スーパーになかなかないアレを置いてほしい…イマジナリースーパーの品揃えを考える

デイリーポータルZ

よくいくスーパーの品ぞろえを見て、アレがあったらな、と思うことがある。

仕入れ先や旬を度外視して自分の好きなものだけを並べられたらいいのに。

いや、なってしまえばいいんだ。心の中で。

イマジナリースーパーの店主となったら絶対に置きたい食材を自由に考えてみました。

近所のスーパーが改装をした

スーパーのレイアウト、果物から始まるのって何なんでしょうね

よく行く近所のスーパーが改装をして、品揃えが豊富になった。なぜかいつもからすみを置いているし、見たことのない輸入品バーベキューソースのようなものがいくつも並んでいる。

そんななか筆者の目を見張った食材が、生の穴子。

チルドの煮穴子はどこのスーパーもよく売ってくれるが、生の穴子はなかなかない。

リニューアル当日に「穴子」というネームプレートを見てうれしすぎて4パックほど購入した。

しかし売れ行きがあまりよくなかったのか、1か月ほどで姿を消してしまった。毎日買えばよかったと強く後悔した。

地元で手に入らない今、穴子が食べたいときは鎌倉の魚屋さんまで足を運んでいる。

一人の穴子好きの客のために常に穴子を仕入れることはむずかしい。

でもイマジナリースーパーであればそれができる。

長くなりましたが、これが今回「イマジナリースーパー月餅」を開店するにあたった経緯である。

毎日生穴子を用意してあなた様のお越しをお待ちする、スーパー月餅へ、ようこそ。

マンゴーと一言でくくれないこだわりがある

果物の中でマンゴーがダントツで好きだ。

春から夏にかけてが旬なので、今まさにこの季節、マンゴーを食いだめしているところだ。

スーパーを経営するうえで、マンゴーは絶対に欠かせないと思っている。

ただマンゴーと一口に言ってもいくつか種類がある。

スーパーにありがちな輸入マンゴー(筆者調べ)
※ペリカンマンゴーとマハチャノ種は別という意見も。カテゴライズには諸説あります。

筆者が好きなのはナムドクマイマンゴー。

まろやかで容赦ない甘みとなめらかな口当たりで、人類の欲望の結晶を食べているな、という感慨深さに浸ることができる。

毎回スーパーに行くたびにナムドクマイあるかドキドキしているが、どうやら初夏がピークのようで夏本番に入るとほとんど見ることがない。

ナムドクマイと入れ替わるように夏に並ぶのがアップルマンゴーだ。

果肉が多くてたくさん食べられるからうれしい。でも3つに1つくらい結構な繊維を感じる個体にあたる。歯に挟まるので一人で食べることをおすすめします。

スーパーの経営者になった暁にはナムドクマイを常に切らさず置いておく。

フルーツがある生活を一人でも多くのお客様に楽しんでいただけるように価格も勉強させていただきます。あと生のライチも置きます。一目置かれまくり!

「麦とホップこそがビールになってしまった」

こんな調子でDPZライターのみなさんにもスーパー月餅に置いてほしい商品を聞いてみたところ、思い思いのこだわりや要望をぶつけてくれた。リアルお客様の声だ。

まずは編集部・古賀さんからのお声。

どうしてもサッポロの第三のビール「麦とホップ」をお願いしたいです。
あれ、単純にすごくおいしくないですか? あんなにビールらしい第三のビールないと思うし、そう思って祈って願って飲み続けているうちにわたしにとっては「麦とホップ」こそがビールになってしまいました。

しかしいまや近隣のスーパーはどこもサッポロの第三のビールは「ゴールドスター」ばかりです。「ゴールドスター」はほぼ「麦とホップ」なんですが、でもやっぱりちょっと違う(そりゃ違うから別の商品なのであり~)、「麦とホップ」をお願いしたいんですよ。

「麦とホップ」が置いてあるスーパーがあったら酒主任にありがとうを直に伝えるつもりです。できればレギュラー缶のほかに赤いやつも置いてくださいお願いします。

 

筆者の近所のスーパーにありました。酒主任ありがとうございます!

イミテーションなのに口にしているうちにそれこそが自分の中の「ほんとう」になってしまうの、すごくよくわかる。我が家の肉じゃがは豚こそが本物だ。

大切なお客様が本物と信じているものをなくすわけにはいかない。

というわけでこちら、スーパー月餅に陳列いたします!

梅シロップを「買うもの」にしたい

続いてライター・まこまこまこっちゃんさん。

梅シロップって売ってないですよね?
先日、梅の実を砂糖と一緒に漬けてシロップをつくりました。炭酸で割って毎日飲んでいるんですが、もう今年作った量の半分を飲んでしまったので、なくなるのがこわくてペースダウンしています。買ってきてもいいなと思ってスーパーに行ってみるんですが、そういえば置いてません。置いてください。

梅シロップ、そういえば見たことない。

近所のスーパーを何軒か確認したけどやはり置いていなかった。

梅の実とガラス瓶が売っているのは見たことがあるので手作り前提なのかもしれない。そんなあ。

ノンアルコールの梅酒であればそれにあたるのかもしれない。当店はこちらを販売する形で対応したく存じますが、まこまこまこっちゃん様、いかがでしょうか。

置いてそうで置いてないサントリー「Gokuri」

飲料つながりの最後は高瀬さん。

サントリー「Gokuri」のグレープフルーツ味をお願いしたいです。果肉がいっぱい入っていて美味しいのと、パッケージの見た目がさわやかなのとで、天気がいい休日のお昼に飲みたいものNo.1です!

