松屋の至宝『ごろチキ』こと『ごろごろ煮込みチキンカレー』がレギュラーメニューになってもうすぐ2カ月が経とうとしている。これにより、かつては絶対に起こり得なかった現象が発生するようになった。そう、松屋内における “ごろごろ” ダブりである。
昨日2022年6月28日、約1年ぶりの復活を果たした『海鮮ごろごろシーフードカレー』もまた、絶対神『ごろチキ』に差し向けられた刺客と考えていいだろう。まあ別にフルシカトしてもいいんだけど、敬虔(けいけん)な『ごろチキ』信者として一応相手になってやるか。
・人気メニューが復活
昨年夏に発売され人気を博した『海鮮ごろごろシーフードカレー』。私(あひるねこ)は未体験なのだが、実際に食べた当編集部の和才によれば「魚介の風味が濃厚で、行列に並んででも食べたい味」らしい。なるほど、かなりウマいようだ。
価格は税込880円で、『ごろチキ(税込630円)』と比べると少々お高めの印象。7月12日の午前10時まではライス大盛が無料のため、ぜひ活用されたし。さて、それでは改めてご紹介しよう。この度『ごろチキ』神に対抗するべく復活を果たした反逆の徒……
『ごろシー』氏である。
・唯一の海鮮系
さすが松屋渾身のシーフードカレーだけあって、魚介の香りがひたすら食欲のツボを刺激する。ルーはサラッとしており、どちらかというとスープカレーに近い印象だ。ふーん。でもまあ、この程度で『ごろチキ』にケンカを売るなんて愚かとしか……
_人人人人人人人人_
> うっま!! <
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・激美味
くっ……! コイツ、めちゃめちゃウマいじゃねーか……!! 芳醇な魚介の風味、その名に偽りなしの “ごろごろ” した具材、分かりやすくパンチの効いた味付け──。ここには「松屋のシーフードカレー」と聞いてユーザーが期待するものがすべて詰まっている。
特に具材の充実ぶりには目を見張るものがあり、エビやイカ、あさりに貝柱といった海鮮だけでなく、ズッキーニ、パプリカ、ナスなど夏野菜も豊富。そのどれもが大きく、食べ応えがあるため満足度も高い。なるほど、昨年人気を博したというのもうなずける。
これには我が信仰の対象たる『ごろチキ』神も、相当な苦戦を強いられるのでは? 不安を覚えつつ食べてみたところ……
勝者『ごろチキ』(即答)。
・秒殺KO
いやね、食べ比べたらハッキリ分かりましたよ。『ごろシー』は『ごろチキ』には勝てないんだと。そもそも同じリングにすら立てていないんだと。どういうことか? 簡単に言ってしまうと、『ごろシー』にはカレーである必然が感じられないのだ。
私は『ごろシー』を食べてウマいと思ったし、それに関して嘘は一切ない。しかし同時に、これがカレーである必要はないとも感じた。海鮮と夏野菜をごろっと使い、にんにくとスパイスを効かせまくったとてもウマい料理。それが『ごろシー』の正体である。
だから別にライスがなくても成立するし(まあ単体だとしょっぱすぎるが)、ワインバルにこの料理があったら喜んで注文しよう。だが、『ごろチキ』はどうだ? 『ごろシー』のようにソロでやっていけるか? 否。『ごろチキ』はどこまで行ってもカレーでしかない。
・『ごろチキ』という生き方
今回食べ比べて改めて思ったが、『ごろチキ』とはライスがあって初めて成立する代物である。チキンもスパイスも味付けもすべてが過剰で、カレーとしてライスと共に生きる以外の選択肢を持たない『ごろチキ』は、しかしだからこそ唯一無二の存在と言えるのではないか。
たしかに『ごろシー』はウマいし、個人的にも好きなテイストではある。しかし『ごろチキ』と比べると、カレーとして生きる覚悟が圧倒的に足りないと言わざるを得ないだろう。両者の差は紙一重に見えるようで、実はスパイスの歴史よりも深かったのである。