ホルモン揚げちゃいました。
広島にはお好み焼きや広島つけ麺、もみじまんじゅうなどおいしいものがたくさんある。それだけでも十分なのに聞いたことがない天ぷらがあるという。
それがホルモンの天ぷらだ。どんなものかを知りたいので食べに行くことにした。
広島に住むライターに聞いてみる
1年ほど前に結婚を機に引っ越したライターの北向さん。1年あれば色々な食べ物を食べただろう。そうだ、せっかくだから広島を案内してもらおう!と思い、「今度、広島に行くのでご飯に行きましょうよ。」と聞いたら「いま、東京に出張していていないんですよ」と言われて、記事の構成がくずれた。くずれさせないでほしい。
なのでチャットで聞いてみた。
江ノ島: 広島ってホルモンの店が多いですか?
北向 わからん…1年間あまり外食してないのでかなりわからないんですよね…家でピザばかり食べてます。
江ノ島 ピザおいしいからなー(この回答がきたとき、この記事終わったなと思った)
北向 いや、やっぱりホルモン屋さん多いですね。東京でホルモン屋とかあまり見かけないじゃないですか?
江ノ島 東京は確かにホルモンを打ち出しているお店、少ないかも。
北向 でも、広島は「ホルモンをどうにかしよう」という熱意を感じます。いろんな手法で美味しく食べよう、という熱。味付け、揚げたり、焼いたりと色んな工夫で食べる気がします。
江ノ島 ちなみに家でもホルモンを食べますか
北向 我が家に限った話で言えば食べないですね…ただ、豚のホルモンを揚げて干した「せんじがら」というお酒のアテはわりと好きです。が、メーカーによって当たり外れがある気もします。
たまに東京のコンビニなどで見かける「せんじがら」。かなり塩が効いており、歯ごたえがすごいやつだ。広島には色々なメーカーのせんじがらがあるらしい。
色々と聞いたがどんなものがあるかを知りたい。そこで広島へ実際に行ってみることにした。
広島はホルモンにあふれている
広島の町を歩くと様々な場所でホルモンを使ったランチやおつまみを提供しているお店を見かける。
お店意外にもスーパーには色々な種類のホルモンが売られていたりと町中にホルモンがあふれている。
そんな中、気持ちをつかまれたお店がある。
行列ができているのでメニュー表を見ると、麻婆豆腐の下に見慣れないメニューがあった。
麻婆豆腐にホルモンって入れていいのか。いいんだよな。どんなものか食べてみたいので列に並ぶ。
ご飯が「昔話か?」と思うほどの量でびっくりした。そして、この麻婆豆腐である。いっけん普通に見えるが中にはホルモンがたっぷりと入っている。
麻婆豆腐はしびれて辛い四川特有の味だ。花椒のしびれるさわやかな風味とラー油の辛うまさが口の中をかけめぐる。
そんな中、ホルモンからじゅわっとあふれた脂がなんとも甘い。うわ、辛い。
ごはんのおかわりをしようか迷ったが、夜にお好み焼きを食べる予定だったのでやめておいた。だが、このとき彼は知らなかった。どこのお好み焼き屋も大行列で心が折れて、そのままホテルでカップラーメンを食べることになることを。
せんじがらを食べてみる
ホルモンの天ぷらは広島駅から少し離れた福島町界隈で生まれた料理で、ここの辺りにはホルモンを提供するお店が数多く存在している。
タクシーの人に聞いたところ「ふくもと食堂の牛のせんじがらは食べて欲しい。一般的なせんじがらは豚が多いんですけど固い。牛は歯ごたえはありますが柔らかくておいしい。食べてみて」
と言われたので牛のせんじがらを食べにきた。
店内でも食べられるがテイクアウトもしている。店内ではでんがくうどん(色々なホルモンの部位が入ったうどん)、そして、ホルモンの天ぷらが提供されている。
ホルモンの天ぷらは自分で取って、あとで清算するシステムだ。丸亀製麺と同じ。
色々とあるがせんじがらを食べてみよう。購入して、外で食べてみる。
コンビニで売っているものよりも揚げ物が強い。鶏皮フライのようにも見える。ビールを買おうか迷ったがべろべろになったら怖いのでやめた。
買ったものを公園で食べてみた。どんな味なのだろうか。
食べてみるとこれはごはんのおかずじゃない、おつまみ専用の食べ物だ。じゅわっと脂が出てきたところに塩辛さがガツンと来る。そこにビールを流し込んだら、今日あった悪いことなんて全部ふっとぶと思う。
また、歯ごたえがすごい。ずっとかんでいられる。タクシーのドライバーの人が言うには「豚はゴムみたいな感じだが、牛のせんじがらは肉の食感を味わえる。でも、豚のせんじがらもうまいんだよな」と言っていた。クセになる食感らしい。
これがホルモンの天ぷらだ
そして、今回のメインであるホルモンの天ぷらを食べよう。
かなりの人気店で予約でいっぱいらしく、今回たまたま入ることができた。この後、並ぶ人もいたので本当に運がよかった。
ヤオギモやガリなどは珍しい部位でおすすめらしい。いくつか頼んで待つ。
部位を見ながら待っているが、テーブルの端に気になるものが置いてある。包丁とトングだ。何に使うのか。牛角の壺漬けカルビとかこんなのついてくる気がする。牛角に最近行ってないのでちょっと忘れてしまったので今後行って確かめてきます。
しばらく待っているとやってきた。
見たことない見た目の天ぷらがやってきた。でも、でかいな。一口で食べられるのかと思っていたが「大きいので包丁で食べやすい大きさに切って食べてみてください」とのこと。だから、包丁とかあるのか。
部位によって食感が違う。ヤオギモはレバーのような感じだ。ガリはのど軟骨でコリコリした食感が楽しい。他の地域では見ない部位だ。
神奈川県の厚木市でもシロコロホルモンと呼ばれるホルモンのB級グルメで、提供されているのはマルチョウ(小腸)やシマチョウ(大腸)などが多い。
地域によって提供される部位が違うのは楽しい。
酢醤油に唐辛子をいれたタレで食べるのが一般的だ。天ぷらに酢醤油って合うのかと思うだろうが、天ぷらの油っぽさが酢醤油でさっぱりしてかなり合う。あと、天ぷらって高級な感じがするが、こうやって食べると庶民の味になって親近感がある。
ホルモンの天ぷらは小料理屋や個人経営のお店、焼肉屋でも提供しているお店が多い。でも、福島町にあるこちらの店やせんじがらを買ったふくもと食堂だと、包丁で切る体験ができるのでおすすめです。
失敗しなかったのでよかった
北向さんにインタビューしたとき、ホルモンの天ぷらを食べに行こうと誘ったが予定が合わなかった。その一部始終を掲載してお別れです。
江ノ島 今回、本当は一緒にホルモンの天ぷらを食べに行こうと思っていたんですけど、食べたことあります?
北向 すみません、まったく知りませんでした…。
江ノ島 じゃあ、行きましょうよ
北向 来週、帰るのでそれまで待っていてください
江ノ島 撮影失敗したらまた来週来るから…