メモ
北朝鮮では2022年4月下旬以降に、人口の8%にあたる197万8000人の発熱者が記録されており、北朝鮮政府は5月12日に、国内で新型コロナウイルス感染症が確認されたことを初めて認めました。そんな北朝鮮と中国の国境に位置する街「丹東市」で保健当局が新型コロナウイルスへの感染を防ぐために「窓を閉める」ことを推奨していることが報じられており、当局の対応に対して専門家から困惑の声があがっています。
Chinese City Asks People to Close Their Windows in Case COVID Blows In From North Korea
https://www.vice.com/en/article/xgyq44/north-korea-dandong-close-window-china-covid
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るうなか、北朝鮮は2022年まで感染者の確認を発表していませんでした。しかし、2022年5月12日に初の感染確認を発表して以降、発熱者が大量に確認され、金正恩総書記が「建国以来の大動乱と言える」と発言するなど緊迫した状況が続いています。
そんな中、北朝鮮と国境を接する中国の丹東市で保健当局が「北朝鮮から飛来する新型コロナウイルスを防ぐために窓を閉める」ように求めていることが明らかになりました。
北朝鮮と中国の国境には「鴨緑江」と呼ばれる河川が流れており、鴨緑江の川幅は広い場所では数百メートルにおよぶとのこと。香港大学で公衆衛生研究部門の責任者を務めるレオ・プーン氏は「新型コロナウイルスがこれほど長い距離を移動するという話は聞いたことがありません」と述べ、当局の対応に疑問を呈しています。また、筑波記念病院救急センター長の阿部智一氏は海外メディアのVICEに対して「新型コロナウイルスが大きな体育館のような場所を移動することはあり得ますが、村から村へと横断するとは考えられません」と述べています。
丹東市では最近の感染者数急増により、厳しいパンデミック対策が要請されています。しかし、封鎖措置が拡大されたにもかかわらず、毎日多くの人がウイルス検査で陽性反応を示し続けているとのこと。
VICEは、丹東市の保健当局が発令した指示は、感染者の発生が特定できないことによる苦肉の策だと指摘した上で、「丹東市で相次いでいる新規感染と、ウイルス拡散を抑制するための当局の迅速な措置は、ゼロコロナ政策を掲げる中国の苦悩を浮き彫りにしています」とコメントしました。
なお、日本の厚生労働省は窓を閉めるのではなく、積極的に換気することを推奨しています。
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