目隠しして連れて行かれた場所を当てるゲームです
電車で居眠りしてフッと起きたとき、車窓の景色をヒントにいまどこを走っているのかを当てるのが楽しい。
あれだけをゲームとしてやりたい。
目隠ししてどこかに連れて行かれて、自分がどこにいるかを当てるのだ。
デイリーポータルZには写真から場所を当てる人気クイズ「ここはどこでしょう」があるが、それのリアル版だ。
参加メンバーとルール
西村まさゆき
ここはどこでしょうのゲームマスター。あらゆる地理に詳しい。
べつやくれい
うまれてからずっと東京。街には詳しいが地理にはそんなに詳しくない。
林雄司
この企画の言い出しっぺ。環七と環八の間の住宅街が好き
安藤昌教
今回はドライバー。デイリーポータルZ関係者では貴重な運転できる人間
ルール:
・3人がそれぞれ1問出題し、全3問。つまり3ヶ所をまわる
・問題となる場所では出題者以外の2人が回答者となる。
・回答者は移動中、目隠ししてヘッドホンをする
・ここだと思う場所を地図上で指し示し、ずれている距離が少ないほど高得点
目的地はどこも渋谷から車で30分以内でお願いしてある。
出題者がナビじゃなくて運転すればいいのだが、デイリーのライターは地理に詳しい人ほど免許を持っていないというパラドクスのせいである。
第1問:林の問題「え、ここが〇〇区?」
1問目は林が選んだポイント、西村・べつやくが回答者である。えー、まさか〇〇区だとは思わなかった!という場所を選んだ。
スタート地点の渋谷から30分もかからない場所だったため、近いことに気づかれないように渋谷の街をぐるぐる回って時間稼ぎをした。こういうのだけで毛穴が開く。
さて、程よいタイミングで目的地に向かう。
いよいよ出題である。
楽しくてテレビ番組のようなフレーズを高らかに宣言してしまった。おれは愛川欽也か。
このあと僕も回答者に回るのだが、まず車を降りて地面が柔らかいだけでも笑ってしまう。唐突に地面がふわふわすると頭が混乱する。
練馬、杉並、世田谷あたり?そう思って欲しい。まずは一歩も動かずに回答してもらおう。
安藤さんは左側のカーブしているビルを見たことがあるという。安藤さんは「おれもやりたい」とこの日20回ぐらい言っていた。たまたま運転できたがための悲劇である。
西村 「あんなに高いマンションがあるってことは、荒木町(四谷)のあたり?」
いいぞ!ぜんぜん違う!
しかし西村さんがここで気づく。あの高いマンションではなく、その隣りにある2棟同じビルだ。
では最初の一歩も動かない状態での回答
言われてみれば再開発から外れているエリアの西新宿っぽい!が、ぜんぜん違う(嬉しい)。西村さんはかなり惜しい!
西村:70点
べつやく:0点
少し歩くとだんだん景色の解像度が上がってくる
この場所は少し歩くと大きなヒントが見える。10歩ほど移動して考えてもらおう。
向こうで銀色に光るのは六本木ヒルズである。さっき西村さんが言ったホンダの本社と六本木ヒルズのあいだのどこか、ということになる。 山を目印にする古代の航海術のようだ。
六本木ヒルズ、墓地、デニーズ…とだんだん情報量が増えて場所がわかってくるこの感じ、出題者でありながら興奮する。パネルアタック25の最後の問題のようだ。
さあ、ここはどこでしょう?!
第2回めの回答と正解
西村:100点 (累計170点)
べつやく:50点 (累計50点)
感想戦がいいんだこれがまた
正解の場所が分かったあとでも、景色を見ながらああだこうだ言うのもまた良い。むしろ問題を解くよりもこっちのほうが楽しい。いきなり連れてこられた場所を飲み込む時間だ。
西村「青山ツインタワーがあんなに小さいとは」
林「高いビルはツインタワーの裏の高級マンション、元ヤクルトの外国人選手が住んでるというマンションですよ」
べつやく「そんなのヒントになってない」
安藤「どこだ?いまどこにいるのか全然わかんねえぞ」
ドライバー安藤もいっしょになって解いていたのは不安が残った。さっき運転してきただろうが。
十分レクリエーションになることがわかったので2ヶ所目に移動します!
