スノーピーク子会社、「アウトドア会議」ではワクワクとリラックスが同時に得られるとの検証結果 

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「アウトドア会議」の様子

 株式会社スノーピークビジネスソリューションズ(SPBS)は、「アウトドア会議」における効果検証を、前野隆司氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)および井上亮太郎氏(同特任講師)と共同で実施し、その結果を発表した。

 SPBSは、アウトドア製品の総合メーカーであるスノーピークの子会社で、スノーピークのアウトドア製品を用いて、自然の中で会議や仕事を行う施設やサービスを提供。SPBSが提供するアウトドア会議のサービスでは、「屋外会議」を実施するだけでなく、参加者が自ら「テント設営」を行い、夜には「焚火トーク」も開催される。

「アウトドア会議」を実施した13社の参加者にアンケート調査

 今回、効果検証を行なった対象は、4月4日~6月3日にSPBSが提供したアウトドア会議の参加者。13社が利用し、事前調査で276人、事後調査で264人がアンケートに回答した。参加者の現在の気分や状態を把握するため、「感情」「主体性」「関係性」「創造性」という4つの分類で、全15の評価項目について7段階で回答してもらう方式だ。

 具体的には、「感情」の分類としては「ワクワクする」「リラックスする」、主体性では「自分の考え・意見をのべることが出来る」「主体的に参加できている」「自分らしく振舞えている」「自分の感情を適切に表現できる」、関係性では「他者の意見を素直に受け止めることが出来る」「チームの一員だと感じる」「参加者間で意見が活発に交わされる」、創造性では「想像力がかきたてられる」「物事の捉え方が変わる」「発想が広がる」「偏見や先入観なく考えられる」「集中する」「自分自身について客観視できる」といった評価項目がある。

アンケートの実施タイミングと評価項目

 アンケートは、まず、屋内会議の際に実施。その後、アウトドア会議の際にも同じアンケートを実施。さらに全てのプログラムの終了後、「テント設営」「屋外会議」「焚火トーク」の各プログラムで、それぞれ効果が実感できたかどうかを聞いている。

屋内会議とアウトドア会議で「感情」に変化は?

 「感情」の項目のうち、「ワクワクする」にあてはまると回答した人(「とてもよくあてはまる」「ほとんどあてはまる」の合計、以下同)は、屋内会議では35%だったのに対し、アウトドア会議では87%となった。参加者は「開放的な自然の中で話すことで、普段の閉塞的なオフィスでは得られないワクワクや楽しさを感じた」などとしている。

「ワクワクする」の屋内とアウトドア会議での変化

 「リラックスする」については、屋内が30%、アウトドアが81%となった。リラックスした理由としては「開放感を味わいながら、終始和やかな雰囲気で話し合いを楽しめた」「開放的な環境で、集中するときとリラックスするときを上手く切り替えることができた。チームの意見交流も活発だった」などが挙げられた。

「リラックスする」の屋内とアウトドア会議での変化

アウトドア会議では「創造性」などが向上するが、「集中する」のは屋内のほう?

 「主体性」「関係性」「創造性」は「ビジネスにおける人間性の回復に影響すると考える3つの要素」だとしており、「アウトドア会議においてほぼ全ての項目で飛躍的に向上した」という。

 「主体性」の項目のうち、「自分の考え・意見をのべることが出来る」にあてはまるとした人は、屋外が47.1%、アウトドアが73.9%。「主体的に参加できている」は、屋内が44.2%、アウトドアが78.4%。「自分らしく振舞えている」は、屋内が42.4%、アウトドアが78.4%。「自分の感情を適切に表現できる」は、屋内が40.2%、アウトドアが72.3%。いずれも、アウトドア会議が屋内会議を上回っている。

主体性に関する項目の屋内とアウトドア会議での変化

 「関係性」の項目のうち、「他者の意見を素直に受け止めることが出来る」は、屋内が64.9%、アウトドアが79.9%。「チームの一員だと感じる」は、屋内会議が54.7%、アウトドア会議が83.3%。「参加者間で意見が活発に交わされる」は、屋内が43.5%、アウトドアが76.1%。

関係性に関する項目の屋内とアウトドア会議での変化

 「創造性」の項目のうち、「想像力がかきたてられる」は、屋内が34.4%、アウトドアが69.3%。「物事の捉え方が変わる」は、屋内が34.8%、アウトドアが59.5%。「発想が広がる」は、屋内が34.1%、アウトドアが68.9%。「偏見や先入観なく考えられる」は、屋内が37.3%、アウトドアが64.4%。「自分自身について客観視できる」は、屋内が33.3%、アウトドアが53.8%。

 一方で、「集中する」は、屋内が56.9%、アウトドアが54.9%となり、わずかだが屋内が上回っている。

創造性に関する項目の屋内とアウトドア会議での変化

「テント設営」「焚火トーク」も組み合わせると効果が最大に

 アウトドア会議では、「屋外会議」を実施するだけでなく、利用者が「テント設営」を行ない、夜には「焚火トーク」も行われる。これら3つのプログラムについて、終了後、4分類・全15の評価項目について、どのプログラムで効果を実感したかを複数回答可で質問し、その結果を表にまとめている。

 特に効果が高かったのは「屋外会議」で、「主体性」「関係性」「創造性」の項目において、49.6%~73.1%が効果を実感したと答えている。「焚火トーク」は、「感情」「主体性」「関係性」の項目で効果を実感したという声が多い。

 「テント設営」は、「アウトドア会議」「焚火トーク」と比べると、全体的に効果を実感した割合は低いという結果だ。しかし、「ワクワクする」「主体的に参加できている」「自分らしく振舞えている」「チームの一員だと感じる」「集中する」の項目では、比較的、高い割合を示している。

アウトドア会議の各プログラムで感じる効果

 今回の検証結果について前野氏は、「ビジネスに自然を取り入れることの重要な結果が得られたことをうれしく思う」としている。

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