ヤクルト本社(東京都港区)の乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000/Y1000」が”千客万来”の人気ぶりだ。SNS上では「睡眠の質向上」を期待するユーザーの間で注目が集まり、店頭や自動販売機での「売り切れ報告」が連日相次ぐ。
乳酸菌飲料市場では同商品以外にも、飲料メーカー各社が高付加価値飲料を販売。市場の盛り上がりに、企業の間では好意的な受け止めが広がっている。
1日あたり100万本売れる「ヤクルト1000」
「ヤクルト1000」は2019年10月に関東地区で発売し、21年4月に全国展開を開始。宅配向け商品だが、自動販売機でも売られている。「ヤクルト史上最高密度の乳酸菌シロタ株」を含んだ機能性表示食品で、「ストレス緩和」と「睡眠の質向上」を掲げている。
ヤクルト本社の22年3月期決算短信補足説明資料によると、1日あたりの売り上げ実績は21年3月期で42万7000本だったが、全国展開後の22年3月期には114万7000本まで増加。同社の過去最高益に貢献した。23年3月期は145万本の売り上げを見込む。
21年10月には店頭向け商品の「Y1000」を全国発売。近頃はSNS上で、特に「睡眠の質向上」を期待するユーザーの間で話題となり、小売店などでの「品切れ報告」が相次いでいた。22年5月下旬には東京メトロ・日本橋駅に「ヤクルト1000」の専用販売スペースが出店したことも注目を集めた。
5月31日には「ヤクルト1000」が品薄になっているとして、ヤクルト本社が公式サイト上にお詫びの文書を掲載。6月1日には、7月にも「Y1000」の増産がはじまることを日本経済新聞が報じている。