得てして人は褒められると嬉しいもの。「字がきれいだね」「歌が上手だね」「その髪型似合ってるね」などと褒められると、無条件で嬉しくなってしまう。
一方で、シャイな気質とされる日本人は褒めることがあまり上手ではない。「というか、褒めるのが上手ってなに?」と思ったそこのあなた。例えばアメリカ人は、サラリとこんな感じで褒めてくれるのだ。
・シアトルでのこと
つい先日まで、私、P.K.サンジュンは3年ぶりの海外旅行へ出かけていた。場所はアメリカのシアトル。現地在住の日本人の友人と行動することが多かったため、アメリカ人と触れ合う機会はさほど多くなかった。
……が、ソロ活動していたわずかな時間でも、この旅で私は2度見知らぬアメリカ人から褒められた。仮に1日でも街中をブラブラしていたら、10回くらいは褒めてもらえたのではないだろうか?
1度目は、私がポケモンGOをプレイしつつ、シアトルのダウンタウンを闊歩していたときのこと。工事現場のおっさん(南米系でたぶん40歳くらい?)が、私の着ているTシャツを指さし「Nice Tshirt!」と声をかけてきたのだ。
私が着ていたのはアメリカ発祥のタコス店「クロニックタコス」のTシャツ。……が、まさか見知らぬ工事現場のおっさんからTシャツを褒めてもらえるとは思わず、上ずった声で「Thank you!」と返事をした。そして超ウレPかった。
・いきなり褒めてくれる
2度目はこちらもポケモンGOをプレイしている最中。あまり人気(ひとけ)の無い道端で、段差に腰をかけて休憩していると、ご婦人(白人で50歳くらい?)が「You’re shoes is so cute!」と発しつつ、至近距離まで接近してきたのである。
メガネをかけていたそのご婦人は、メガネをクイッと直しつつ「KEEN?」とロゴを確認。私が「Yes,KEEN!」と返事をすると、もう1度「So cute!」と言いながら、手を振って去っていったのであった。悪い気はしない……どころか、超ウレPかった。
日本でTシャツや靴が褒められることなど滅多になく、44年の人生でも片手で数えられる程度。……が、アメリカではわずか数時間で2度も褒められてしまった。アメリカ……めっちゃええ国やん。本当に素敵やん。
・誰も損しない
ちなみに友人によると「基本的にシアトルの人はクールな人が多いから、そういうのは少ない方だよ。多いのはカリフォルニアとかだね。もうね、しょっちゅう声かけてくるし、四方八方から褒めてくれるよ」とのことであった。
……余裕があるなら今すぐカリフォルニアで余生を過ごしたいところだが、とにかくアメリカの「ちょっとしたことでもすぐに褒めてくれる文化」は最高だ。というか、全然悪い気しないもんね。だし、誰も損しないもの。なんなら全員ハッピーだよ。
じゃあ私が「日本で誰かを褒めまくろう!」と思ってところで、実際はなかなか難しいハズ。タイミングやその場の雰囲気はあるにせよ「不審者だと思われないか?」と頭によぎってしまう。それなりに社交性が高く、まあまあ図太い私でもこうなのだ。アメリカの些細なことでもすぐに褒めてくれる文化、マジで憧れます。
まあ、日本にも素晴らしい文化があるので「アメリカだけが最高ォォオオオ!」とは言わないが、少しくらいは褒めてくれる文化があってもいいのにな、とは率直に思った次第である。100年後……いや、200年後の日本では……いや、たぶん無理かな?
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.