どの世界にも「見かけ倒しの人」がいる。見た目に対して実力が伴っていないと悪目立ちしてしまうものだ。しかし、何か新しい趣味を始める際に「形から入る」のは決して悪いことではなく、先に準備を整えることでやる気全開になる人も少なくないだろう。
というわけで料理初心者の私は、Amazonで「耐久性と着心地を追求した料理人のためのコックコート(2998円)」を購入した。プロ顔負けの衣装を身につけることこそが、一流シェフになるための近道だと確信したからである。なお、Amazon評価は1.7で……
カスタマーレビューは2件。「コスプレならいい。あまりにペラペラで実務に向かない(星1)」「Good(星5)」と評価は真っ二つだった。実際のところはどうなのか……袋から出てきたのは以下の3点セットであるっ!
…………
コック帽!
エプロン!
コックコート!
以上が、ナチュラルなデザインでワークシーンをスタイリッシュに演出するという男女兼用のコックコートだ。カラーは「ブラック系」「ホワイト系」「レッド系」の3種類で、今回は最もプロっぽいブラック系をチョイス。3000円で一式揃うならお手頃ではないだろうか。
・明らかにプロ仕様
ちなみに、商品写真の男性モデルはダルビッシュ有投手(パドレス)に激似のイケメンシェフ。表情はかなり真剣で、まるでキャッチャーのサインを確認しているかのよう。とにかく同商品がプロ仕様であることがわかるはずだ。
ところが、コックコートをよく見ると……
ほつれ箇所がめちゃめちゃ多いうえに……
なぜかコートの内側に文字が書いてあった。数字の2とハングル……どんな意味なのだろうか。意味不明な書き殴りは不気味なんですけど。
とにかく着てみると……
…………
よく分からないが料理人にはなれた……気がする。ただやはり、商品写真のダルビッシュほどのオーラはないというか、素人がコックコートを着たところで素人の域は出なかった。
……プロと素人の着こなしの差が出るのは「コック帽」だろうか。スマートに帽子をかぶるダルビッシュが三ツ星シェフだとしたら、素人の私はファミレスバイト初日のようだ。バイト仲間から「オリジナルのエプロン持ってくんなよ」と陰で悪口を言われていそう。
コックコート自体はレビュー通りペラペラで、実務にはちょっと向いていないかも……ほつれも多いし「作りが雑」と言わざるを得ない。シェフっぽい格好をしたい学生(たとえば演劇部)なら使い道がありそうだ。
というわけで、見かけ倒しを狙ったつもりが、結果的に料理の腕前通りの見た目になってしまった。そんな3点セットいかがでしょうか。現場からは以上です!
参考リンク:Amazon「男女兼用 オシャレ コックコート+エプロン+帽子3点セット シェフ 長袖 業務用 厨房 料理人 レストラン カフェ 」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.