再開発中のお台場がすごいことになっている!〜さよならボクらのカルカル

デイリーポータルZ

東京カルチャーカルチャーがあったお台場・パレットタウンが〝無〟になりかかっています

デイリーポータルZや、ライター個人のイベントをいっぱい開催していたお台場・東京カルチャーカルチャー。

お店自体は2016年、渋谷に移転しましたが、その後、跡地はどうなっているのか、うっすら気になっていました。すると、お台場カルカルがあったパレットタウン全体が、再開発で解体されてしまうとのこと。

最後に、カルカル店長・横山さん、デイリーポータルZウェブマスター・林さんと一緒に思い出の地を訪れてきました!

1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。(動画インタビュー)

前の記事:校門前に来ていた謎の物売りのおっさん

> 個人サイト Web人生

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いや、お店自体は渋谷に移転して今もバリバリ営業中なわけですが……。

とにかく、2007年8月にお台場でオープンして、2016年12月に渋谷に移転するまで、観覧車の真下、Zepp Tokyoの真上という、好立地なんだか悪いんだかよくわからない場所で9年間営業していました。

カルカルは、デイリーポータルZのイベントや、ライターの個人イベントなどを多数開催する、オレたちのホームグラウンドだったわけです。

で、最近話題になっていましたが、カルカルのあったお台場のパレットタウン一帯が再開発されることになり、一帯が丸ごとなくなっちゃうらしいんですよ。

……ということで最後に、思い出深いお台場に行ってきました。

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そもそも、カルカルとデイリーポータルZとの関係。ボクと横山さんの関係がよくわからない人もいるかと思いますので、軽く説明しますと……。

カルカルとデイリーポータルZは運営会社が一緒で、ニフティ→イッツ・コミュニケーションズ→東急メディア・コミュニケーションズと、デイリーポータルZの運営会社がコロコロ変わるのと一緒に、カルカルも流れ流れてきている運命共同体なのです。

そして、ボクと横山さんの関係は。もともと二人ともロフトプラスワンという新宿にあるライブハウスで働いており、横山さんはそこをやめてニフティに入社、カルカルをオープンして店長に。で、ボクもやめて、なんだかんだあって今、デイリーポータルZでライターをやっているわけです。

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そもそも、どうしてお台場でトークライブハウスを開こうと思ったんですか? さんざん、遠い遠いと言われてましたけど。

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ロフトプラスワンをやめて、店を作るためにニフティに入社したはいいけど、全然物件が見つからなくて……。1年半くらい、ずーっと物件探しをしてたんだよ。

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大塚の座敷がある変な物件とか、原宿の家賃がメチャクチャ高い物件とか、いろいろありましたよね。

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そうこうしているうちに、社内では大森(当時、ニフティのオフィスがあった)に作ろうなんて話も持ち上がって、ヤバイなぁ〜と思い。そんな中、Zepp Tokyoの上にあったレストランが出ていって空いているという情報が入ったんだよね。しかもこの辺は、東京オリンピックが決まったらすぐに再開発がはじまるから、2年限定という約束で家賃もメチャクチャ安く貸してもらえるという話になって。

※当初、東京都は2016年のオリンピック開催を狙って招致活動をしていたが、2009年の会議でリオデジャネイロに敗れている。 

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結局、そのときはオリンピックが決まらず、2020年のが決まったときには不景気になって再開発するという話も消えてちゃって、2016年までダラダラお台場にいることになったんだけど。

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じゃあお台場に作ったのはいいとして、どうしてあんな変な場所にステージがあったんですか?

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会場が横長すぎて、ステージ前に3人くらいしかお客さんがいないから、笑い声が遠くて心配になるんですよね。あそこでやってたおかげで、どこでもしゃべれるようになりましたよ。

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ステージをどっちかの端に作って縦長に使うという考えもなくはなかったんだけど、厨房を作り直す金も、トイレの場所を動かす金もなかったから、ステージの場所はあそこしかなかったんだよね。

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あの、妙に広い楽屋スペースって、もともとは何に使っていたんですかね?

