Appleがオランダの競争規制当局である消費者市場局(ACM)の命令に従い、オランダのマッチングアプリで外部リンク支払いとアプリ内支払いの両方を許可しました。
ACM: Apple changes unfair conditions, allows alternative payments methods in dating apps | ACM.nl
https://www.acm.nl/en/publications/acm-apple-changes-unfair-conditions-allows-alternative-payments-methods-dating-apps
Further updates on StoreKit External Entitlement for dating apps in the Netherlands storefront – Latest News – Apple Developer
https://developer.apple.com/news/?id=3bttqj0z&1654894572
ACMはApp Storeで入手できるアプリのアプリ内支払いシステムについて、Apple独自のシステムしか利用できないことはAppleの支配的地位の乱用だとし、以前からAppleに改善を求めてきました。
Appleはこれに応じ、2022年2月にオランダのマッチングアプリに限定して「別の支払いシステム」と「外部リンクを介した支払いシステム」の導入を許可。しかし、開発者が選択できるのはいずれか一方でした。さらにAppleは代替手段の支払いに27%の手数料を設け、売上をAppleに報告することなどの条件を課すと表明。Apple独自の支払い方法に設けられた30%という手数料からは減少したものの、わずか3%という数字のためにAppleの条件に従うことは多大な労力を費やす可能性があり、開発者からの反発を招いていました。
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今回、Appleは条件を変更し、別の支払いシステムと外部リンクを介した支払いの両方を選択できるようにしました。さらに、支払いシステムのサービスプロバイダーに設けられた評価基準も見直されています。ただし、27%という手数料に改革は加えられず、この数値がそのまま適用されることとなります。また、手数料を15%に減額しているApp Store Small Business Programでなども3%ポイントの減額措置がとられるとのこと。
2021年8月、ACMはAppleに対し、支払いシステムの改善要求とともに定期的な違約金支払いを命令。Appleは前述の通り一部の動作を改善しつつも異議申し立てを繰り返していますが、違約金の支払額は5000万ユーロ(約70億円)にまで膨れあがっているとのこと。ACMは過去数ヶ月間にわたりマッチングアプリプロバイダーや独立した専門家から情報を収集し、アップルが命令を遵守しているという評価を下しているため、これ以上違約金が増額することはないとACMは説明しています。
ACMは「人々や企業はオンライン上の誤解を招く行為や市場権力から保護されなければなりません。強力な企業は市場を公正かつオープンに保つという特別な責任を負っていますが、Appleはその責任を回避し、マッチングアプリのプロバイダーに対して支配的な立場を乱用していました。私たちは、Appleがついにその条件を欧州とオランダの競争規則に沿ったものにしたことをうれしく思います」と述べました。
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