第2問・西村さん出題「特徴的な建物がひとつ」
青山から2問目の場所に移動する。次は僕が回答者になるのでアイマスクとヘッドホンをする。電波少年のようで興奮する。
が、酔った。
めちゃくちゃに乗り物酔いした。
冷や汗でシャツがしっとりを通り越して濡れている。目的地についてすぐドアを開けて降りようとすると…。
泥??反対側のドアから降りるように促された。
降りるとぬかるんでいる。目隠ししてぬかるみに降りると肥溜めにいる自分しか想像できない。
アイマスクをしたまま肥溜め(想像)を西村さんの肩をつかんで歩く。
高速のジャンクションだろう。周りの雰囲気はずいぶん郊外の雰囲気である。渋谷から30分でこんな場所があるだろうか。
西村 「かっこいいでしょ?(嬉)」
ただ、この独特の建物は東京の東側、墨田区、葛飾区のあたりで見たことがある、ような気がする。泥酔して乗ったタクシーから朦朧とした意識で見たような…。
ではまずは一歩も動かない状態での回答。
林:0点。でも方角は悪くない
べつやく:50点(累計100点)
東京の東側であることがはっきりした。では第1問同様、歩いて考えさせてもらおう。
西村さんからヒント「交通情報でたまに出てくる地名です」
交通情報…J-WAVEの交通情報のジングルは思い出せるのだが、地名は箱崎ぐらいしか記憶にない。
では2回めの回答である。
林:0点
べつやく:100点(累計200点)
感想戦
まさかの足立区加平であった。綾瀬の近くである。
西村「目を開いたら特徴的な建物がひとつある、という問題でした」
べつやく「地図を探していたらこの形があった」
西村「電柱に小さく六町とあるので、それもヒント」
林「まさか綾瀬のほうまで来るとは思わなかった」
べつやく「目の前の車が奈良市のナンバーと仙台ナンバーでどこまで来たのかと思った(偶然停まっていただけ)」
高速に乗ったところで、3問目の回答者の西村・林がアイマスクをしてヘッドホンを装着した。いよいよ最終問題である。
第3問・べつやくさん出題「谷だからアレが見えない」
加平から高速に乗って都心に向かい、曲がった方向を覚えていればどこか分かるはず…と少年探偵団のようなことを試みたがまた酔った。
細かい道をジリジリっと曲がって降ろされたところが3問目だ。
安藤「ちょっと歩くとわかるかもしれない」
べつやく「ヒントがなさすぎるのでだいたいこのへんでOK」
西村「あれ!」
西村「めっちゃ都心じゃないですか?トーチタワー(東京駅)」
べつやく「0点!(嬉しそう)」
西村「秀和があるってことは…新宿とか豊島区じゃない?」
林「六本木の最後の再開発って言われてるビルじゃないかな」
西村:100点 (累計270点)
林:100点 (累計100点)
べつやくさんの狙いは「六本木なんだけど、一歩入ったところの下町のような町並み」だった。(1問目の青山の意外な景色に近い)。
谷だから東京タワーが近いのに見えない好スポット
にわかには六本木とは思えない景色だが、ここもまた歩くとどんどん分かってくるのだ。頭のモヤが気持ちいいほど晴れていく。わかったぞ!世界のすべてが!みたいな万能感が溢れてくる。
この場所の4枚めの写真「奥に見えるのは高速道路?」の写真をよく見ると、軽トラックにキャンティと書いてあるのだ。これも大ヒントだったが僕はキャンティを知らなかった。
だんだん分かってくる感覚に興奮してこのときの写真が全員爆笑している。
しかしこれだけ近いのに谷だから東京タワーがみえない場所を選んだのがあっぱれな問題だった。
本日の結果:
西村:270点
べつやく:200点
林:100点+乗り物酔い
続きます
問題を解くだけではなく、知らない場所に連れて行かれる楽しさ、正解を知ってから徐々に世の中が分かってくる感じ、問題の絶妙さ、どれもパーフェクトに楽しい試みだった。
問題となる場所の選びかたも分かったのでこの企画は続きます。