近所のスーパーはずっと置いてくれていたのですが最近なくなってしまい、嘘!?と思って3回確認しましたが本当でした。休日の爽やかさが足りないので、ぜひお願いします。

Gokuri、見たことある!絶対あったよ!!とスーパーを駆け巡ってみたのだが、筆者の近所にも見当たらなかった。見た自信があったのに……

Gokuriって昔からありますよね。2002年発売らしい。あの頃のジュースってすごく魅力的だ。フキゲンが好きでした。

最近は桃やぶどうがあるようだ。絶対においしい。3つまとめて取り扱います!

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最高の和菓子シリーズ「信州づくり」

今回かなり魅力的だったのがぬっきぃさんからのご意見。

『信州づくり』という和菓子シリーズがとても美味しいです。普通に和菓子屋さんの味です。特におすすめは、あんドーナツです。ですが、なかなか見つかりません。

スーパーの商品なのか、公式サイトには塩こしあんもち、あんドーナツ、あん団子、揚げ餅…などなどラインナップがありません…

なんてローカルな情報。写真も送ってくださった。

こんなの絶対においしいじゃん……

原材料に保存料は見当たらないし、公式サイトでは浅間山の湧き水を主体とした水道水を使っていることを推している。強いこだわりを感じる。

「田舎揚餅」という名前も最高である。こんなのスーパーにあったら毎日買っちゃう。

しかし長野からできたての和菓子を仕入れるのはきっと大変だろう。

「毎週火曜日は信州づくりの日」みたいにしてなんとか取り扱えるように頑張ります。

ポストたべっこどうぶつ・サク山チョコ次郎

同じくお菓子関係でべつやくさんから。

サク山チョコ次郎というお菓子があるとうれしいのですが、なかなかありません。

チョコレートとビスケットが合わさったお菓子で、好きなのですがなぜかサミットにしかないのでもっと気軽に買いたいです。

サク山は味もおいしいのですがビスケット部分にサク山語みたいなのがひとこと書いてあっておいしいうえに楽しいので、どこのスーパーでも買えるようになってほしいです。

お笑い芸人みたいな商品名だ。べつやくさんが同僚みたいに「サク山」呼びしているのがいい。

恥ずかしながら初めて知ったのだが、近所のスーパーにもあった。

ファミリーパックで売っていた。パッケージ7割をサク山が占領。
チョコ一面にサク山。
日本語に「チョ」を組み込むのがサク山語。字がかわいい。

味は軽めなアルフォートのよう。パクパク食べてしまう。

たべっこどうぶつのように子供がよろこびそうなお菓子だ。

サミット以外のスーパーにも置いてくれたらいいのに。たべっこどうぶつから圧力がかかっているのかもしれない。

おいしいのでもちろん置きます。小分けもあるようなのでレジ横に配置します。

求めることがだんだんカルディへ近づいてくる

こちらはほりさんからいただいたご意見。

デリーのレトルトカレーが置いてあるスーパーはテンションが上がります。めちゃくちゃ美味しい。

これが置いてあるかどうかが自分の中で「このスーパーは信頼できるか」の一つの指標になっています。

語りすぎない引き算のパッケージから味の良さが想像できる。これが置いてあるスーパーはたしかに「やるな」と思ってしまいそう。
サラサラのルーでかなりスパイシー。これはめちゃくちゃおいしい。採用です。

3軒ほど回り、北野エースにも行ってみたが、地元でカシミールカレーを見つけることはできなかったのでネットで注文した。ほりさんの信頼に足るスーパーがない街に住んでいる。

なんとなくカルディに売ってそうだ。質の高い商品を求めると最終的にカルディに行きつくのかもしれない。

実際、こーだいさんからはカルディで扱っているというテリーズのオレンジチョコを置いてほしいとの声をいただいた。

テリーズの房ごとに割れるオレンジチョコを置いて欲しいです。

20年以上前に叔父がアメリカで買ったきたのをお土産にもらって以来大好きなんですが、最近カルディでも扱い出したとは聞いたもののなかなか売っていません。

これです。みたことないですか?
軽くテーブルに叩きつけると房ごとに割れる。オレンジの風味がしておいしい。

これが普通のスーパーに売っていたら確かにうれしい。一方でそこはかとないカルディ感が漂う。カルディを経営する線もありな気がしてきた。

最高のカルディ兼スーパーを目指して

歯ごたえがよくて小ぶりなピクルスや、おいしいリコッタチーズがほしいとき、カルディに行く。ロータスのビスケットや手ごろでおいしいワインを求めるときもだ。

結局おいしいものはカルディに集まる。すべての道はカルディに通じる。

江ノ島さんからは大粒の高級黒豆納豆ふくやの激辛を超えた明太子を要望された。

実際にはおそらく置いてないけれど、なんとなくカルディにありそうである。

目指すべき道が見えてきた。生鮮食品を取り扱うカルディのフランチャイズ加盟店だ。

第三のビールを置き、ローカルな和菓子を売ってくれるカルディ。

あったらうれしい。住んじゃう。カルディさん、是非ともご検討ください。

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