いまではフライドポテトや唐揚げ、枝豆、プリン……などなど、回転寿司のサイドメニューは多岐にわたるが、昔の回転寿司ではさほどサイドメニューが多くなかった。そんな中、昔からどの回転寿司にも絶対にあったのが「味噌汁」と「茶碗蒸し」である。
スシロー・はま寿司・くら寿司・かっぱ寿司の中で1番ウマいネタを探す「4大回転寿司ガチ食べ比べ」の第21回は “元祖サイドメニュー” の一角から「味噌汁編」をお届けしたい。
・あおさはニューフェイス?
記憶が曖昧で申し訳ないのだが、今から30年ほど前の回転寿司では「あおさの味噌汁」がさほど多くなかった……気がする。味噌汁は「あさり」「しじみ」「あら汁」あたりが定番で、あおさの味噌汁がここまで普及したのはここ10年ほどではなかろうか?
……が、あおさのポテンシャルは非常に高く、お客さんは美味しく、店側も手軽に調理できる食材なのだろう。今では「回転寿司の味噌汁 = あおさの味噌汁」と言ってもいいくらいの定番メニューと化している。
・1日で食べ比べ
さて、調査方法はいつもと同様で1日(実際は3時間程度)で4つの店舗をハシゴした。短時間のうちに食べ比べをすることで、味の違いを感じ取るためである。なお、訪れた店は「かっぱ寿司」「くら寿司」「はま寿司」「スシロー」の順番だ。
普通に考えて「おいしくない味噌汁」自体が存在しないため、ジャッジはかなり難しいと思われる。また「あおさの味噌汁」で店ごとの個性は出るものなのだろうか? 結果はというと……。
・かっぱ寿司の「あおさの味噌汁(220円)」
4店舗の中で最高額となる220円の味噌汁であったが、その分あおさはメチャメチャ入っていた。「最後の一滴まであおさがいる」と言ってもいいだろう。味的にはやや塩分が濃いめだが、普通に美味しい。とにかくあおさの量が印象的。
・くら寿司の「あおさ入り味噌汁(199円)」
三つ葉の香りが上品で、カツオ出汁も非常に上品な一杯。塩分が控えめなところに「うちは出汁がウマいので」というプライドを感じた。あおさの量はかっぱ寿司ほどではないが、味噌汁としての完成度、また純粋はウマさでは一歩リードか。
・はま寿司の「あおさみそ汁(110円)」
注目は4店舗でもっともリーズナブルな「110円で提供している」ということ。その分、あおさの量はさほど多くなかったが「とりあえず味噌汁があればイイ」という方にとって110円はかなりありがたいのではなかろうか? 塩分は控えめの優しい味噌汁。
・スシローの「あおさの味噌汁(198円)」
塩分はやや控えめで出汁も美味しいが、あおさの量はさほど多くない。単体で見れば普通に美味しい味噌汁であるが、他店と比べるとやや中途半端な感は否めなかった。あおさで勝負するのか、値段で勝負するのか? スシローらしい、アグレッシブさが感じられなかったのは残念。
・意外と個性的だった
当初の予想通り、おしくない味噌汁は無かった一方で、各店ともにそれなりに個性は見受けられた。味ならくら寿司に軍配が上がり、あおさの量ならかっぱ寿司、コスパならはま寿司、スシローがやや中途半端といったところだろうか?
ちなみにくら寿司は「茶碗蒸し」もかなり美味しかったので、もしかしたら出汁に相当な技術がある……のかもしれない。寿司ネタではやや苦戦している印象であるが「くら寿司は出汁がウマい」と覚えておくのも良いハズだ。
というわけで、意外にも各店の個性が光った「あおさの味噌汁」編。食べ比べてみないとわからないことがあるなぁ……と、改めて感じた次第だ。次回は貝類から「白つぶ貝編」をお届けする予定になっている。続報を待たれよ。
参考リンク:スシロー 、 はま寿司 、 くら寿司 、 かっぱ寿司
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.