠隔操作して、作業データを会社に転送したのだが、そこでふと思いついてiTunesを起動。ライブラリから音楽を再生したところ、それを「Chromeリモートデスクトップ」越しに聞くことができた。
さらに、Windows標準の「Windows Media Player」を起動すると、今度はメディアストリーミング機能を使って、他に起動しているPCやNASに保存された音楽や動画も再生できるようになった。……とはいえ、「Chromeリモートデスクトップ」越しだと動画はコマ落ちして表示されてしまうが。さらに、自宅でも同じタイミングでPCから曲が流れているわけだが、いちいちファイルを「Chromeリモートデスクトップ」経由で会社のPCにコピーしなくても再生できるのは、ちょっと便利だ。
「Chromeリモートデスクトップ」越しに自宅のLANネットワーク上にある機器を操作すれば、オフィスでの仕事がよりはかどるかもしれない。さっそく色々と試してみよう。
8月24日(水):有料ソフトなしでHDDレコーダーの録画予約が可能に
以前から自宅のPCを遠隔操作している時に気になっていたのが、エクスプローラーの「ネットワーク」画面に表示されたHDDレコーダーのアイコン。「Chromeリモートデスクトップ」越しにダブルクリックしてみると、「DIGA MANAGER」というレコーダー管理画面が表示された。どうやら、ここから録画予約や保存された番組の削除ができるらしい。
なお、自宅ではパナソニックのDIGAを利用しているのだが、リモートアクセスに対応していない機種のため、専用のアプリを利用しても外出先から録画番組を観ることができなかった。
そこで、Windows Media Playerの「DLNAクライアント機能」を使って、レコーダーに保存された動画を再生しようとしたのだが、やはりDTCP-IPのプロテクトがかかっているようでファイルを開くことができない。また、ダビングしたBlu-rayディスクは「PowerDVD」などのプレイヤーアプリで再生できるのだが、こちらも「Chromeリモートデスクトップ」越しでは画面がブラックアウトして観ることができないようだ。
とはいえ、仕事用の資料として番組を観ることもあるので、職場から遠隔操作で録画予約できるのはありがたい。HDD容量があふれそうな時には、遠隔操作で録画番組を削除できるのも便利そうだ。
8月26日(金):遠隔操作したタブレットがネットワークカメラ代わりになった!
今日も午後から社内ミーティングがあるので、オフィスで仕事をすることに。途中で自宅のPCからバックアップファイルを取り出そうとしたのだが、昨日は定時の後も作業をしていたため、最新版のファイルが簡易NASに保存されていなかった。
結局、家族に電話でお願いして、自宅のメインマシンを起動してもらうことにしたのだが、それでもサブマシンからファイルにアクセスすることができない。メインマシンの作業フォルダは共有設定してあるので、起動さえすればLANネットワーク越しにアクセスできるはずなのだが……。
そこで、ふと思いついて机の上に置いてあるタブレットを、サブマシンにインストールした「AirDroid」で遠隔操作してみた。その上でタブレットにインストールされているアプリ「DroidCam」を起動したところ、メインマシンのモニターをタブレットのカメラ越しに見ることができた。
モニターの様子を見ると、どうやらメインマシンが起動していないようなので、改めて家族にお願いすると、無事にマシンが起動した。これで、最新版のファイルを使って、作業を進めることができる。しばらく運用してセキュリティに問題がなさそうなら、今度はメインマシンを遠隔操作できるように、WoLの設定をいじってみてもよいだろう。
ちなみに、「AirDroid」には「リモートカメラ機能」という、タブレットのカメラ映像を直接画面に表示する機能があるが、LANネットワーク外からの利用には月額料金が必要になっている。しかし、「Chromeリモートデスクトップ」越しに外出先からサブマシンを操作して、同じLANネットワークにあるタブレットの映像を見ることは、無料アカウントでも可能だった。このままタブレットをネットワークカメラ代わりに使うのもアリかもしれない。
WoLで起動したPCを経由することで、自宅にあるレコーダーやタブレットを、会社から遠隔操作することができた。まん延防止等重点措置が解除されてからは、自宅と会社を行き来しながら仕事するようになったので、これらの仕組みを積極的に活用していきたい。