名前を書いたグラスやパネルにも萌える–SNSでのファンの「推し活」事情

CNET Japan

 「推し活」が人気だ。推し活と言えば、自分の一押しのアイドルや俳優、声優、アニメキャラなどを応援する活動を指す。写真やイラスト入りのグッズなどはわかりやすいが、文字だけでも推し活は行われているという。それだけでなく、概念での推し活も行われている。SNS内で人気の推し活事情を見ていこう。

推し活ではアクスタ、アクキーなどが人気

 パナソニックの「20〜50代女性『推し活』に関する調査」(2022年5月)によると、20〜50代女性の21.8%が「現在推し活をしている」と回答。推し活が一般化して市民権を得ていることがわかる。

 なお、推し活のジャンルは、「アイドル(性別問わず)」(37.0%)、「アーティスト(音楽活動をする歌手、奏者)」(30.7%)、「K-POPアイドル、アーティスト」(18.4%)、「アニメ(コンテンツ自体やキャラクターを含む)」(17.7%)、「漫画(コンテンツ自体やキャラクターを含む)」(16.8%)が上位となった。

 推し活を通じて得たものは、「楽しみ」(76.2%)、「活力、元気」(63.8%)、「幸せ」(63.0%)、「ストレス解消、発散法」(62.4%)、「癒し」(60.4%)などが上位に。その他、「友情」(27.0%)、「美意識」(25.8%)などの回答もあり、全体に生きがいにつながっている人が多いようだ。

 推し活グッズの定番に、写真やイラスト入りの缶バッジ、アクスタ(アクリルスタンド)、アクキー(アクリルキーホルダー)などがある。コレクションするのはもちろん、推しのアクスタなどと撮影してSNSに投稿することで、推しとお出かけしている気分が味わえるのだ。

「推しの名前だけで萌える」–名前パネルに推しグラス

 前述の例はわかりやすいが、実は推し活グッズの中には、文字のみのものも多い。具体的には、「推しうちわ」や「推しグラス」などが当てはまるだろう。しかし、この2つの使いみちは大きく異なる。

 「推しうちわ」とは、応援うちわのことだ。片面には推しの名前、裏には伝えたいメッセージやお願いなどが書かれていることが多い。ライブでうちわを本人に見えるように持ち、メンバーカラーとデコで目立たせた名前に気づいてもらい、裏側のメッセージで気持ちやファンサービスのお願いなどを書くというのが定番だ。お願いは「笑って」「手を振って」などさまざまだ。

 一方「推しグラス」は、推しの名前を書いた文字をグラスに貼りつけ、飲み物を飲むというものだ。スマホに透明テープを貼り付け、推しの名前を画面に映し、マジックペンでなぞったものをグラスに貼り付ける。中にメンバーカラーの飲み物を入れて飲むのが人気という。InstagramやTikTokなどのSNSに投稿すると映えると人気が高く、「#推しグラス」はTikTokで4150万回再生、Instagramで2.1万件投稿されている。

 「推しグラスで飲むとちょっと美味しく感じる。メンバーカラーと推しの名前があれば完全に推しグッズになると思う」とある女子高生はいう。

 
 

 女子高生いわく、「推しパネル」も人気が高いという。推しパネルとは、推しの名前を大きく印刷して張り合わせた名前パネルだ。サイズが大きく、ライブなどで応援うちわのように使ったり、InstagramやTikTokで写真を撮り投稿したりするために利用する。

 「推しパネルは持ち運びが便利なように折りたたみ式にして作った。推しは名前だけで萌える」

 
 

「概念でも推せる」と推し概念

 「推し概念」をご存知だろうか。学校や職場などで推しがバレたくない人、おおっぴらに言えない推しがいる人などが、概念で推す推し活があるという。

 「たとえば、好きなキャラの目と髪が紫だったら紫が推しの概念カラー。推しのイメージの香水とか、推しの色が入ったぬいぐるみで“推しぬい”とか、推しの色が入ったアクセで“推しアクセ”とか。推しの色が入っていたら、“概念グッズ”」

 小物やぬいぐるみ、ネイルなども推しの色を選ぶことで、「いつも推しと一緒にいる」気持ちになれるそうだ。「SNSの投稿は絶対推しの概念カラー中心にする」という。

 SNSなどでは、推しのグループやライバーなどの絵文字を使うこともある。その決まった絵文字は「推しマーク」などと呼ばれ、名前や性格などから自らつけたり、ファンが決めたりするという。推しマークをつけている同士はファンということがわかり、SNS内でも一体感が味わえるという。

 SNS内でも推し活は人気となっており、名前や色、絵文字なども活用して推し活が行われている。気になった方は若者の使うSNSをのぞいてみてはいかがだろうか。

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