本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。
これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、または、スマホや「Chromecast with Google TV」向けの「torne mobile」アプリを組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。
準備を整えた上で、実際に外出先から自宅LAN内のPCにリモートアクセス
前回は、Chromeリモートデスクトップを使って、外出先からモバイル回線で、nasneの共有フォルダーへアクセスするための準備として、自宅LAN内に設置したPC側を設定した。
今回は、さっそく自宅から外へ出て、カフェやホテルなどの外出先からアクセスしてみよう。ちなみに、自宅に置いてあって「操作される」側のPCを「ホスト」PC、外出先のモバイル回線から「操作する」側を「ゲスト(クライアント)」などとも呼ぶので覚えておこう。
前回も書いたように、自宅ネット回線はフレッツ光で、IPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)接続を使っている。Chromeリモートデスクトップでは不要なので、ポート開放などは設定していない。さらに、自宅LAN内のルーターへインターネット経由でアクセスするときに設定することも多いUPnPもオンにしていない。UPnPをオンにするとセキュリティリスクも増すので、注意しておこう。
今回はドコモ回線のスマホでテザリングし、今回はWindows PCからアクセスしてみた。外出先のモバイル回線で使うPCにGoogle Chromeがインストールされていることだけが条件で、WindowsでもMacでも構わないし、操作方法は全く同じだ。もちろん。接続の際には、ホストと同じGoogleアカウントでログインしておく必要がある[*1]。
[*1]……[リモートサポート]というタブでは、異なるGoogleアカウント同士でリモートデスクトップ接続することができる。家族や友人などのデスクトップ操作をサポートするケースなどは便利だ
前回もスリープしないよう設定しているが、自宅に置いたホストPCは、電源が入ったままになっていることを確認しておこう。放置してスリープしてしまうと、外部からは接続できないので注意。ただ、Chromeを起動しておく必要はない。
[*2]……「Chromeリモートデスクトップ」アプリのインストールを促されるので、そのまま導入してしまってもいい
[*3]……[セッションのオプション]で[全画面表示]と[ウィンドウに合わせてサイズ変更]にチェックを入れると、ゲストPC側の解像度に合わせた全画面表示になり、まるでこちらにあるPCのようにホストPC側を操作できる
リモートデスクトップでつながってしまえば、デスクトップ上のどんな操作でも可能になる。もちろん自宅のPCにインストールされているExcelを起動して編集することもできるし、サウンドも聞ける。ただし、回線によっては画面描画が遅くなる。前回なるべくホストのデスクトップ解像度を落としたのは、描画を快適にするためだ。
スマホのギガに余裕があれば、だらだらと操作しても構わないが、外出先で忘れ物ファイルの転送あたりにとどめておくのが、おいしい使い方になる。
なお、自宅では問題ないかと思うが、会社に置いてあるPCを外部から操作するときには、操作している間は画面が点きっぱなしで、操作や入力している様子がそのまま表示されてしまうことが問題になる。
デスクトップPCであれば、ディスプレイだけ電源を切っておけばいいのだが、そうでなければ、操作を見られても構わない場面に限って使うように気を付けよう。もちろん、社内に置いてあるPCにChromeリモートデスクトップを使って操作をする場合、必ず事前にIT部門などに使用許可を得るようにしてもらいたい。
とにかく、Google Chromeがインストールされていて、GoogleアカウントとPINが分かれば、どこからでも自宅(もしくは会社)のPCへアクセスできるので便利だ。ぜひ活用してみて欲しい。
次回はスマホからアクセスして操作してみよう。