カリフォルニア・アーモンド協会と マイティ・ソー の関係:「コンテンツをオーディエンスにとって魅力的にしたい」

DIGIDAY

1955年に設立されたアーモンド生産者を支援する非営利団体カリフォルニア・アーモンド協会は、より多くのミレニアル世代や若年層に、アーモンドを健康食品として見てもらいたいと考えている。このターゲット層にアプローチするため、同協会はマーベルと提携し、2022年7月8日に公開された「ソー:ラブ&サンダー」に合わせて、新しい広告を展開した。

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「マーベルが私たちのところに話を持ちかけて来たときに、同社が抱える全体的なオーディエンスを調べたところ、確かに私たちのターゲットであるミレニアル世代のスイートスポットに合致していた」と、カリフォルニア・アーモンド協会でグローバル市場開発担当バイスプレジデントを務めるエミリー・フリーシュマン氏は、マーベルのコアなオーディエンスと協会がターゲットにしているオーディエンスについて述べた。

アーモンドがいかに健康に良いかを伝えるだけでなく、視聴者の興味を引くような皮肉とユーモアを交えた表現も取り入れたカリフォルニア・アーモンド協会の「ドゥー・ユー・アーモンド(アーモンドしてる?:Do You Almond)」キャンペーンを見たマーベルは、「ソー:ラブ&サンダー」のストーリーと連携させるアイデアを協会に持ちかけた。広告は、Facebook、TikTok、Twitter、インスタグラムなどのSNSや、YouTube、Huluなどの動画配信プラットフォームに表示される。これにより、ターゲット層が最も長い時間動画を視聴するこれらのチャネルを通じて、同協会は彼らにリーチできる。

「この動画が消費者の注目を集めることで、アーモンドは栄養価が高く、人々の健康維持に寄与できる優れた食品であるという認識が広まればと、我々は期待している」とフリーシュマン氏は話す。この動画スポット広告は、両ブランドとエージェンシーのスターリングライスグループ(Sterling Rice Group)およびポーターノヴェッリ(Porter Novelli)による共同の取り組みだ。

キャンペーンの最重要メッセージ

キャンペーンの目的は、アーモンドが健康を増進する信頼性の高い食品であると強く印象づけることだ。特に、アーモンドは栄養が豊富な上、毎日の食事に簡単に取り入れることができ、消費者の健康における目標達成を大きくサポートしてくれるという趣旨が、キャンペーンを通じて伝えたい最重要メッセージだ。

「アーモンドを食べることと、スーパーヒーローのパワーを関連付けることは、若い消費者にアーモンドを食べることを奨励し、ワクワク感を覚えてもらうための実に賢い方法だ」と、UGCマーケティング管理プラットフォームであるエントライブ(EnTribe)のCEO兼創設者のアダム・ドーンブッシュ氏は語る。

「これは、健康食品およびアーモンドに対する見方を変える明確な取り組みだ。カリフォルニア・アーモンド協会はエンターテイメントを活用して、健康を大衆化し、健康的な習慣の取り入れを増やそうとしている」と、メディアハブ(Mediahub)のコミュニケーションプランニング部門でエグゼクティブ・バイスプレジデント&グローバルヘッドを務めるバレリア・マレス氏は述べる。

フリーシュマン氏が予算全体の明細を公開しなかったので、カリフォルニア・アーモンド協会の広告予算がどの程度このキャンペーンに割り当てられているかは、今のところ不明だ。カンター(Kantar)によると、同協会は2021年にマーケティング活動のために3万7000ドル(約481万円)近くを費やしているという。

フリーシュマン氏は、動画配信とSNSへの支出はほぼ同額だと話す。前出のように、協会の広告は動画配信プラットフォームだけでなく、YouTube、Twitter、インスタグラムなどでも見ることができる。ただし、これらのあいだでどのように予算が配分されたかについては、フリーシュマン氏はその情報を開示しなかった。

増えるエンターテイメントとの提携

マーベルのようなエンターテインメント・フランチャイズと提携するというやり方は、マーケターのあいだでどんどん普及している。以前DIGIDAYが報じたように、リバティミューチュアル(Liberty Mutual)、ブッシュミルズ(Bushmills)、ブッキングドットコム(Booking.com)は最近、ブランドの認知度を高めるためにエンターテイメント・フランチャイズと提携して共同マーケティングを行っている。

「結局のところ、一番重要なのはコンテンツだ。そしてブランドは、そのパートナーシップに関連して作成されるコンテンツを、オーディエンスにとって魅力的なものにしなければならない」とマーケティング・コミュニケーション企業であるキャンベルエワルド(Campbell Ewald)のアソシエート統合ストラテジスト、ジェイレン・カルプ氏は話す。

成長戦略コンサルティング会社プロフェット(Prophet)のパートナーで、テクノロジー・メディア・エンターテイメント部門の責任者であるユーニス・シン氏も、セレブのスターとしての力がキャンペーンのメッセージをいかに高めるかについて、次のように述べている。

「アーモンド協会は、ナタリー・ポートマンとクリス・ヘムズワースというスター性の高いセレブリティを起用したことで、キャンペーンで訴求したいウェルネスメッセージをうまく伝えることができている」。

[原文:‘Hits the sweet spot of our millennial target’: Why the Almond Board of California is partnering with Marvel Studios

Julian Cannon(翻訳:SI Japan、編集:黒田千聖)

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