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あそこはレストラン時代、VIPルームだったらしい。吉川晃司とかコーネリアスのサインがあったもん。

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レストラン時代に飾られていた有名人のサイン

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そんなオシャレな店だったはずなのに、カルカルが入る直前にはしょぼくれた店になっちゃってて、イタリアンをやっていたのに「和食はじめました」みたいにな(笑)。外に飾ってある「今日のランチ」っていうサンプルをカラスが食べてたよ(笑)。

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最後、食べ放題の店になってましたよね。

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たぶん、最初はオシャレな店だったんだと思います。

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いい場所で家賃も安いのに、どうして誰も借りないのかと思ってたんだけど、入ってから気付いたよ。音なんだよね。下のZepp Tokyoで爆音のライブがやっていると揺れるんだ。

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東日本大震災の後、揺れに対して敏感になっている時期に、あの揺れが来るとキツかったですねぇ。

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お台場時代、一番覚えているイベントは何ですか?

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「ヘボコン」と「地味ハロウィン」かな。1回目の「ヘボコン」は最高傑作だと思ったよ。「地味ハロウィン」も、みんなとりあえず集まってくるけど何していいのかわからないイベントって最高だなーって。あとは「リアル脱出ゲーム」とか……。新しい文化が生まれる瞬間に立ち会った感動があったね。「これで天下が取れる!」って思ったもん。

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「リアル脱出ゲーム」は天下を取りましたけど、カルカルは取れなかったですね……。それじゃ逆に、一番怒られたイベントは?

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イベントというか、ステージで寝ちゃったのが……。

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(笑)それはイベント以前の問題ですよ。

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物件探しに苦労してたんで、お店が完成するまで酒をやめてたんだけど、オープンできたのがうれしくていきなり飲んだらメチャクチャ酔っぱらっちゃって。

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オープニング3DAYSの西原理恵子さんの日にも、ベランダで酔い潰れてましたよね。

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こけら落とし2日目。西原理恵子&ゲストにみうらじゅん、藤子不二雄Ⓐという超豪華なイベントで酔い潰れるとは……(ボクも見てました)

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あとは、ベランダにひさしがあったでしょ? あれ、閉店時にたたんでおかないと、雨が降ったら水がたまっちゃうんだよ。ある日、たたみ忘れて帰ったら、メチャクチャ水がたまっておむつみたいになっちゃって。下のライブの物販にかかって結構な額を弁償した……。

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そんなムチャクチャな運営で、よく店が潰れなかったですね!

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Zeppと間違えて入って来る人も多かったね。

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ああ、下のZepp Tokyoと間違えてるんだったらいいけど、Zepp DiverCity(※)の方と間違えて来ちゃったら大変でしたよね。

※お台場にもう一個あるZepp。カルカルから小走りで10分強はかかった。 

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オレが日本で一番、Zepp DiverCityの場所を案内した人間だと思うよ。まあ、屋根にでっかく「Zepp Tokyo」って書かれているんだから、間違えるなという方が無茶なんだけど。

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昼間、何にもやってないのはもったいないからカフェ営業をやろうっていって、変な映像をかけていたときもありましたね。

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夏だったからカフェ営業中、涼しい映像を流そうと思って買って来たのが魚介生物の生態を紹介する真面目なビデオで(笑)。涼しいは涼しい映像なんだけど、「伊勢エビ」とか「フグ」とか出てきて。

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海に棲む地味な生き物が次々出てきて……「サバ」とか(笑)。あの映像を見ながらスパゲティ食べていると、不思議な気分になるんですよ。どうしてカルカルってああなっちゃうんですかね? 空いている昼間、カフェ営業をやろうという普通のことをやりたいだけなのに、コント空間になってしまうという。

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ロフトプラスワン時代から、イベントを運営するのはうまかったんだけど、別に店を作ったことがあるわけじゃないから、何にもわかってなかったんだよね。

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横山さん、いまだに課長と部長どっちが偉いかわからなかったりとか、社会人として大切なことがスッポリ抜け落ちていますよね。

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「ネットとリアルを結ぶトークライブハウス」といって店を作ったのに、だいぶ後になるまでネット回線がADSLだったし!

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そんな店が潰れず、今でも渋谷でちゃんと営業できているのは奇跡ですよ!

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建物ごとなくなるインパクトはでかい!

仕事をしていた店が閉店しちゃうとか、移転しちゃうとかは結構ありがちですが、それでも普通は入居していた建物は残っています。

お店が入っていた建物。それどころか周辺の街全体がなくなってしまうというのはかなりのインパクトで、まあまあ切ない気持ちになってしまいました。

最後に残ったお台場の観覧車も、8月31日で営業終了。この記事が公開された当日に急いで行けばまだ間に合う! 〝無〟と化しつつあるパレットタウンを見ることができる貴重な機会なので是非!?

……というか、今でも渋谷で元気いっぱい営業している東京カルチャーカルチャーにみんな行こうぜ!

https://tokyocultureculture.com/

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